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2014年5月26日

ケロズ

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Tip of the iceberg2#Do you speak BEAR?

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日本の皆さんこんにちは!吉村ケロズです。カナダに来て1カ月、やっと初トレランに行ってきました。今回はクマのお話です。場所はバンクーバーから車で2時間半、ウィスラー(Whistler)という場所です。スキーリゾートとして有名な場所なので聞いたことがある人も多いと思います。今回はホームステイファミリーが一緒に連れて行ってくれました。感謝です。「シズカ(ケロズ)は何がしたい?」と聞かれたので「山を走りたい」と言ったら、一言。「BEAR」。
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ベアー。つまりクマです。カナダの山には多くのクマが生息しています。主にブラックベアとグリズリーベアが主流のようです。個人的にはクマに対して「怖い」という認識(固定観念?)を持っていました。カナダに来てから1人の女性がクマに襲われ死亡したニュースも見ました。だから「クマがいるよ」と言われてからはカナダの山に対し急に恐れを感じてしまったのです。なので”もしクマに遭遇したら?”という講習(ホームステイ先のアンジェラが教えてくれました)を受け、ウィスラーに出かけました。絶対に逃げない。ゆっくり後ろに下がる………。
IMG_1180「いいですか、子どものクマがいても近づいてはいけません。近づくと母親クマさんがあなたを襲ってきます」の図。
到着してすぐよっしゃ走るぞと思いきや、やはりはじめからトレイルに入るのは怖く、トレイル風メインロードを走ることに……
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天気もよく、快調にラン。しかし途中からあるモノが視界に入り始めました。
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???ん??あれ‥‥
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止まってよく見てみると大型動物と思われるフン。「いやまさか‥‥」と思った瞬間から冷や汗がどばっと湧いて出てきました。あまりの恐怖心から20秒くらい動けなくなり、通りがかりの美人なお姉さんに手を挙げて質問。—-ケロ「あの、これってつまり‥その‥」—–美人「Bear’s Poo(クマのフンよ)」—–ケロ「!!!!!!OK……OK……NO! NO! Sorry! Not OK!(大混乱)」—–美人「昨日の夕方もこの近くでクマを見たわ。めっちゃかわいいわよ」ということでクマの写メを見せてくれました。どわああああ。……かわいいな。
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「もしクマに遭遇したらどうするか分かってる?」と聞かれたので練習の成果を披露。「Great!」ということでお姉さんとは別れ、冷や汗とともにスタート……というわけには行かず、情けないけれど引き返すことに……。
しかし帰り際にこんな看板を発見。「Do you speak Bear?」
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なぬなぬ!超初級者レベル英語の吉村和訳によりますと「ウィスラーはクマの王国。この森の中で彼らは尊敬に値する存在です。ウィスラーでクマを見ることは珍しいことではありません。事実、彼らはウィスラーの谷間に不可欠な存在なのです。私たちの地域社会では、クマと人間は献身的かつ穏やかに共存しています。」
ふむふむ。
「あなたはクマと話すことができますか? 話せないでしょう。もしクマに遭遇しても、決して近づいてはいけません。どんな理由があろうと逃げてはいけません。クマはボディランゲージや、音、においを通して感じる力があるからです。私たちのすべきことはシンプルです」
なるほど。カナダではクマと人間とは共存しているのか。そういえば小学生の頃、山で遊んでいるときに先生がこんなことを教えてくれました。「カマキリは人間の感情を感じ取ることができる。だからカマキリがカマで威嚇してきても、決して恐れずに穏やかな気持ちにしていること。そうすればカマキリは攻撃してこないよ」。この話を26年間信じてきたけど、この話と似たようなことなのだろうと理解。
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美人なお姉さんも「あなたがクマを怖いと感じるようにクマもあなたが怖い。だから逃げ出すと襲ってくるのよ。」なるほど、だんだん理解できてきたぞ。さらに読み進めていくと、
「とにかくクマが出てきたら穏やかな気持ちでゆっくり後ろに下がる。穏やかな声で「クマさん、大丈夫ですよ〜恐れないで〜」と言いながら。」
ふむふむ。クマが少し怖くなくなってきました。というより自分の恐怖心は拭えないけれど、「ただ怖い」というだけの気持ちではなく、同じ森で互いに生きていければいいなぁと。日本にいたときに「寝たふり」や「抱きつく」といった対処法を聞いたことがあるけれど、この方法が合ってる、合ってない抜きにして、「敬意を持って平穏な気持ちで接する」「クマを好きになる」という意味が込められているのではないかと、勝手に日本式の対処法に納得。これからクマに対して自分がどう変わったらいいのか考えていく良い機会になりそうです。
とそんなことを考えていた帰り道、こんな看板を発見。
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「Helly Hansen Trail Running Clinic 11:00AM」!!なぬなぬ!時計を見ると、今10時20分。行ける!!!ラッキー!!というわけで急いで集合場所のLOST LAKEへ。ヘリーハンセンストアのスタッフと一緒にロスト湖の周りのLOST TRAIL7kmを走るという企画。参加費無料。私以外の4人はほぼみんな手ぶらで集合、かなり和やかな雰囲気でした。受付のお姉さんに「あなたクールなザックしょってるわね」ということでアルティメイトディレクションを褒められ、喜ぶ吉村。ここでも「もしクマに会ったらどうするか分かる?」と聞かれたので即座に実演(後ろにゆっくり下がる)、「OK.」の承認をいただく。
コースにはマーキングがしてあるので、もしはぐれてもこの旗を目印に来てね、ということです。看板などがいちいちオシャレやなぁ~
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レッツゴー!と思って走り出したらしょっぱなから飛ばす飛ばす‥‥。がんがん飛ばします。個人的にはレース級のスピードなもんで息があがるあがる。そんなことおかまいなしにお姉さんががんがん話しかけてくる‥‥。☆○×△*?○〜ふぅ。
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楽しいなぁ。なかなかのアップダウンです。
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他のランナーたちからは、カナダでトレランやってたら絶対1度はクマに遭遇すると言われました。その時までにはもっとクマに関することを勉強しておきたいと思います。
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折り返し地点に到着。そらが広い。こころも広くなる〜。後ろに見えるのがGREEN LAKE。帰り道、こんな看板も発見。
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お互い道を譲りあってくださいね、という看板。マウンテンバイク、ハイカー(ランナー)、そしてクマさん。この看板を見た瞬間に、さきほどの看板の内容もだいぶ理解できました。……私カナダが好きだー!
ということで初トレイルは大爆走でしたが、とても気持ちのよいトレイルでした。道はかなり細く、1列でしか走れないほどでした。ハイカー、トレイルランナーに勝るほどのマウンテンバイクもたーくさん。他のアクティビティにも興味が出てきました。この写真は帰り道のスコーミッシュ(squamish)という町の大きな岩山。
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8月にこのスコーミッシュの山を50km走るレースにもボランティアで参加します!当日は走ります。またレポートします。それではみなさままた会う日まで〜Good luck!

keroz(ケロズ)
ランナー、1987年、新潟県生まれ。
本名吉村静。
京都造形芸術大学卒業後、
2010年、(株)アールビーズ入社。
マラソン大会の運営に携わり、
ランニング専門誌「ランナーズ」元編集者。
幼少期からとにかく走ることが好きで
国内外多くのレースに参加している。
フルマラソンの自己ベストは3時間39分56秒(2014年名古屋ウィメンズ)。
2014年4月から1年間カナダへ渡航し、
マラソン大会のボランティアをしたりと
ランニングカルチャーに触れてくる予定。
足が速いだけでは勝てないマラソンなど、
今のオリンピック種目にはない新しいスポーツを作り、
その競技だけで行う「ケロリンピック」開催に向けて日々活動中。
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PROFILE

ケロズ | Shizuka Yoshimura

ランボー地球支部として世界を探索、いろんな人の心に窓を作ることをテーマに記事を書いています。過去4年間はカナダ2年、ニュージーランド1年、インド・ネパール半年、その後少し日本を経由して、現在はカナダの永住権を取得、バンクーバーで生活しています。今後さらに北上、極寒の地でアートとアウトドアの境目をユニークに生き抜くために少しずつ準備中。走ることが好きで、ロード、トレイル、夢の中、どこでも走ります。昼寝と動物が好きです。2014年裸で走るレース「Bare Buns Run」バンクーバー大会女子優勝。また現在幻冬舎が運営するウェブサイト、幻冬舎+(プラス)にて、「北極かえるのコモンロー日誌」も連載中。

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