奥三河パワートレイル(2015)参戦記


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4/12、第1回奥三河パワートレイルに参戦してきました。

初開催かつ完走率が30%を切る大会ということで、内容が気になる方も多いと思います。一応、完走することができましたので、来年以降の参加を考えている人の参考になる様にレポートと考察をアップします。

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1)どんな大会か

○石川弘樹プロデュース
信越五岳、斑尾など、トレイルを走ることの気持ちよさを感じさせてくれる数々のレースプロデュースで定評のある石川弘樹氏プロデュースです。ですが…w

○コースプロフィール
総距離:63km、獲得標高:4,000m。これだけみると少し険しめの中距離レースに見えます。が、スタート地点が1220mの茶臼山高原でゴール湯谷温泉の標高が100mですので、下りの総和は獲得標高の4,000mに1120mを加えた5,220mになります。63kmで5,220m下るって相当ですよね。足への負担も推して知るべしです。エントリー時点でこの情報をみた時、中々手強いレースなのではないかと思いました。

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○コース構成
このレース、前半35kmと後半30数キロでは全く違う性格のレースです。前半部分は大まかに言ってトレイル、林道、ロードの割合が1/3ずつ。獲得標高が1,000mで下りが1,800mという下り基調、テクニカルな部分がほとんどなく、非常に走りやすくスピードも出るコース。後半はトレイル率約90パーセント。30数キロ(直前で距離が延長になったため最終距離は不明)で獲得標高3,000m、下りが3,300mという非常に険しいコースなのです。後半だけ試走した方が8時間かかったとか、そんなブログも上がっていました。

コースマップ(PDF)

○制限時間
これだけの材料が揃いながら、制限時間は12時間。これが今回の完走率が低かった原因でしょう。この制限時間と前述の試走者のレポートがあいまって、事前に完走率は2~3割じゃないかとささやかれだしましたw (僕も直前で自分のレース難易度に関する認識を改めました。)ただスタートが宿泊地点から2時間離れた茶臼山高原であったこと、ゴール地点の湯谷温泉も飯田線で豊橋から1時間ほど離れており、関東関西への帰りの交通を考えるとスタートもゴールもこれ以上前倒し、後ろ倒しのできない時間であったんだろうなと推察できます。

2)個人的なレースプラン

○目標
それだけの前情報が集まっちゃうと、純粋に完走できればいいかなと思う様になりました。てことで第1目標は完走。もしも完走率が厳しく見て2割なら目標は上位20%。なにかやらかしてしまうと一気に完走が厳しくなるので慎重なレースプランを考えました。

○プラン
試走者の方の情報をもとにして、後半がフレッシュな状態で8時間なら前半を4時間で入らないといけない。でも下りの林道やロードを飛ばすとあとが怖い。その辺のバランスを取りながら前半頑張りすぎず足を残して、第1関門の小松エイドに4時間で入ることをゆるい目標に。そっから後はなる様になれ。そんなざっくりとしたプランでした。

○補給・その他
レース時は基本1時間に1本ジェル。12時間目標なので11本。熱中症、脱水症状が一番恐いので攣り防止に水溶性マグネシウムのMAG ON3本。その他MAGMA3本。塩熱サプリ4個。リカバー用にZEN AFTER8粒。いざという時のVESPA HYPERx3。ドリンクはスタート時麦茶500ml。ポカリ500ml。繰り返しになりますが、脱水から来る攣り、熱中症でのコンディション低下に一番気を使いました。それから友人からのアドバイスに基づき小松エイドででる甘酒も重要な補給として考えていました。

○装備
気温がそれほど低くならなそうだったのでウェアリングには気を使わなくてすみました。ザックは大量の補給食をストレスなく取り出せる為に、ノースフェイスのエンデュランスベスト。シューズはロードや林道が多く下りも多いのでHOKAのチャレンジャーATR。HOKAに関しては後半がテクニカルな場所だったら走りづらいなと少し不安を残してのスタート。

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ITJで活躍したチャレンジャーをチョイス

3)レース展開

○スタート前
宿泊エリアからスタート地点まではシャトルバスで2時間。3時に起床。4時のバスに乗り6時前に会場到着。荷物預けやトイレをすませてスタート地点へ。この頃には日もでていて、半袖短パンアームスリーブで寒くなかったです。

○スタート〜AD1津具
朝7時レーススタート。スタートしてしばらくロードをゆるく上る。茶臼山山頂に向かいトレイルに入りここでちょっと渋滞するがそれほど気になるものでもなし。茶臼山を下りきると緩やかな下り基調のトレイル。それを3kmほど進むとロードにでます。ここからエイドまではほぼ下りのロード。丁度岩本町クラブの伊丹ちゃんがいたので世間話をしながら足に負担をかけない様にのんびり進みます。

○AD1〜AD2小松
下り基調ということもあり、AD1まではあっという間に到着。止まるまでもなかったので、AD1ではスポーツドリンクを補給。暑くはないけれど既に汗を結構かいていたので、トイレ待ちの間にMAG ONと塩熱サプリも補給。足早にエイドを離れる。エイドをでるとすぐに上りのトレイル。今回のレース用に新しく通したトレイルの用で足下がゆるく、石川さんが「足下ゆるいので丁寧に通ってください」と一人一人に声をかけている。トレイルの泥濘化・複線化はこういうところから起こるので非常に誠実な対応だと思いました。

AD1から2kmほどの地点でウォーターエイド。喉が渇きそうだったので軽く水を飲み、首筋に水を数杯あびせてクールダウン。熱くなるとこれが結構効果的。面ノ木峠までゆるくロードを上りそこから碁盤石山を経由するトレイルへ。軽く上るもののそれほどの距離もなくほどなく林道へ。ここから10kmほど下りの林道が続く。脱力しつつ足を使わない様にかつスピードを落とさない様に進む。単調なので気持ち的には結構あきる。気持ちが切れそうになった頃に28km、タコウズのウォーターエイド出現。水を飲み、再び首筋に2杯ほど水をぶっかけすぐスタート。クールダウンは効果があるのか足取りもやや軽くなります。

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-碁盤石山へ向かう、35kmまではのどかな風景が多い

タコウズを過ぎてしばらくいくと下りは終了。ロードの登り返しに。集落を通過するので、地域の方が沢山応援してくれている。このアットホーム感はとても嬉しいです。ただ、みんな思い思いにエイドまで後1km、1.5km、2kmとか言うので混乱しますw ここまでまずまず温存して来れているので、上りもゆっくり走って上れました。最後きつい上りを少し上ってしばらくいくと35kmのAD2、小松に到着。

○AD2小松〜AD3四谷千枚田
小松には狙った訳じゃないけどプラン通り4時間で到着。塩熱サプリ、MAG ON、MAGMA、ZEN、等に加えてエイドのレッドブル、甘酒を頂く。甘酒は3杯も飲んだw アミノ酸豊富な飲む点滴です。五平餅もあったけれどITJでエイドで固形物食べ過ぎて失敗したので今回は我慢。トイレに入った後出発。滞在時間は10分ほど。出る途中に世界の増田選手とすれ違ったので、挨拶代わりにお互い腕立てをする(意味不明)。ちなみにこのエイドで僕より走力のある友人達が故障でリタイアしたり前半突っ込んで足が終わったりもしていました。

エイドを出て少しのぼりのロードを進むと、東海自然歩道に入ります。ここから本格的な山パートのスタート。200mほどのちょっとした山を一つ越えた後、岩古谷山への上りへ。最初は十三曲がりとかかれたつづら折れを上っていきます。で13回折り返してピークかと思いきや、そこからさらに急登を上り、最後は切り立った岩壁に張り巡らされた鉄階段をのぼり岩古谷山山頂へ。この辺から周りのランナーは結構ペースが落ちたり足が攣ったりしたりしていたけど、僕は足は残っていたので得意な上りで少しずつ順位を上げていきます。

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-岩古谷山へ上る鉄階段

岩古谷山から次のピーク鞍掛山までは約5km。しかし大小のアップダウンが非常に多く高低図で見たよりもはるかに大変。体感時間も非常に長く感じます。同日開催のハセツネ30Kの峰見通りみたいだなと思いながら進みます。鞍掛山からは一気に400mほど下り、AD3の四谷千枚田へ。ここまでの所要時間約2時間10分。

○AD3〜AD4棚山高原
ここまでで結構消耗したので、腰を下ろして小松と同じ補給をしながら休憩。ここは甘酒はなかったが、しし汁があったので頂く。少し後に世界の増田やT100で一緒だった斎藤さん、佐藤芳美ちゃんなども入ってくる。手早くエイドを出たセカマスについて13時30分(スタートから6:30)エイドを出発。

ここから1,2kmロードの上り。幸いまだ足が残っているのでゆっくり走りながら進むと、トレイルの入り口の鉄階段が見える。ここからまたさっきみたいなセクションが始まるかと思うとやや気が滅入るが仕方ないので先に進むw 高低図によるとここからは1kmで300m上る急登。ただ、ピークを2つ越えればその後は意外と次のエイドまで楽にいける様に見える。折れそうな気持ちを奮い立たせる様に、後ピーク1つだとか後上り100mだとか、自分に言い聞かせながら進む。が手元の高低図とAMBITの高低グラフが全く一致しないw とにかく我慢しながら進む。まぁ、高低図とかをあてにしだした時点で気持ちは大分弱っているということですw

なんとかアップダウンゾーンを抜け出し、下り〜フラットなゾーンへ。ここは走れるので走って進む。一人だと気持ちが折れるところだったけど、丁度前にT100の伊藤君を見つけ、彼がいいペースで走っていたのでついていき、フラットなトレイルと林道をいくつか経てAD4棚山高原へ。所要時間1時間55分。

○AD4〜ゴール
このエイド滞在は5分でとどめ、15時30分(スタートから8:30)出発。ゴールまでは鳳来寺山の急登を一つ残すのみ。距離は後8kmなので頑張ればサブ10いけるか?というペース。だが大分疲労がたまってきた。下りがテンポよく下れない。もたもたしていると後ろから世界の増田選手にものすごいスピードで抜かれました。(彼はその後の鉄階段も1段飛ばしで上っていったので「なんて男だ」と感心したのだが、その後足を攣りまくったらしいw)

300mの激下りを下ると、鳳来寺山への上りへ。この辺りはトレイルのサーフェイスも岩肌がメインのところが多くなってきていて慎重になる。上りは2kmで標高300mほど。ここまでペースをそれほど落とさずに来たが、さすがに疲労でペースが落ちる。加えてこれまで大丈夫だった足の攣りも出始める。なんとか我慢して鳳来寺山山頂へ。ここでゴールまで「後3kmです。」の声。後は全部下り。タイムは9:30。これはサブ10いける!?と思い気合いが入る。ただ、ここからの下りは不規則な岩の下りでかなりテクニカル。

そんな岩場をなんとかやり過ごし、鳳来寺境内へ。ここから走りやすくなるか?と思ったら再び階段を上らされ上りへ。瞬時に「あぁ、これは後5kmくらいあるな。」と悟り、サブ10はあきらめる。こういう切り替えの早さはトレイル経験の賜物ですねw 途中のトレイルで女性数名が「桑原さん頑張ってー。」と応援してくれてテンションアップ。今回もレースのいろいろなところでお声掛け頂きました。ありがとうございます。でそんな感じでトレイルを2kmほど進むと、別のスタッフの方が「後3kmですー。」と声をかけてくれる。やっぱりw

そこからの下りはしばらくテクニカル。下りが下手なのでスピードが出ない。T100の斎藤さんに最後ものすごいスピードで抜かれる。ラスト2kmは林道。林道に出てからはペースをあげる。最後石川さんがゴール方向から逆走してくる。僕を見つけて遠くから雄叫びをあげてくれる。「超タフだったよー。」と声をかけ握手をして通り過ぎる。テンション最高潮になり俄然ペースアップ。上位10%に入りたかったし、丁度当落線上かなと思っていたので最後少しでも順位を上げたい。最終的に二人ぐらいかわしてゴール。ゴールでは妻とチームメイトが待っていてくれた。タイムは10:18。順位は66位/804人中。この過酷なレースで上位10%に入れたのは本当に嬉しい。過去一番出し切ったレースかもしれないです。

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-ゴール直後。出し切りました

4)まとめ

レース展開は、事前に想定した通りでした。途中足を攣っている人を多く見たし、小松以降多くの選手がペースダウンしている中自分はペースを落とさず進めたことが良かったです。攣りも最終盤まで大丈夫だったのでペース配分、補給等のマネジメントがうまくいったのだなと思いました。それから岩本町トレイルランニングクラブで、終盤まで足を取っておくための心拍あげすぎないトレーニングや、上り方等を練習していたのと、坂道インターバルで登坂力がアップした効果もあったと思います。

—追記—

マネジメントがうまくいった要因としては、非常に厳しいレースという前情報からコースマップをいつもより入念に見てレース展開をより深く想像できたことが大きかったと思います。その結果、自分のストロングポイントではなく、どこでやらかしそうか?何でやらかしそうか?失速するならどこか?というのがあらかじめ想定でき、ペース配分や補給がより意図的になりました。

レース全体をみるとやはり完走率は30%を切るくらいだったようです。制限時間が厳しかったことと、前半で足を使わされる展開の影響だと思います。温度も少し高く脱水しやすかったのもあるかもしれません。

事前の説明会で石川さんが「これまで石川のレースは走れるレースと言われていましたが、このレースは全く別物と考えてください。」と少し申し訳なさそうに言っていました。来年以降同じコースで開催されるかわかりませんが、コースが同じなら前述の推察からしておそらく制限時間が12時間より長くなることはないのではないでしょうか。

ただ、これまでの石川プロデュースレースと異なり厳しいレースではありましたが、逆にやりがいがあることも事実です。来年参加される方は、しっかりした準備と戦略を練って完走を目指して頑張ってください!

そして石川弘樹さんをはじめ、レースの運営に携わられた皆様ありがとうございました。この過酷なレースに参加したランナーの方々、改めてお疲れさまでした!

5)アイテム

Tシャツ:Arc’teryx / Phase SL S/S
-チームTシャツ。Phaseの速乾性はレースで本当に頼りになります。
パンツ:Patagonia / Strider Pro 5
-収納力の高い5ポケットショーツ。今回はザックの収納力が高かったのでポケットはほとんど使わず。
アームスリーブ:Finetrack / アクティブスキンアームカバー
-軽くて薄いアームスリーブ。走り出すとちょうどいい保温性。
-スタートからしばらくと、ゴール手前鳳来寺山山頂付近の稜線で使用。
キャップ:山と道
-フィット感やつばの形状がベストフィット。最近のお気に入り。間もなくRBRGでも入荷。
ソックス:Drymax / Lite Trailrunning
-レースではほぼこれ。ぬかるみや水たまりを踏んでも気になりません。
シューズ:HOKA ONE ONE / Challenger ATR
-コース全体にテクニカルな場所は多くなく、ロードや林道の割合を考えるとベストチョイスだった。
携帯カップ:Salomon / ソフトカップ150ml
-かさばらず、片手で開ける。今回の必携品だがエイドは紙コップが用意されていました。
ザック:THENORTHFACE / エンデュランスベスト
-前面にジェル11本、MAGMA、MAG ON、VESPA、携帯カップ、携帯電話、
-コースマップ、ソフトフラスクx2を収納できる収納力の高さ。
-レース中1回もザックをおろすことがありませんでした。
-ソフトフラスクの位置も首のすぐ横なので、出し入れせずにハイドレ感覚で給水できるのも◎。
その他:必携品各種

 

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-補給ではMAG ONがかなり攣り防止に役立ったのではないかと思います