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2021年1月27日

ユウタ

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ランニング障害とその予防法

ついこの前年末年始だったのにもうすぐ1月が終わってしまいますね、こうやって今年もあっという間に終わるんだろうなぁと思い今年最初のブログを執筆しています。皆様今年もどうぞよろしくお願い致します!

こちらカナダのバンクーバー島はコロナ感染者数が大都市と比較してかなり低い状況がずっと続いていましたが、今年に入って感染者数が急激に増えてきて緊張感が高まっています。カナダは比較的ワクチンの摂取開始が早かったので有難いことに医療従事者の私は2〜3月にはワクチン摂取してもらえる予定になっています。それまで油断せずに慎重に暮らしていきたいと思っています。

ランニング障害

昨年は主にパフォーマンスアップのためのトレーニングについての記事が中心になっていましたが、今年は理学療法士の強みを活かしてランニング障害について少し触れていけたらなと思っています(と言いつつ面白い情報あれば全然関係ない記事書くと思います。笑)

よくある故障部位、疾患名

ランニングに故障はつきものと言って良いほど故障をしてしまう方が多いですが、毎年約50%つまり半数のランナーがランニング障害を経験すると言われています。ランニング障害についてまとめた論文によると障害の起きた部位は以下のようになりました。

  • :7.2 〜 50 %
  • 足部:5.7 〜 39.3 %
  • 大腿:3.4 〜 38.1 %
  • 下腿:9.0 〜 32.2 %
  • :5.3 〜 19.1 %
  • 足首:3.9 〜 16.6 %
  • 股関節・骨盤・鼠径部:3.3 〜 11.5 %

Injuries in Runners; A Systematic Review on Risk Factors and Sex Differences

なんとなくイメージ通りだとは思いますが衝撃を受け止める下肢中心で特に膝のケガが多いです。具体的な疾患名としては以下が挙げられます。

  • :膝蓋腱炎、膝蓋大腿関節痛症候群
  • 足部:足底筋膜炎
  • 大腿:腸脛靱帯炎
  • 下腿:シンスプリント、アキレス腱炎
  • :筋・筋膜性腰痛
  • 足首:足関節捻挫
  • 股関節・骨盤・鼠径部:鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

これらのうちどれかひとつは経験した事があるもしくは現在も悩んでいるという方は多いのではないでしょうか?

ランニング障害の原因

先述の論文によると80%のランニング障害がオーバーユースによるものだと言われています。つまり走り過ぎてその負荷に身体が耐えられなくなり故障が起きています。私自身レースで良い結果を出そうと必死になってたくさん走っていた時期、休んで走力が落ちてしまうのが怖くてろくに休みも取らず毎週末のように山に行って負荷をかけ続けた結果、レース中急に膝の痛みが出てDNF、その後しばらくまともに走れなくなってしまった苦い記憶があります。

また、走り過ぎとは逆に週に一度だけしか走らない人もランニング障害を引き起こす確率が高まっていたようです(特に女性)。頻度が低過ぎてもランニングによって身体にかかる負担に適応するだけの充分な刺激が入らないからであると考えられています。平日は忙しいため何も運動せず、週末にその分取り返そうとドカっと走るのは、故障のリスクを高めることになっていますので短い時間でも平日1〜2回走るなり通勤ランをするなど多少でも負荷をかけておくことで故障のリスクを減らすことに繋がります。

走り過ぎず走らな過ぎず、程々に。頭では分かっていても実際故障するまで自覚することがなかなかできないのが難しいところです。

主観的運動強度

それを事前に防ぐ対策としては自分のトレーニング量・強度とそれに対する身体の反応を把握することです。GPSウォッチやスマホのランニングアプリなどを利用されている場合、1週間毎の走った距離や時間、心拍数などを確認し先週と比較して急激にトレーニング量・強度が上がっていないか確認します。

また、疲労が溜まっている場合は同じトレーニングでも心拍数が普段より高くなっていたり、主観的運動強度(RPE)が高くなります。

RPE(Borg Scale)

主観的運動強度(RPE)とは運動時に感じる負荷を6〜20までの15段階で数値化したものです。この数値を10倍するとおおよその心拍数になるように設定されています。

トレーニング量・強度のデータと合わせて主観的にどう感じたかも記録しておくことで疲労の蓄積走力の低下からくるRPEの上昇や、走力の向上によるRPEの低下を数値化して現状や変化を確認することができます。

終わりに

ランニングのパフォーマンスを上げるためには継続してトレーニングを積み重ねていくことがカギとなります。それを達成するためには故障なく走り続けることが必要です。まずはトレーニングの記録を基に自分のトレーニング量が適切か、負荷がかかり過ぎていないかを検証してみてはいかがでしょうか。

参考: Chris Napier, Science of Running, Penguin Random House, Feb 2020

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PROFILE

ユウタ | Yuta Yamato

整形外科で働く理学療法士(physiotherapist)。サッカー/フットサル漬けの学生生活を経て社会人となり山を走り始める。2013年にUTMF、Tor des geants完走。
2015年から2017年までカナダで生活し帰国後RBRGスタッフとして3ヶ月働く。
現在はカナダでphysioとして働くべく再移住に向けて準備中。

WEB: https://yutaphysio.com

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