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2026年2月1日

マツイ

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食べて、祈って、走って。Chiangmai Thailand by UTMB【レース編】

気が付けば前回のブログから1か月以上経過してしまった。
このまま書き忘れてしまってもいいかな・・・なんて思ったけれど、タイトルの「走って」部分全然ないじゃん・・・と気が付きパソコンに向き合うことにした。

しかし・・・。
レースの話を書き始めたが、例の如く全くまとまりのない徒然日記になってしまった。
何を書きたくて、何を伝えたかったのか?
その視点に立つと、思い出話は余計で、しかしながら私にとって思い出は大切。

という事で、本ブログにおける、大事なレースの部分の結論をまず述べようと思う。
そして、結論を述べた上で、思い出話しを書く。

〈レースに出る前に心配だったこと〉
1)初海外レースで迷わず1人で走れるのか?
2)エイドの食べ物や飲み物はどんなものがあって、それをお腹を壊すことなく摂取できるのか?
3)暑さに対応できるのか?
4)関門と制限時間に間に合うのか?

〈それに対する対策〉
1)gpxデータを時計に入れてナビゲーションモードにする
2)できる限り、日本から持ってきたジェルや補給食を背負い、濾過できるボトルを携帯する
3)汗処理の早いウエアを選ぶ。日本でサウナ&温泉に入りまくる
4)気合いと根性で頑張る

〈結果〉
1)出場した種目は参加人数が多いカテゴリーかつ、第3エイドから別カテゴリーの選手も通過するコースレイアウトになっており、迷いようがない。
誘導員は1人も居ないがマーキングも多いので迷わない。
そもそも一緒に出場してくれた、コバをはじめとする仲間が6人も一緒に走ってくれた為、心細くないし、怖くなかった。

2)水に関しては少し不安あり。デリケートな人は避けた方が良さそう。氷は大丈夫そう。謎のドリンクには手をつけず、水分はコカコーラ一択。全てのエイドにフルーツがあり食べ物は沢山。お菓子もお粥もスープもカップラーメンもあるのでジェルはもっと減らしても良かった。

3)日中はかなり暑く、結果途中から熱中症ぎみ。ゴール後は激しい頭痛でダウン。医務室で治療を受けてる人は多かった。

4)練習不足の賜物でわかっちゃいたけど進みが悪く、走れない時間が長かった。ストックポールの使用が可能だった事にかなり助けられた。そして何より、一緒に走ってくれた6人の励ましやサポートのおかげで無事ゴールできた

ということで、以下は私の思い出話となる。
沢山の写真と共に、お時間がある方はご覧ください。


出場した種目について

私が出場したのは「HMONG 50 」の昼の部。

以前のブログで説明した通り、チェンマイでは約2週間に渡って、様々な距離のレースが開催されている。複数カテゴリーにエントリーするとそれぞれのフィーも安くなる仕組みも用意されており、大会側も複数大会参加者を増やしたい様子。また、100mileの1回で取れるストーンより、複数エントリーで得るストーンの数が多いそうで、実際日本から参加した方の中には、20kmと100km、20㎞と50kmと50kmなど、複数エントリー者が何人もみられた。

コースマップと高低図

おおよその距離や工程図、エイド情報はかなり前から出ていたけれど、実際にコースが確定したのは、レース前日。gpxデータはその都度変更になり、最後に「final」と名が付いたデータが出た。
合計4回ほどデータが更新され、そのたびにgpxデータを入れ替えなければならず、正直面倒くさかった。

スタートは朝7時、制限時間は夜22時30分。途中関門が1か所あり。
距離は事前発表は50kmだったが、色々変更になり、finalのgpxデータでは55kmと表示されていた。
ゴール後の公式発表では、55.50km。累積標高は2587m±。制限時間は15時時間30分となっていた。

工程図を見るに、スタート直後にぐーんと約1,000mぐらい登り、登ったり下りたりを繰り返し、最後に1,000mをどどーんと下るというコースらしいということは理解できていた。
通常50kmで制限時間が15時間もあれば、間違いなくゴール出来ると思うのだが、累積標高2500mという、なかなかな数字。経験したことがない海外のサーフェスが不安でしかなかった。また、11月初旬にぎっくり腰を発症し、ほぼロング走の練習が出来ずに大会会場に到着した身とすれば、制限時間いっぱい使ってゴール出来たら上出来。ぎっくり腰の再発で途中DNFも十分あり得ると思っていた。

装備や準備やあれこれ

とにかく暑いと言われていたので、トップスは汗処理の早いAnswer4のTシャツ
ボトムスは同じくAnswer4ハーフタイツにした。
ハーフタイツは動きやすいのと肌トラブルが起きないのでとっても便利。
でも、日本だとスタイル抜群の方しか着用していないので、とっても恥ずかしい。
でも、ここはタイ。世界中の人が好きな恰好で走ってる。
実際、ハーフタイツの出場者はとても多く、私のようなワガママボディの方も着用していた。

基本的な装備は日本のレースとは変わらない。
自称Answer4フレンズ(アスリートではない)なので、Answer4一色
しかし、Answer4フレンズじゃなかったとしても、デザインも機能面も気に入っているので選んだと思う。
タイではAnswer4が販売されていないので、背負っていたフォーカスライトがかなり目立っていたようで、レース中何人もの海外ランナーから「このバックパックどこで買えるの?」と聞かれた。
(私が背負っていたモデルはLDA限定カラーの為RBRGでは販売していません。ごめんなさい。)

必携品で変わっているところとしたら、マイカップだけじゃなくて、マイカトラリー持参なところ。
エイドで出るスープやおかゆは全てマイカトラリーで頂いた。
また、必携品ではなく推奨品として「お金」が含まれていた。
コース上の商店から買い物をしたり、リタイアポイントから帰る際に使う様子。
実際、リタイア回収車両は出ていたようだが、コースはかなり山奥の為、きっと途中リタイアの場合はかなり待たされることになるだろうなと思った。

必携品は多くないけれど、エイドの食べ物が食べられるかどうか?の心配があった。
そのため、補給食の量が増えてしまい、荷物はかなり重たくなった。また、水の不安もあり、フロントボトル以外にろ過するボトルも持っていた。
日本の大会ではストックポール禁止のレースが多いが、チェンマイは使用OK。
これはすごいありがたかった。
(大会当日は、写真とは別のストックポールを使用していたが、こちらはまだ発売前なので、発売時にまたお伝えします)

シューズは、色々悩んだ末に「NNormal Tomir 2.0
高いグリップ力とクッション性が足をしっかり保護し、それでいてゴツすぎない為、取り回しが楽。
初めて走る場所なので、どんなサーフェスかわからないという不安があった為、保護性と走りやすさを重視した。

いよいよスタート

さて、制限時間と戦う一人旅だと思っていたが、コバが一緒に走ってくれると言ってくれた。
私に付き合うと15時間コースですよと正直に伝えたものの、せっかく一緒に来たんだからと付き合ってくれることになった。申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、正直初めての海外レースで不安が大きかった為、スタートからずっと付き添ってくることは嬉しかったし安心した。

スタート前にトイレに寄る。
トイレ事態は綺麗なのだが、各個室にトイレットペーパーが付いていない。
売り切れなのではなく、個室の外にトイレットペーパーが設置されており、自分が使う分を先にそこから切り取り個室に向かう。国も変わればトイレ事情は大きく変わるのだ。

私はWAVE2からスタート。
私に付き添ってくれるコバやLDAのメンバーも本当はWAVE1なのに2から一緒にスタート。
スタート時には花火も上がり、大盛り上がりの会場からスタート。
アジア人が多いが、それ以外の国の参加者も沢山いて国際レース感ハンパなかった。

スタートしてしばらくはロードを進む。3kmぐらいロードを進むとトレイルに入る。
ロードを走っている途中から、先にスタートしていたWAVE1の後方の方と合流した。
そして心配な登りがいよいよ始まる。事前に「急登」であることは聞いていたが、どのぐらい急登かは実際に見てみないとわからない。

写真だと伝わりにくいが、これぞ急登というぐらいの急登。
日本なら、九十九(つづら)にするだろうと思うけれど、タイには九十九の概念がない。
登りは全て直登だった。
サーフェスは滑りやすい細かい粒子が混ざった土で、ざらざらと乾いている。湿っぽいところはぬるぬるとしている。いずれにしても気を抜くといつでもずるっと滑る状態。
急斜面と滑りやすさで、トレイルに入ってからは常に渋滞。

渋滞でもピタッと止まるほどではなく、ゆったりと動く。
そして、走りたい人は追い越していくので、不快ではない。むしろ、体力のない私からすれば渋滞はありがたい存在だった。

それに定期的に川を渡る。その川には橋らしい橋はなく、丸太を渡っていく。
浅い川だから落ちても大丈夫とは思うけれど、これから50km走るという序盤に靴がびしょ濡れになるのは避けたいので慎重に渡る。

ずっと急登でエイドを迎えると思っていたら、林道が現れ、エイド手前200mUPは緩やかな林道を上がることが分かった。林道と言っても日本の林道とは様子が違い、カッチカチでワダチ深めの歩きにくい林道だったが、それでも急登よりずっといい。

第1エイドと村人と売店

最初のエイドは人でごった返していて、私はピークゾーンより後ろで入った為、食べ物はかなりなくなっていた状態。それでも、すっからかんという状態ではなく、人気の食べ物は売り切れましたよ。ぐらいの状態だったので問題なし。
それに、タイのエイドはフルーツが豊富。
スイカがどこに行っても沢山用意されている。
それだけでとってもありがたい。ドライフルーツも多く、特にドライバナナが美味しかった。
バナナチップではなく、干し芋のような状態のバナナで、ほんのりとした甘さがあった。

たくさんのお菓子と食べ物が並んでおり、どれか欠けても全く問題ないレベル。
飲み物は、どこのエイドも固定の4種類。
水、経口補水液系のもの、謎のピンク色のスイートドリンク(Sweet Drinkと書いてあるだけなので本当に謎だった)、コカ・コーラ。

ペットボトルから補給するのではなく、ガチャガチャの機械のような形のサーバーが設置されていてえ、そこから各自補給する。
水はウォーターサーバーのタンクを使っているようだったが、この第1エイドの少し後ろでスイカなどを冷やしていて、それが現地の水道を利用しており、その横にウォーターサーバーの空タンクが置いてあったので、もしかしたら追加の水はこれを使ってるのかも・・・と思ったら怖くなり水が飲めなくなった。真偽の程は不明だが、最初のエイドでトラブルを起こすわけにはいかなかった為避けた。
(下の写真の白いタンクが水が入っているタンク)

たくさんのお菓子、果物、以外にも温かいスープに練り物やパスタを投入するスタイルの温かい食べ物もあった。
このスープがとっても美味しくて、その後のエイドでもパワーになった。
多分手前の赤いボトルは辛い物だと思う。

コバが、チマキが美味しいと教えてくれた。
ココナッツミルクで炊いたモチ米のチマキは、優しい甘さで食べやすくおいしかった。

エイドは小さな村の中にあり、現地の方の息吹を感じられるコースレイアウトは嬉しかった。

赤ちゃんを抱っこしているお母さん(おばあさんかな?)の服の色とかデザインとか、抱っこ紐の様子とか、全部が違って素敵。

自分に余裕が無さ過ぎて寄れなかったけど、この村には売店が沢山あった。
生活用品や食べ物、そしてコーヒーショップもあった。
そして、子供達は、ヤシの実に矢を当てるという、謎ゲームを楽しんでいた。
のどかで、人も犬ものんびりしていて、騒がしいのはニワトリだけだった。

第2エイドとバイクと村人

第1エイドから第2エイドまでは、ほぼ下りだけ。
硬くて凸凹が激しい、アスファルトなの?土なの?ぐらい硬い。しかも4.5kmしか離れてないけどエイドがある。この第2エイドと第3エイドの距離が12kmで少し離れてしまうので、ここでしっかり補給する。

相変わらずフルーツが山盛りで嬉しい。とにかくすべてのエイド素晴らしいおもてなしだった。

私は前のエイドで入れた経口補水液で気持ちが悪くなり、水の信頼度も回復せず、結局ここからゴールまで、ボトルの中身はコーラのみで進んだ。

第2エイドから第3エイドまでの区間は、少し下って、緩やかに上ってという工程図だったけれど、実際は見えないアップダウンが続いていた。林道とシングルトラックが繰り返しやってきて、時折民家の近くを通過しては、再び森の中に入る。人には合わないが動物の鳴き声や匂いは感じる。日本では見ない色と大きさのニワトリがそこら中を歩いていた。

林道を進む時は、ぶぉぉぉぉぉんと大きな音を立てたバイクが前からも後ろからもやってくる。
山間部の方々の主要な交通機関はバイクらしく、そしてそのバイクは人を避けてはくれない。
人がバイクを避けるのがタイの常識。なので、走りながらも避ける。
何度かその繰り返しをしたときに気が付いた。
バイクを運転している子供が若すぎる。若いというか幼すぎる。どう考えても小学校3年生ぐらいの子が運転している。タイの免許ってどうなっているんだろう。ヘルメットもせず、ほぼ2人乗り。
いろんな意味で怖すぎる。

森を抜けると小さな村があり、レース観戦をしているのか、井戸端会議をしているのか、おばさまたちが沢山集まっていた。

タイの方々はみんなシャイでおとなしいのに、着ている服の色や柄は派手で、そのギャップが素敵。
トイレがまだ不得意な子たちは、パンツも履かず歩いている。基本的に子供は裸足。
日本の昭和初期ぐらいの雰囲気でレトロさはあるのに、車やバイクは最新式で携帯電話もあり、そのギャップが本当に不思議だった。

第3エイドと難トイレと森の中

第3エイドの食べ物の豊富さは素晴らしかった。
第3エイドから100mileのコースと合流する。
約26km地点で、すでに私の体力はかなり消耗しており、ゆっくり食べる余裕はなかったけれど、かわいらしいお菓子、カップラーメン、おかゆ、スープいろんな食べ物が用意されていた。

100mileのランナーの多くが既に利用しており、ぐったりしている様子も見かけた。

エイドは素晴らしかったのだが、ここで辛かったのはトイレ。
事前に「トイレは期待するな、野で済ませた方が良い」と言われてはいたが、スタート会場も第1エイドは普通の洋式トイレだったし、これまで「ひどいトイレ」には出会ってなかった為、完全に油断していた。
ちょっと写真で見せるのは気が引けるけれど、ありのまま伝えるために公開する。

これ、それでもまだ綺麗な方のトイレ。
要するに和式。
和式なんだけど、なぜか足を置くところが便座ぐらいの高さになっており、ここに乗るのがかなり怖い。バランスが必要。
そして隣には水桶とひしゃく。要するに、用を足したらこれで流してね。というシステムらしいのだが、この様式が世界中の方に伝わっておらず(当然だけど)、前の方々が床面に猛烈に水をこぼしているので、床上浸水状態。

これまで濡らさないようにと、渡渉時にかなり気を使ってきたのに、まさかのトイレで水没するという、心の底から残念な展開に。トイレってほんと大切。日本って綺麗。心から思った。

このエイドを出たらすぐ、見たこともないような急な坂が目の前に現れた。

写真じゃ全く伝わらないけれど、この先に見える坂が、なぜこんなに急なの?というぐらい、まるで反り返っているかのような坂道だった。そしてこのあたりから、道路の脇にエイドの食べ残しのカップラーメンや、誰かが寝たと思われるエマージェンシーシートが現れる。まるで抜け殻のよう。
日本のレースで、エマージェンシーシートがそのままトレイルに捨てられている光景を見たことが無かった為、かなり衝撃的だった。

急坂を抜け、森の中を進む。
森の中はバナナの木が沢山生えていて、日本との植生の違いも面白かった。

木の上にはちゃんとバナナの実がなっている。

次のエイドまでの間に、一番標高が高い山がやってくる。
そこまでも、登ったり下ったりの繰り返し。
スタート時、私と一緒に走り始めてくれた人は、コバと直美ちゃんとツヅキくんの3人だったけれど、途中から合流したり、後ろのWAVEから追いつかれたりして、この頃には、パンさん、シャウさん、ソノコさんの計7人で進んでいた。とはいえ、みんな私よりずっと速く、体力もあり元気。なので一緒に進むというより、お待たせしている状態。それでも誰も嫌な顔せず、文句も言わず、、、思い出しても感謝しかない。

そしてこの区間がちょうど正午とあたり、とにかく暑かった。
工程図で表されている高い山は1つしかないのに、高低図に表されない細かいアップダウンが多い。
登れません!という急登ではないものの、暑さも手伝って最もゲンナリした区間。
どれがピークなのかわからなかったけれど、景色が見えない樹林帯から、ようやく稜線に到着し雄大な景色を見た。

山がずーっとずーっと奥まで折り重なり続いていて美しかった。
あともう少しでエイド・・・暑さでボトルの水分もほぼ飲み干し、頭もぼーっとする。
そんな時ようやく、このコースの名前でもあるモン族の村に到着する。

第4エイドといつまでも続く階段

可愛らしいお店が両側に並び、今までのコースとは全く違う、華やかさ。
とにかくかわいい街だった。
暑さにやられていた私は、道路脇の綺麗そうに見える水を頭から被った。
この水大丈夫?そんな心配もあったけれど、もう背に腹は代えられないとはこのこと。
顔も真っ赤になり、暑さで限界だった。
もうすぐエイド、そう思って進むのに、全然進まない。

エイドはこのモン族の村の中にある。
だから、もう出てくると思った矢先、目の前に出てきたのは、階段だった。
なかなかの急さ。そして全然終わらない。
途中の踊り場にはベンチが設置されていて、すでに選手が座り込んでいる。
ビルにすると4階?5階?ぐらい?工程図で見ると約100mUpを全て階段で登る。
暑さと疲労で、本当に辛く、エイドにたどり着いたときには限界。
初めて座ってエイド休憩をした。

進まなきゃならないことはわかっているのに、暑くてつらい。
一緒に進んでいるみんなが、私の為にスイカやスープを運んでくれる。
みんなも疲れて暑いのに申し訳ない。
コバが、エイドから少し登れはもう登りは終わりだと私を励ましてくれたけど、
ぜったいそんなわけないと、弱音しか出ない。
それでも進まないとゴールは出来ないからと、重たい体を持ち上げてエイドを出発する。

相変わらず、エマージェンシートの抜け殻がそこら中に落ちている。
ゴミも沢山落ちている。誰が拾うんだろう、、、そんなことが心配になる。
でも私はゴミを拾う余裕もない。そんな自分が情けない。

這うようなスピードでなんとか進み、最後のエイドを目指す。
山を登りきると、突然アスファルトの道が現れ、車とバイクを避けながら下りの道を進む。
この区間は凸凹も少なく、最も走りやすい下りだった。

第5エイドとガレガレの下り道

エイドに到着すると、私のような熱中症になりかけてる人たちが氷と飲み物を求め、もがいていた。

首に氷を巻いたり、ボトルに氷を入れたり。
スタート前は、氷もお腹壊すかもしれないよ・・・と言われていたけれど、氷をもらわないなんてありえないほど暑かった。見る限り、袋に入った氷だったので多分大丈夫と自分に言い聞かせた。

もっとずっとゆっくり休みたかったけど、熱中症っぽいこの具合の悪さがこの先どうなるか不安で、動けるうちに動くしかないと、エイドから出た。
練習不足のたまもので、全然進まないのがもどかしい。
第4エイドからゴールまでは、ほぼ下り。残り14kmのうち約8割が比較的急なガレガレの下り坂となる。

この頃になると、渡渉ポイントはさらに増え、もう濡れることを避けられる状態ではなく、川の中を進むしかなくなる。川にはロープが垂れていて、その先にはライトとカメラマンが待っている。

この川はまだ浅くて楽な方。
それなりに強い流れの川にロープが渡してあり、そのロープをしっかり掴まないと怖くて渡れないような川もあった。川は5~6個あったような気がする。

最後の下りはわかっていたけどとにかく長かった。
長くて硬くて急で辛かった。その長い下り道を降りていると、後ろからものすごいスピードの人が駆け下りてくる。「SUTHEP 20-NIGHT」という20kmの夜の部門に出場しているトップ選手達だった。
続々とやってくる20kmの選手を避けながら、ゴールを目指し進んでいる100mileの選手達と一緒にトレイルを進む。私に付き添ってくれている6人の仲間達は、何度も振り返り、私を待ってくれている。ごめんなさいと思いながら、歯を食いしばり私も懸命に前に進んだ。

華やかすぎるゴール

長く続く下り坂がようやく終わり、会場近くの道路にたどり着く。
あと3km。残るはロードのみ。最後ぐらい全部走ってゴールしたかったけれど、どうにも体が動かない。練習不足すぎる。

大会の為に国王が作らせたという横断歩道を渡ると、その先にカメラマンが待っていた。
一緒にレースを進んでくれた仲間たちと写真を撮りたいとお願いして撮ってもらう。

時計を見るとスタートからもう12時間も経っている。
ライトアップされた公園とゴールゲート。
花火が上がり、先にゴールしている選手たちが「Congratulation!」と言いながら拍手してくれる。

嬉しくて苦しくて、長い時間付き合ってくれたみんなに申し訳なくて、思わず涙が出る。
それでもやっぱり無事にゴール出来て嬉しい。本気でDNFする可能性があったけれど、6人の協力者のおかげで完走することが出来た。決して誇れるようなタイムでも順位でもないけれど、異国の山を楽しく走りゴールすることが出来たことは、自分のトレイルランニング人生で深い深いシワが刻まれたような気がする。

ゴール後には、完走メダルとベストがもらえた。
メダルはチェンマイを代表する焼物「セラドン焼き」で出来ている。
完走メダルが欲しいなんて、今まで思ったことが無かったけれど、これはとてもとても嬉しかった。
ちなみに、メダルをひっくり返すとコースターになる優れもの。

ということで、長い長い私のチェンマイの話は終わり。

何個も欲しくなるセラドン焼きのお店、おいしいタイ料理、ゴージャスで深い祈りが際立っていた寺院、どこまでも広がるナイトマーケット、体感スピードが怖すぎるトゥクトゥクなどなど、滞在した4日間全部が楽しい時間だった。

滞在中にチェンマイは今後5年間「by UTMB」対象レースとなることが発表されていた。
私はストーン目当てではないけれど、またこの素晴らしい場所で走りたいと心から思った。
そして、今度走るときは、絶対に絶対にもっと練習してから走ろうと、心に誓った。
Answer4のコバ氏に誘ってもらうまで、海外レースに出るなんて夢にも思っていなかったし、その後の気持ちは全く想像できなかったけれど、今回こうやって走ったことによって、次はどこの国で走ろうかな?なんて思うようになるから面白い。
1人じゃこんな気持ちに絶対にならなかった。

旅をして、おいしい物を食べて、大好きな人達とたくさん笑って、一緒に走る。
そんな贅沢な時間を再び迎えられるよう、心から祈っている。

PROFILE

マツイ | Yumi Matsui

Run boys! Run girls!山梨在住スタッフとして、主にオンライン業務を担当。練習嫌いの為、レース順位も体重も変動が多く、最近は自分自身の体調管理の為、年に1度100km以上のレースに出る事を目標にしている。最近は自分自身が出場するより、サポーターとして関わることが多いが、これまでハセツネ70k、ONTAKE100、STY、八ヶ岳スーパートレイル100km、ASO Round Trail100、分水嶺トレイルなど完走。スリーピークス八ヶ岳トレイルの言い出しぺとして、現在も事務局長として活動中。

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