自分の”走力”にあった海外レースの選び方
これから海外レースに挑戦したいと思っている方にとっての悩みの一つとして、自分の実力にあったレース選びがあると思います。例えば、UTMBなど人気のあるレースであれば、レースの難易度などを経験者に相談することができますが、日本人完走者の少ないレースだと相談する相手もいなく、参加する判断に踏み切ることが難しいといったことがよくあります。
今回は、私自身の経験を踏まえ、自分の実力にあったレース選びを紹介したいと思います。
レースの難易度について
私の経験から難易度を大きく「走力」と「山岳スキル」に分類することができます。例えば、日本で100kmレース(累積標高5,000m/制限時間25時間)を完走した実績があっても、海外だと同条件のレースでも完走ができないということがあります。
私自身、過去3度のDNF経験があり、うち2度は走力、1度は山岳スキルにおいて実力不足であることに気づいたことが背景としてあります。
「走力」「山岳スキル」はどこで調べる?
ITRAのFinisher criteriaとMountain levelをベースに、レース選びをしてみましょう。但し、これらの指標に見えない特徴(後述)があるため、あくまでも参考情報として活用してください。(ITRA未登録のレース選びについては、今後Blogで紹介していきたいと思います)
Finisher criteria/Mountain levelって何だ?
それぞれの指標を端的に説明すると、
- Finisher criteriaが高い=制限時間が厳しい=走力が求められる
※同数値が低い≠制限時間が緩い(理由は後述)
- Mountain levelが高い≒山岳スキルが求められる(≒テクニカルなコースである)
海外レース選びにおいて最も重要視すべきポイントであるため、山岳スキルについては次回のBlogで詳しく説明したいと思います。
Finisher criteriaをどのように活用?
自身のPerformance indexと各レースのFinisher criteriaの数値を比べてレース選びの判断しましょう。
完走が難しいレース
Performance index<Finisher criteriaの場合
制限時間内でのゴールが難しく、レース選びの選択肢として外すことをおすすめします。
私を例に説明をすると、Performance index(XXL:ITRA 6 Point)が496であり、私が彩の国100mileに参加しても私の走力ではサイラーになれないということになります。。
Finisher criteriaが低いと必ず完走できるのか?
答えはNoです。完走する可能性は高まりますが、必ず大会HPで関門時間を確認するようにしましょう。理由は、海外レースの特徴として前半の関門時間が厳しく設定されていることが多いからです。
私が参加したSwiss Peaks(360km/制限160時間)を例に説明すると、Start〜50kmで関門時間が約15時間と前半から走らされるコース設定で、ランナーは前半から脚を使い、結果として後半失速しDNFとなるランナーが散見されました。(参考:2019年のUTMFだと、50kmの麓のエイドの関門は約14時間)
私は50km地点のライフベースに約10時間で到着
所感として100kmレースと同じペースで走る必要
そもそもなぜ関門時間が厳しいのか?
私の経験から以下の条件が組み合わさると、関門時間が厳しくなる傾向が見られるため、これらの情報も併せてチェックしてみましょう。
- 種目が多く、同じコースを走る
- 大会規模が小さい
- スタートとゴール地点が異なる(縦走レースなど)
例えば、100mile/100km/50mile/50kmなど複数の種目を運営している場合、種目の異なるランナーの混走を避けるため。また、少人数での大会運営により複数のエイドを掛け持ちで担当、結果として前半のエイドを早めに撤収する必要があるため。
45km地点の関門時間はスタートから6時間30分後
私の到着時刻は関門時間の30分前(飛ばしてもギリギリ)
以上、走力をベースとしたレース選びを紹介しましたが、海外レースは走力に加えて山岳スキルがないと完走できないレースもあります。次回は、山岳スキルをベースとしたレース選びについて紹介したいと思います。