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2020年8月5日

内坂庸夫

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「乱暴はダメですよ」

「なぜ、どうして?」の詳細は、先日公開された高尾マナーズWebサイトの『高尾マナーズが立ち上がるまで』にあります。陣馬山の手前で、ハイカーのおっちゃんに怒鳴られたことがきっかけ。トレイルラニングという大好きなおもちゃを取り上げられたくないから、高尾の山にトレラン禁止の看板が立ってほしくないからです。

ようやくWebサイトが完成し公開され、多くの人からお祝いのメッセージをいただきました、その中にこのような内容がありました。本人の許可を得て公開します(句読点、固有名詞なども整理しています)。

先日の連休、本来ならオリンピック開会式の日。自宅から前回のオリンピック・マラソン折り返し地点を経由して、高尾山まで行こうと企画しました。久しぶりのロングでヘロヘロになりながら、1号路(*1)を高尾駅から合流した友人と、ゆっくり談笑しながら歩いて山頂に向かいました。

連休の真っ只中、物凄い人手で、僕が通っていた10年前と比べても倍増の人口にびっくりしていました。そんな中、派手なランニングウェアの集団が、なんと走り降りてきたのです。

思わず先頭の人を手で制して「人が多いので歩きましょう!」と声を掛けました。一瞬スピードを緩めましたが、すぐ走り降りていきました。その中には某メジャー大会のTシャツを着ている人もいて、とても残念でした。

また周りの登山者が「邪魔なんだよ」と言っている声も聞こえ、さらに悲しくなりました。みなさんがマナー向上に取り組んでいる姿を拝見していて、自分も年寄りだから出来る事があるなと思い、みんなが山で引き続き楽しめるよう、やれる事をやっていこうと再認識しました。陰ながら応援しています!

正直に言うと、メッセージを読んだとたん、そのバカ野郎をとっ捕まえてぶん殴ってやりたい、と。だけど、Mr.ミヤギ(*2)の教えの通り何回か深く呼吸をしたら、落ち着いてきて「いやいや、高尾マナーズは始まったばかり、まだ努力が足りないのだ。マナー啓蒙活動を地道にやっていかないと」と思い直したんです。

翌朝早く、このテキストを書きはじめたら、やはり腹が立ってきて「そのバカ野郎を見つけ出して、ほっぺたを張り倒してやんなよ」、どこからかそんな声も聞こえてきます。悪魔の囁きってやつ?

「いやいや、それやっちゃあまずいすよ」「乱暴はダメですよ」。

マナーズの残りふたりに、後ろから羽交い締めにされたところで目が覚めました。あいつら天使? 

 
・・・・・
 

多くの人の賛同と支援をいただいて「高尾マナーズ」はWebサイトを公開できました。われわれを助けてくれているみなさん、ひとりひとりに心から感謝します。
 

高尾マナーズ公式Webサイト https://takao-trail-manners.jp

*1 
1号路は薬王院への参詣道で、東海自然歩道はここから始まります。また、観光客や参拝客で賑わう「舗装路」です。トレイルランナーが走って楽しい道ではありません。

なお、高尾山と周辺の山々は「明治の森高尾国定公園」と「都立高尾陣場自然公園」に指定されています。管理のひとつである東京都環境局は、利用ルールの中で1号路については特別に『トレイルランニングの練習や大会参加時は、特に人が多い1号路は歩くなど、周りの歩行者に配慮し・・』と注意をしています。

*2
F・コッポラの「アウトサイダーズ」(ダイアン・レイン可愛い、トム・クルーズがきんちょ)。これで注目を集めたラルフ・マッキオ主演の「カラテキッド(和題ベストキッド」シリーズの師匠が、沖縄出身のMr.ミヤギ。洗車テクニックと禅問答のような指導の元に主人公(ダニエル・ラルーソ)は、怒りと暴力を抑え、己に勝ち、そして試合に勝ってゆきます。現在、アマゾンプライムで3部作すべてを観ることができます。

PROFILE

内坂庸夫 | Tsuneo Uchisaka

「ヴァン ヂャケット」宣伝部に強引に入社し、コピーライティングの天啓を授かる。「スキーライフ」「メイドインUSA」「ポパイ」「オリーブ」そして「ターザン」と、常にその時代の先っぽで「若者文化」を作り出し、次はなんだろうと、鼻をくんくん利かせている編集者。
 2004年に石川弘樹に誘われ生涯初のトレイルラニングを体験(ひどいものだった)、翌年から「ターザン」にトレイルラニングを定例連載させる。09年に鏑木毅の取材とサポートでUTMBを初体験、ミイラ取りがミイラになって12年吹雪のCCCに出場(案の定ひどい目に遭う)そして完走。(死にそうになったにもかかわらず)ウルトラってなんておもしろいんだろうと、13年、UTMBの表彰台に立ちたい、自身の夢をかなえようと読者代表「チームターザン」を結成する。
 「ターザン」創刊以来、数多くの運動選手、コーチ、医者、科学者から最新最良な運動科学を学び、自らの体験をあわせ、超長距離走のトレーニングとそのマネージメント、代謝機能改善、エネルギー・水分補給、高所山岳気象装備、サポート心理学などを研究分析する。ときどき、初心者のために「100マイルなんてカンタンだ(ちょっとウソ)」講習会を開催してる。

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