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2016年12月16日

ケロズ

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風の街でチリ人に助けられ、チリビンに学ぶ#Tip of the iceberg Newspaper 14

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ご無沙汰しています!まいど事後報告で有名な吉村”うるさ”こと、吉村ケロズです!9月いっぱいでランボーを退職し、5週間日本、1週間台湾を旅してやっとこさ目的地ニュージランドに着きました!先に報告しますが、現在マウンテンバイクとキャンプギアのお店Pack & Pedalというお店で仕事が決まり、すでに毎日元気に働いております!このお話は後半に!

さてさてニュージーランド最大の都市オークランドに到着後、カウチサーフィンで地元ローカルのお家3件をはしごして1週間ほど滞在し、銀行口座開設、就労ナンバー申請と取得、携帯開通したりと仕事をするために最低限いるものを準備。カウチサーフィンは知っている人も多いと思うのですが一応説明しておくと、世界中の無料で泊めてくれる現地人を探すことができるSNSサービス。

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(かわいいワンちゃんが毎朝起こしに来てくれる。)

その名の通りカウチ(ソファ)で寝ることもあれば、ベッドを用意してくれるところもあったりとホストしてくれる人によって条件は様々。今回は私とルイス2人だったので、初めから「私たち寝袋もテントもあります!どこでも寝れます!」とメッセージを送ったものの、ブランケットやマットレスを用意してくれたりと感謝感謝でした。無料で泊めてもらえることはもちろんですが、おすすめの場所を教えてもらったり、ニュージー産のラムをご馳走になったり、色んな情報を聞き出せたりと現地人に実際に会って話をすることに価値がありました。台湾旅行の時も1週間カウチサーフィンでお世話になった台湾人ソビのおすすめの屋台はまじで安くて美味しかったなぁ。

まぁそんなこんなでこの1週間で準備したかったことは全部完了、次の目的地もニュージーランドの首都、別名「風の街」、”Wellington”(ウェリントン)と決まりました。

バスのチケットを買った直後、南島の北部で地震が発生し、ウェリントンも少し被害を受けました。「街の中心部は窓ガラスが割れたりして閉鎖されてるよ」と情報が入ったので、現地に着いたら仕事を探すよりも何か手伝えることがあったら手伝う気持ちで行きました。

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(ニュージーといえばめぇえええ。)

オークランドからウェリントンまでは数え切れない羊と牛さんを眺めながら12時間の大移動。夜9時過ぎに到着したらものすんごい嵐。ああそうだここは風の街ウェリントン。雨が上から横から爆風に乗って身体を叩きつけてきます。こりゃとんでもないとこに来たな、、、感が満載の初日でありました。

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次の日は朝目覚めると一転、晴天。太陽がめちゃまぶしい。現地人によると地震の被害も収まり、ほとんどのビジネスは再開されているとのことで少しホッとしました。ウェリントンは日本でいう鎌倉みたいな感じで海に面していて周りはぐるっと山に囲まれた人口40万人ほどの街です。すぐにでも山登りに行きたい気持ちを抑え、まずは即家探し。1日に5件のスピードで物件を見て、13人が住むシェアハウスに決定!私の彼ルイちゃんと部屋をシェアなので家賃も少し抑えられてホッ。

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(私の近所はこんな感じで急坂ワールド、グラフィティもりもり。)

さて次はついに仕事探し!「ウェリントンは小さな街だから、自分がやりたい、得意な分野の仕事の競争率はかなり高いよ」ということをシェアメイトに教わりビビるケロズ(涙)。それなら私を雇ってくれるところがあるならどこへでも!キャリアとかもうそんなのぶん投げる気持ちで町を練り歩いては履歴書を渡して話をするというのを1週間続けました。

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(マウントビクトリア山頂からウェリントンの眺め。)

ルイスに何度も駄目出しをくらいながらなんとか完成した履歴書。それを図書館にてプリントアウト。毎日何時間も歩いては話をしてって、新しい生活っちゅうのは一つ一つ時間がかかるものですな。そんなこんなで30箇所ほどの様々な分野の仕事、お店に履歴書を持って行きました。その間トライアルということで、高級レストランのディッシュウォッシャーやってみたり、大量のハーブをもぎってみたり、おすし屋さんで巻き寿司作ってみたり。でもなかなかぴんと来ないなぁと思っていたところに、数日前に行ったアウトドアショップのマネージャーから「履歴書見たで!面接するで!」(こんなトーンではない。笑)と電話がかかってきました。

次の日面接のためにお店に行くと先日履歴書を受け取ってくれた元気な女性店員が「あ!履歴書持ってきた子やん!」と覚えててくれました。履歴書を渡してからなかなか連絡がなかったので、数日前にもしぶとく店を訪ねた時もこの子がいて話をしたのですでに3度目の再会。「面接らしいね!がんば!」と後押しされ、店の隣にあるカフェで面接が始まりました。

なぜニュージーに来たのか、なぜこの店で働きたいのか、今までどんなことに情熱を燃やしてきたかなどなどいろいろ聞かれ、汗だくで返答。

最後の最後にいつから働ける?という質問に「明日です!」と答えたところ、ボスがきょとんとしてから爆笑開始。「あっはっは。明日からもう働く気があるの?あ~面白い。わかった。君を”明日”から雇うことに決めた。」ということで次の日から仕事が決まりました~!!!やった~!!!!

お店はGordon’s Outdoor Equipment という1937年からウェリントンにお店を構える老舗ショップ。隣にはニュージーランドを代表するウールブランドicebreaker、その他スキーのお店が並んでおり、全部同じ母体の会社です。

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(ダウンタウンにあるGordon’sの入り口。)

そしてボスから「でもまずはシズカには少し離れた山間のPorirua(ポリルア)にあるマウンテンバイクとキャンプ用品のPack&Pedalというお店で働いてもらい、そのうち週に何日かはダウンタウンの本店で働いてもらいたい」ということで、内心「え~!数分前に”マウンテンバイクやったことあるか?”という質問に”ないです!(涙)”って答えたばっかりなんですけどーーー!」と思いながらも「もちろんです!明日からどこでも何時からでも大丈夫です!」ということで本当に次の日から週40時間のフルタイムで雇ってもらえることになりました。

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(街にはマウンテンバイカーがわんさか。子どももみんながんがんやっています。)

心臓ばくばくで家に帰って落ち着いてみるといきなりめっちゃ不安が押し寄せてきた。。。「マウンテンバイク、やったことない、、、自転車の部品の名前、日本語でも知らない、、、」。でも帰る前にボスが「新しいスポーツやお客さんに出会うチャンスであり、学べるチャンスだから焦らず少しずつで大丈夫。」という言葉を思い出し、気持ちを持ち直す。よし。

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(晴れると海がターコイズ。)

次の日仕事が朝9時から始まりました。お店はめちゃ大きくて倉庫みたいな作りで、マウンテンバイク、ロードバイクはもちろんテント、バックパック、ウエアなどなどてんこもりもり。店の中に自転車のメカニックも入っているので、修理や組み立てなどにお客さんががんがんやってきます。

初日はマネージャーやスタッフに挨拶し、店内の商品の位置を確認。その際、「えーとここはいろんな大きさの”チリビン”ね」。ん?んんん?チリビン?今チリビンって言った?目の前にはクーラーボックス(英語:クーラー)があるんですけども、、、

ただでさえまだニュージーランドの英語のアクセントに慣れておらず泣きそうになっている私にさらにのしかかる言葉「チリビン」。あかん。わかったふりはあかん。聞こう。ケロ「あのぉ、チリビンてなんですか?」 マネージャー「あぁ、そこにあるドリンクとか冷やすやつ。」まじ!!!チリはChilly(寒い)でビンはBin(ボックス)ということからきてるとのこと。カナダで一度も聞いたことなす、、、しかしあとでYOUTUBEで「Kiwiスラング」で調べてみたら、このチリビンに関する動画がめっちゃ上がってた、、、。なんや有名やったんか。ちなみにハイキングはTrampingトランピングというらしい!わっけわからん!Kiwi 英語おもろい!!笑
ちなみにニュージーランドにはKiwiというニュージーにしか生息しない”飛ぶことのできない貴重な鳥”がおるんですが、そこからみんな自分たちのことをKiwi(キウイ)と呼んでいます。

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(この植物を見るとなんだかいつもとても心が落ち着く。)

ということでニュージー訛りをまだ全く理解できずてんやわんや、お客さんが何を言っているのか理解できなくてマネージャーを呼んでもマネージャーもKiwiだからまた理解できなくって、、、ってそもそも私日本語訛りがんがんなんやろし、慣れるしかない!!!涙 頑張ります。

疲れ果てて帰ってくると、一緒に住むアメリカのコロラド出身の友達が「トレラン行こうぜ!」と誘ってくれ、家の周りのトレイルを爆走。

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(ニュージーランドの象徴とも言える植物シルバーファーン。)
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(家から走って10分ですでにトロピカルな森の中へ)
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(私は2人についていけず、途中でグッバイ。2人は戯れる犬のごとく仲良く別の山へ消えて行きました。これ夜の8時過ぎ。日が長いので仕事終わりでも全然トレイルに入ることができます。)

毎週火曜の夜は地元ローカルのトレランチームのグループランにも参加。ウェリントンはトレイルにどこからでもすぐ入れるのでまさにトレラン天国です。

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1時間強アップダウンを繰りかえしながら結構なスピードで走るので結構まじでへろへろ。

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ランが終わるとみんなそのまま海へどぼん。毎週違うコースでトレラン行くとのことで、愉快なコミュニティに出会えて嬉しいです。

また毎週水曜の夜はアクロヨガのフリークラスにも参加。アクロヨガは2人(もしくはそれ以上)で一緒にやるその名の通りアクロバティックなヨガ。仕事のあとに身体をぐーっと伸ばしてスッキリです。

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(図書館で見つけた張り紙。他にも武道やダンスもあるみたいでうれぴー)

そしたらまたこのヨガクラスにあのチリ人が登場!!「あああああ!」とまたなってこれで4度目の再会。「面接どやった?受かった?」と聞かれ「YES!!!」。大きなハグをしてくれました。

彼女の名前はヒメ。チリからワーキングホリデーでやってきてるとのこと。ヒメ曰く「いろんな経験をもった志願者が履歴書持って来てたんだけど、シズカの履歴書を見たときに日本人だし、走ってるし、元気だし、いろいろ面白いことをやってるなぁって思って、ボスにこの子を雇った方がいいぞ!って念を押しといたんだよ!Kiwiだけじゃなくて、いろんな国の仲間がいた方がバラエティがあってより店が面白くなると思ったんだよ。シズカ、あんたほんとラッキー!がはは!」

ということで心があたたかくなりました。ヒメが働く本店でも今後は働く予定なので一緒に働く日が楽しみです。でもまずは私はマウンテンバイクについて理解を深めねば。来週職場の仲間が連れてってくれるそうなので、楽しみじゃ〜!

そんな感じで私のニュージーライフが始まりました。そして申し遅れましたが、えええ?日本にいないと思ったら今度はニュージー?今度はなにすんの?と思った方々に説明させていただきますと、またカナダ同様ワーキングホリデーのビザ(1年)を取得してやってまいりました。

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「自然は私の目的地」という今考えた標語に従って(笑)、大自然のあるニュージーランドにやってきました。ニュージーランドで働きながら山を走ったり登ったりしたいと考えております。

働けるだけ働いてお金が貯まったら、ルイスと中古のキャンプバンを買って、ニュージーランドを1周旅する予定です。

ちなみにわたしの彼山ヤギルイスは英語教師の仕事を見つけて毎日働いていますがここ最近は氷水の中に2時間以上浸かっても「身体の中があたたかい」ということで有名な(他にも偉業多数)The IcemanことWim Hofに感銘を受けて以来、呼吸トレーニング、仕事の後は冷たい風の吹く海へダイブ、夜は水のシャワーを浴びて寝る、など自分の身体への新たな探求に努めております(笑)。「お坊さんになりたい」という日が来るんじゃないかと思ってたけど、アイスマンが先だったか。

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(水に入る前の呼吸トレーニング。)
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(前方宙返りにて着水 with 暴風。)
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(上がってきて一言、 ”身体の内側があったかい!”。ほんまかいな!本当らしい。気になる方は上記リンクをご覧ください。)

チリビンですでにニュージーに心を奪われたので、しっかり勉強して(クビにならんよう)頑張ります!1月には60kmくらいのウェリントン周辺で行われるレースに参加する予定なので、またまた報告します~!チャオ!

keroz(ケロズ)

ランナー、1987年、新潟県生まれ。

本名吉村静。
京都造形芸術大学卒業後、
2010年、(株)アールビーズ入社。
マラソン大会の運営に携わり、
ランニング専門誌「ランナーズ」元編集者。
幼少期からとにかく走ることが好きで
国内外多くのレースに参加している。
フルマラソンの自己ベストは3時間39分56秒(2014年名古屋ウィメンズ)。

Run boys! Run girls!オフィシャルウェブサイトにて自身のスポーツライフを語る
Tip of the iceberg Newspaperを定期的に発行中。
Instagram: https://www.instagram.com/tip_of_the_iceberg_newspaper/

2014年4月から2016年4月までの2年間をカナダはバンクーバーで過ごし、
2016年11月からニュージーランドへワーキングホリデースタート。

足が速いだけでは勝てないマラソンなど、
今のオリンピック種目にはない新しいスポーツを作り、
その競技だけで行う「ケロリンピック」開催に向けて日々活動中。

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PROFILE

ケロズ | Shizuka Yoshimura

ランボー地球支部として世界を探索、いろんな人の心に窓を作ることをテーマに記事を書いています。過去4年間はカナダ2年、ニュージーランド1年、インド・ネパール半年、その後少し日本を経由して、現在はカナダの永住権を取得、バンクーバーで生活しています。今後さらに北上、極寒の地でアートとアウトドアの境目をユニークに生き抜くために少しずつ準備中。走ることが好きで、ロード、トレイル、夢の中、どこでも走ります。昼寝と動物が好きです。2014年裸で走るレース「Bare Buns Run」バンクーバー大会女子優勝。また現在幻冬舎が運営するウェブサイト、幻冬舎+(プラス)にて、「北極かえるのコモンロー日誌」も連載中。

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