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2023年1月18日

ゆっきー

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記憶に残るレース選び

私はトレイルレースに出るにあたって大切にしていることの1つとして、自分自身の記憶に残ることを意識してレースを選んでいます。

なぜかというと、限られたリソース(時間と予算)を使うからには、自分に合った最善の大会を選び、そして一生の思い出や財産とすることが大事だと思っているからです。

様々なトレイルの大会に出ると、過去の大会を忘れてしまうと思われがちですが、私はトレイルランでは忘れることは少ないと感じています。

私は海外レースを20回以上経験していますが、いずれの大会もどんなコースを走って、どの場面において苦しい思いをしたのか未だに覚えています。

今現在は海外レースにしか出ていませんが、過去日本の大会に出ていたことの記憶も鮮明に覚えています。

例えば、ハセツネや信越五岳といったレースにも過去に出た経験がありますが、これらのレースの記憶についても未だに覚えています。

これがマラソンになると、私の場合だと記憶が曖昧なことが多いです。

マラソンについても、10年前は年5〜6回の頻度で参加していましたが、全ての大会についてその当時の記憶があるのかというと、正確に記憶しているというのが少ないというのが正直なところです。

ではなぜトレイルランとマラソンで記憶が残る・残らないに差があるのか考えてみると、トレイルランは個性の強い大会が多いからだと思っています。

マラソンはトレイルランと比べて、アップダウンの少ないほぼフラットな舗装路を走るため、どの大会と比べても走る条件として大きな差はありません。

しかし、トレイルランは大会が開催される地域やそれぞれの山の特性を活かしたコース設定であり、同じ距離・累積標高でも完走タイムが異なります。

つまりそのトレイルでしか体験できないことが多いため、記憶が残りやすいに差が出ると感じています。

“記憶に残る”ということにこだわる理由として、逆をいうと記憶に残らないことをやるのは時間とコストの無駄だと感じているからです。

1つの大会に参加するにあたって、トレイルランの場合だとマラソンと比べて、日本国内の大会においてもかなりのお金と時間を使う必要があります。

つまり、多額の投資をしたにも関わらず、自分自身の記憶に全く残らないことはもったいないというのが私の考えです。

また、トレイルランでも毎年同じ大会に参加し続けることも、記憶に残るという視点で見た場合、あまり好ましくないと感じています。

それはなぜかというと、例えばあるトレイルの大会に10年続けて参加した場合、過去10年間を振り返って、全ての大会を覚えている人はあまりいないと思います。

仕事の例えに使って説明するなら、日々のルーティーン業務と似ているところがあると思います。つまり、直近1ヶ月間の業務内容を全て覚えている人なんていないと思います。

つまり、同じ環境で定型化された業務をほぼ毎日行っているからです。要は、自分にとって変化が少ないと感じる環境においては、記憶が残りにくいというのが私のこれまでの経験から言えることです。

このように自分の好みや志向にあったレースを選択し、一生の思い出や財産として残せるのが、私はトレイルランだと思っています。

では私自身が今年、私が記憶に残るレースとして何を選んだのかを簡潔に紹介したいと思います。それぞれの大会の詳細については、大会が近づいてきた段階でお話したいと思います。

今年は以下4つの大会に挑む予定です。TDSについてはUTMBの姉妹レースで多くの方がご存知かと思いますので、TDSの説明は今回は割愛したいと思います。

  1. Ultra-Trail Snowdonia by UTMB
  2. Cervino Matterhorn Ultra Race
  3. TDS
  4. The 360 Challenge

 

Ultra-Trail Snowdonia by UTMB

この大会はUTMBワールドシリーズに加盟している大会となります。2018年から大会は始まり、今回私は100マイルのカテゴリーにエントリーをしています。

大会概要について説明すると、イギリス・ウェールズのスノードニア国立公園内にあるスノードン山(ウェールズ最高峰)山塊で開催されます。

スノードン山の標高は1,000m前後と高くはありませんが、この山の特徴として岩稜帯の山々で痩せ尾根やクライミングの場所が多い場所として知られています。

特に、スノードン山にあるCrib Goch(ウェールズ語で赤い尾根)という場所は、以下の動画の通りトレイルの両サイドが断崖絶壁で、日本の低山でなかなか経験することができません。

この大会ではCrib Gochを走ることはありませんが、Crib Gochと同様な場所がいくつかあるようです。これら難所を乗り越えるためには技術に加えて、メンタルがとても重要になるのではと思っています。

また、完走率を見てみると、100マイルで毎回50%を下回っており、恐らくUTMBワールドシリーズの中で最も難しい大会ではないかと思っています。
 

Cervino Matterhorn Ultra Race

この大会は、昨年初開催の大会でありマッターホルンの周辺を走る100マイルレースとなります。

スタートはマッターホルンの麓であるイタリアのCervinoという街をスタートし、その後スイスに入り、またレース終盤にスイスからイタリアに戻るという大会となります。

この大会のコースの一部を過去UTMR(Ultra Tour Monte Rosa)、SwissPeaksで走った経験があります。

今回のレースで特に難しいと感じているのは、レースの最終盤に3,400mの峠を越えなければならないということです。

この峠は、UTMRで前半のセクションにありますが、このレースでは最後の150kmに設けられており、一番苦しいタイミングでこの峠を超えるのはハードであり、心技体が求められるレースになると感じています。

UTMRでは50km地点に難関の峠がある
Cervinoでは最終盤に同じ峠が控えている

 

The 360 Challenge

この大会は、スペインのカナリア諸島で開催される大会となります。この大会の特徴は、コース上にマーキングがなく、かつエイドがない自給自足の大会となります。

元々は今現在も2月に開催されているTransgrancanariaの1つのカテゴリーでレースは開催されていましたが、Transgrancanariaとは別に新たに立ち上がった大会となります。昨年が初回の大会で今年が2回目の大会となります。

UTMBの姉妹レースであるPTLと同じように、コースのマーキングとエイドがないため、地図を読みながらかつ、麓のお店などで補給しながらレースを進めなければなりません。

私自身はコースマーキングがないレース経験として、過去に香港でのTo The Tops 100という大会でマーキングがなく地図読みしながら100kmを走った経験があります。

しかし、この香港の大会ではエイドがあったので今回のThe 360 Challengeはこれまでにない新たな経験ができるのではないかと楽しみにしています。

◇     ◇

過去の風景などを記憶するための手段として、写真を使うというのが一般的かと思います。

しかし、私は写真よりレース中に見ることができる絶景などを目に焼き付け、肌で感じることが大切だと思っています。

それはなぜかというと、他の大会に出たときにレース中に何かをきっかけに過去の記憶が蘇り、そのレースに転用できた経験が私の中で過去に何度もあったからです。

そう考えるとより個性の強いトレイルの大会に出た方が、今後の糧になるのではと感じています。

PROFILE

ゆっきー | Yukihisa Nakamura

海外のトレイルレース延べ2000km
本格的に海外を走り始めて4年、年500kmのペースで世界の魅力的なトレイルを駆け巡っています。
山本来の魅力を肌で感じることが好きで、有名な大会よりかはニッチでテクニカルなコースを選びがちです。
Swisspeaks 360km(Walker's Haute route)、UTMR 170km(Tour Monte Rosa)など完走。
2020年も日本で知られていない世界各国の魅力的な山・トレイルに出逢うこと。

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