トレイルは所有者のもの
宅地や田や畑はもちろん、山や谷にも持ち主がいます。われわれがいつもきゃっほい走り回っているあのトレイルだって所有者がいます。
山は売り買いされます。里山はあっという間に住宅分譲地になります、ゴミ焼却施設、産業廃棄物処理施設になります。ちょっと山奥なら砂利の採石場になったり、ひと山まるごと買われてゴルフ場、スキー場にさま変わりします。どうあれ、山は削られ、掘られ、道路や鉄路が敷かれ、跡形もありません。
われわれ人という生き物が、大昔から世界中で行ってきた、そしていまも行っている「開発」「発展」「進歩」がそれです。
野に分け入る森の小径は、大きな重機を運ぶために押し広げられ、硬く均されます。森は容赦なく切り倒され、むき出しになった地肌は太陽に照らされてカッチカチに固まります。
この連休、久しぶりに出かけて愕然としました。つい、この前まで気持ちのいい森を抜けるシングルトラックだったのに。森や渓流も動物たちも、鳥のさえずりも花の香りも消えてしまいました。
いまそこにあるトレイルを大切にしましょう、大切に遊びましょう、ある日突然そのトレイルは失くなっちゃうかもしれませんから。