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2019年7月23日

ミズコッシー

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これが噂に名高い「走る座禅」…『OSJ ONTAKE 100』参戦記



あの苦行から早1週間。
ガレた林道を、雨に打たれながらただひたすらと孤独にモクモクと。。。

7/13-14にかけて、『OSJ ONTAKE100』(旧大会名:OSJおんたけウルトラトレイル100K)の100kmの部に参加してきました。


http://www.powersports.co.jp/osjtrail/19_ultraontake/index.htm


『OSJ ONTAKE100』は長野県王滝村の山間部を舞台にしたランニングの大会。
あえて「トレイルランニングの大会」と書かず「ランニングの大会」と書いたのは、そのコースの特徴にあります。

コースの大半はとにかくひたすら林道。寝ても覚めても林道。どこまでもどこまでも林道なんです。

林道(りんどう)とは、森林の整備・保全を目的として森林地帯に設けられる道路の総称である。

wikipedia

つまり、トレイルランニングに大会にあるような急登や激下りもなければ、気持ちよく走れるフカフカな路面もないし、思わず足を止め目を奪われてしまうような絶景もほぼ無し。

走ろうと思えばずっと走り通せる、どちらかといえばロードのウルトラランニングの延長のような大会なんです。
エイドもほぼ水のみ。


誰が言ったか、

「走る座禅」


ひたすらに単調なコースを走り抜く強い精神力を必要とします。




僕はといえばトレイルランニング(以下トレラン)の大会に出ても「林道」のコースは本当に苦手で、ゆるい傾斜でも歩いてしまいがち。

そんな苦手なコースであるはずの大会にあえてエントリーしたのは、目標に掲げている「国内100マイルレース全制覇」のため。

『OSJ ONTAKE100』には「100kmの部(制限時間20時間)」と「100マイルの部(制限時間24時間)」の2つの部があり、100マイル(160km)の部にエントリーするためには過去に当大会(100km)を14時間以内で完走した選手の資格が必要となります。

つまり、100マイルに挑む資格を得るためにもエントリー時点では僕の目標は「14時間切り」だったわけなんです。

しかしその後、日々の練習不足や体調不良で徐々に大会に対するモチベーションが低下し。。。
当日を迎える頃にはすっかり目標は「大会に出るかどうか」なスタンスにまで変化してしまいました。





雨模様の天気予報にあわやDNS?しかしマイル戦士のスタートに鼓舞される。

1週間前ほどから睨めっこしてきた天気予報は、とにかく雨。

しかも当日が近くに連れて状況はわるくなりレース中はほぼ大雨、テンションはだだ下がり。。。
このレース直前までの準備不足(走り込み不足や体重調整)などもあり、一緒に行動していた仲間にも直前まで「DNS(Don’t Start)」するかもと言う体たらくでした。

しかし・・・

先に(20時)スタートする100マイルの部に出走する戦士たちの姿を見てモチベーションUP!

制限時間24時間という厳しさから、国内100マイルの中でも難易度高いレースとして知られる『ONTAKE 100』に挑むランナーの姿はとにかく格好良くて、必然的にスイッチが入ります。

おかげで無事にスタートラインに立つことができました。




準備不足が祟った「走れない」カラダと「奮わない」キモチ


深夜0時にスタート。

気持ち的には徐々に上がっていたものの、降り続く雨の中、準備不足からくる登りの走れなさやカラダの重さはすぐに現れ、序盤にして早くも諦めモード。

「14時間切り」から「完走」が目的に変わり、ほぼ歩きモードにシフトチェンジ。

延々と続く林道を、ただただ淡々と進むだけの単調な作業を進めます。

順位とか気にしてなかったけど、とにかく抜かれまくって心折れまくる。。。


夜明け頃に見えた雲海の様子
このような林道が何度も現れ、気持ちは辟易
天然エイドという名の湧き水が数カ所あります。




遅すぎる「やる気スイッチ」の入った70km地点前後

過去のレース傾向から自分は「スロースターター」なのは自覚していましたが、ドロップバッグが受け取れる67km地点あたりから徐々に調子が良くなる。

ドロップバッグが受け取れる67km地点のエイド。
74km地点で貰える素麺。適度な塩っけで疲れたカラダに沁みます。


74km地点の「そうめん」エイド以降はしばしロングレースで訪れる「覚醒」(70%程)の状態に入り、登りの走りやパワーウォークに力がみなぎり、降りもガレた路面状況を見定めながらスピードアップ。

とにかくこの区間はキモチよく走れました。

途中出会った知人に「頑張ればギリギリ14時間いけるかも」と言われ、ここで「やる気スイッチ」を一気にON!

ゴールに向かって全力です。

私設エイドのコーラ、最高でした!


14時間以内のゴールを信じて走ったその結果は。。。


コース後半のラスボス的な登りをの終盤に現れた「90km」の看板を過ぎ、
この時点でちょうど13時間くらいが経過。

残り約10kmで1時間。

ここからは激下りの区間と聞いていたので、飛ばせば何とか間に合うと信じ一気にスピードアップ。

この日は時計のログを起動せずに走っていたので自分がどのくらいのペースでどれぐらいの距離走っているのか分からなかったけど、とにかく良いペース。

一度も止まることなくただただ14時間以内のゴールを信じひたすら前へ前へ。

体感的にはもう10kmぐらいは降ってきたはず。

標高が下がり下界が近づいてきた。

舗装路が見える。

川が見える。

時間は残り10分を切った。

これなら間に合うはず!

ゴールはどこだ!

降りきろうかというポイントに看板が見えた!
(よし、ゴールか!?)


「エイドまでもう少し!」


ん??

看板に書いてあった文字に一瞬意味が分からず。。。

(あそっか、100マイルの選手はもう一回ループがあってそのためのエイドかな?)

なんて思い、とにかくそのまま進む。


「最終エイドでーす!ゴールまであと6km!」

チーン。。。

本当にエイドだった。。。
(ちゃんとコースマップ見れば載っている94km地点のエイドでした)



ここで僕のONTAKE100は事実上終了。。。

降りで飛ばしまくったたおかげで大腿四頭筋が終わり、心も完全に折れる。

この後の区間は歩き通し、、、

残り3kmの地点にあった100kmの看板。つまり103kmコースなのね(苦笑)



結果

14:54:10

でFINISH。

FINISH会場に戻ってきました


もちろん完走できたことは嬉しいんだけど、14時間きれなかったことでこの後、とてつもない敗北感と虚無感に襲われる。。。


リベンジする、のか、、、?

ほとんど景色の変わらない無限回廊のような林道。

ほぼ水のみのストイックなエイド。

「走力」に加え、試される「精神力」。

冒頭にも書いたようにこのレースは確かに「走る座禅」
レースというよりも「修行」と言った方がしっくりきます。

正直言って大会直後はもうこの大会には出なくていいかなと思っていました。

しかしこのBlogを書いていて、やっぱり徐々に悔しさが増してくる。

あの時あそこをもっと走っていたら。。。

もっと序盤からやる気出していれば。。。

こんな気持ちがあるならば、懲りずにきっと来年もエントリーしてしまうのかなぁ。


『ONTAKE 100』、クセになります。



PROFILE

ミズコッシー | Masato Mizukoshi

愛称「ミズコッシー」またの名を「トレイルバタ男」。CAPが好き。夏が好き。ビールが好き。くすんだ色が好き。レースはロング派、後半型。得意技は“覚醒”、たまに“ロスト”。主なレース記録はTrans Lantau100k(2018)、信越五岳100mile(2018) 、MOAB240mile(2019)など。

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