「え、ランナーが恐い?!」
4月、2024トレイルラニングが元気に始まっています。なかにはビギナー、初心者、山を走り始めたばかりの人がいるかもです。大歓迎します、と同時にこんなことを知っておいてください。
以前、鎌倉市の条例でトレイルラニングが「禁止」になりかけたことがあります。正確には「トレイルラニング規制の条例」を策定しようと市議会の議題に上がったのです。コトのはじまりは「歩く人たちの団体」と「レースを開催した団体」との意見の相違、勘違い。そもそも観光名所の鎌倉をレースコースにすることがとんでもないんだけど、トレイルランナーへの偏見があったことも事実です。
参考:鎌倉市ホームページ https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankou/mannerrules.html
きっかけはどうあれ、鎌倉を走れなくなるのはイヤだから、鎌倉を愛するトレイルランナーの有志たちが集まって「規制(禁止)されないように政治活動」を行ったのさ。くだんのレース開催者に二度と鎌倉でレースをしないよう約束してもらい、そして鎌倉を走るトレイルランナーに向けて「マナーの提唱」をしたんだよ。
「歩く人に出会ったら、走ることをやめて、歩いてすれ違いましょう」と。
また、祝祭日、週末は時間を限って、このコースは走ることをやめましょう、とコースマップを作り、配布もしました。そして石川弘樹さんや「チームターザン」のメンバーに登場してもらってマナー啓蒙の動画も作りました。
でね、ここからが本題。
同時進行で、歩く人たちはわれわれトレイルランナーをどう思っているんだろう? と鎌倉のコース各地でアンケートをとったのさ。
びっくりしました。多くのハイカーさんが、
「狭い道なのに、トレイルランナーがどんどん走って近づいてくる、ぶつかるかもしれない、恐いです、イヤです」
「ゆっくり歩いているのに、脇をすごい勢いで駆け抜けていく。危ないし、不愉快です」
と答えたんです。
え、「トレイルランナーは恐い、危ない、不愉快」なの?
そんなふうに思われているなんて知らなかった、考えもしなかった。だから「歩く人に出会ったら、走ることをやめて、歩いてすれ違いましょう」なんです。
狭い道では歩く人同士になればいいでしょう、心理的にも物理的にも優しくなれます。歩く人、走る人それぞれ同じ山で同じ楽しい時間を過ごしたいのに、片方を恐がらせたり、イヤな思いをさせたりするのは、よくありません。
たとえば街の中、ガードレールで仕切られた狭い歩道、スーパーからの買い物帰り。真正面からどこぞのランニング集団がやって来ました。「わ、こわ!」、思わず横に避けて立ち止まったら、ぎりぎりをトップのリーダーが速度を変えずにびゅん、続いてメンバーたちもびゅんびゅんと。恐いし、カチンとくるよね。「なんだよ、こいつら?!」
どんな遊びをしていようと、車内でお年寄りに席を譲るように、横断歩道でカラダの不自由な人に手を貸すように、山でも他の人に優しくありたいものです。
おまけ マナーを伝える動画
「鎌倉トレイル協議会」鎌倉はこう走ろう/石川弘樹さん
「高尾マナーズ」天狗ちゃんと学ぶトレイルマナー/鏑木毅さん