食べて、祈って、走って。Chiangmai Thailand by UTMB【出国~選手受付】
目次
いよいよ出国
さて、ようやくタイに向けて出発。
コバと高尾で待ち合わせをし、小原君、都築くんと一緒に空港へ。
第3ターミナルに車を停め、出国手続きが必要な第2ターミナルへは電車で向かう。
既にこの時点で私と小山田さんはパニック。
トランクをゴロゴロと転がしながら、とにかくはぐれないように必死でついていく。
いわれるがままたどり着いたのは、ファーストクラスのチェックインカウンター。
実は私と小山田さんは、航空チケットの都合で、経由地点のバンコクで1度荷物を受け取る必要があった。それをコバが全部まとめてコバの荷物としてチェンマイまで運んでくれるよう依頼してくれた。実際その後飛行機遅延があり、バンコクで嵐のような乗換を行うことになるため、コバが荷物をまとめてくれなかったら、今頃どうなることか・・・。
ANAスイートラウンジがスイートすぎる
バンコク行きの飛行機は出発時刻が1時間遅延してた。
「ラウンジ行くぞー」
コバの言葉と背中を追いかけ付いていく。
ファーストクラスラウンジだった。
もうきっと人生で入ることはない。まちがいない。
シャワー室も仮眠室もある。
なんだと!食べ放題&飲み放題!
まずシャンパンを頼み、フォアグラが乗ったハンバーグを食べる。
うますぎる。

興奮する私たちを横目に、コバはツマミしか食べていない。
もったいない。
モクモクと食べる私たちを見て微笑んでいる。
小山田さんと小原くんは、100mileのレース直前。
寿司を食べたいが、生ものだし・・・と悩んでいる。
むしろもうすでにメインの料理は食べ終わっている。
食べすぎではないか?いいのか?レース前にこんなに食べて。
葛藤している。

食べた。
もう我慢できるわけない。
アラカルトからメイン料理までおなか一杯食べた。何度もお代わりした。
ここから離れたくない。
「ドリンクは上にもあるぞ~」
と、コバは言う。
なに!アイスやサラダやアラカルトはまだ食べていいし、今度はBarまであるらしい。
しかもこちらも好きなだけ飲んでいいと言うから、もうどうしたらいいかわからない。
上の階には、ゆったりとくつろげる空間とが広がっている。
メニューを見る。
【サントリー 響】の文字を見つける。
もう、飲まない選択があるだろうか。
小山田さんと小原さんは100mileレース前だから当然禁酒している。
2人には申し訳ない。
でも響が呼んでいる。
2杯飲んだ。
最高だった。
添えられたオレンジピールの香りが抜群だった。

もうタイへ行くことを忘れそう。
もう羽田で帰ってもいい。本気で思った。
完全に羽田で有頂天になった。
もう、きっと、こんな幸せな空港滞在時間は二度とこない。ありがとう、コバ。
ありがとうAnswer4。おめでとう私。
バンコクへ
後ろ髪をひかれつつバンコクへ向かう。
登場口には、Team Answer4のメンバーやLDAのメンバーなど、たくさんの人が待っていた。
初海外レースで不安だったが、こんなに仲間がいると思うと心強かった。
ここからようやくバンコク スワンナプーム国際空港へ向かう。
飛行時間は約7時間。日本との時差は2時間。日本の方が2時間進んでいる。
飛行機は満席で、映画やドラマを見ながらの飛行。
エコノミーはやっぱり狭い。
日本から抱えてきた腰痛をなだめながらのフライト。
真ん中の席だからトイレに行きにくいという悩み。
それでも、特に不自由なく「スワンナプーム国際空港」に到着。
eSIMと格闘しながら乗り継ぎ
しかし、日本の出発時間が1時間遅れだったこともあり、次のチェンマイ行きの飛行機の搭乗時刻が迫っている。ANAから降りたらすでに案内係の人が待っていた。

ANAの到着ゲートから、バンコク国際空港の出発ゲートまで結構遠い。
見失わないようにとにかく必死で歩く。すごい早歩き。
歩きながらeSIMの設定を行う。
空港のFREE Wi-Fiを使って設定変更を行う。
歩くペースを落とすと迷子になる。でも早歩きだと設定がなかなかできない。
小山田さんと冷や汗をかきながら設定し、歩き、なんとか登場口に到着。
「TDAC(タイデジタル到着カード)登録」が済んでいるか?結構念入りに確認される。
セキュリティチェックを受けて急いで乗り継ぎの飛行機へ。
12月の冬の日本を飛び立ち、到着したバンコクは9月ぐらいの暑さ。
暑い。Tシャツになりたい。だけど着替えている暇もない。
チェンマイへ
飛行機に入ると、私たち以外の人はすでに着席済み。
要するに日本から到着する我々の便待ち状態だった。
早く出発してほしいという乗客の目線が刺さり、Tシャツに着替えることが出来ない。
そそくさと座席に座り、いざチェンマイへ。
タイ国際航空は初めて乗ったが、なんかすべてが可愛らしい。
紫を基調としたさまざまなデザインが可愛らしくてセンスに溢れている。
ちょっと食べるだけの機内食ですらセンスがいい。

タイ人ってセンス良いんだなぁ。
それに、隣に座ったタイの方の機内食の食べ方がとても丁寧で、綺麗で、お食事を大事にする国なんだなぁとも感じた。
チェンマイ国際空港へ到着
暑い。本当に暑い。
日本の真夏ほどは暑くないけれど、Tシャツ短パンぐらいでちょうどいいぐらいの気温。
空港からホテルまでは、徒歩で向かう。

私と小山田さん以外は旅慣れしてたり、海外慣れしている人たちばかりで心強い。
歩行者は要注意の国
タイの道路は結構交通量が多い。それでいて、横断歩道や人が歩くためのスペースが少ない。そして、車とバイクが優先される。
日本だと、歩行者優先だけど、完全に逆。
人 < 車 < バイク
という優先順位らしい。
歩行者用の信号機が無い(むしろ、道路にあまり信号機が無い)から、ここどうやって渡るの?と不思議だった。
みんなを見ていると、なんとなーく間隔が空きそうな瞬間を見計らって、エイヤーッと渡っている。
マジか?できるのか?と最初はドキドキしていたけど、やるしかないから頑張る。
結構、強い心を持てば渡れるということが分かった。
最初はドキドキしていた道路横断だが、帰るときにはマスターしていた。慣れって怖い。
タイの国は王様の国
タイではとにかく国王が尊敬されている。
尊敬されているし、国民にとって精神的な支柱らしい。
立憲君主制の国なので、タイの国の王様は、日本における天皇陛下と同じようなお立場。
ただ、日本よりもっと身近で、もっと影響力が高いように感じた。
我々がタイを訪れる約2か月前に、現国王の母君がお亡くなりになったそうで、町中にシリキット王太后の写真と喪章が飾られていた。

このシリキット王太后だけでなく、街には国王の写真が溢れている。
すごい大きな写真が街中で飾られているだけでなく、レストランの壁には国王の写真のカレンダーが張ってあったりと、とにかく国王一色。
ちなみにお札にも国王の肖像画が描かれており、夕方6時になると国家が流れ、何をしてても直立不動で聞かねばならない。最初全く知らず(勉強不足)、突如時が止まったかのように街中の人が動きを止める為、若干パニックになった。
ホテルに到着
ホテルはコバが予約手配してくれていた場所にお泊りさせて頂く。
これが本当に素敵なホテルで、中庭にプールまである素敵な場所だった。
楽園に来た感半端ない。

LDAのメンバーもほぼ同じところに泊まっていたので、そういった面でも心強かった。
ホテルのスタッフの多くは英語が通じる。
チェンマイでは英語が通じるところが少なく、通じてもナマリというか癖が強くて聞き取れない。
日本でも英語があまり通じないので、同じぐらいと思っていると丁度いい。
タイの方々は英語が分からないよーっていう時、不機嫌にならずに首をかしげてニコっと笑ってくれる。こういうところも「ほほえみの国」と言われる所以なのか?と思った。
広大なフードコート
日本を旅立つ前から、コバが「フードコートでチキンライスを食うぞ」と、何度も言っていた。
チキンライス=カオマンガイなのだが、そんなに何度も食べたくなるフードコートって何だろう?と、日本のフードコートしか知らない私にとって謎でしかなかった。
ホテルから徒歩圏内にあるショッピングモール(セントラル・チェンマイ・エアポート)に入り、フードコートに行くと、想像していた10倍大きい、まるで屋台のようなフードコートが広がっていた。

日本のフードコートの場合、寿司、うどん、ラーメン、ファーストフードといった感じで、いろんなカテゴリーのお店が軒を連ねるという感じだが、基本的には「タイ料理」ばかり。なので、ほとんどのお店のメニューが似ている。
たまに、ベトナム料理や中華料理、そして日本料理のお店もあった。
日本料理は、寿司、とんかつ、たこ焼きといったメニューで、なんか純粋な日本食というより、ちょっとタイ風味といった雰囲気だった。
本当にお店が沢山ありすぎて、どこのお店にしたらいいのか決まらない。
同じようなメニューなのだが、店によってちょっとずつ違う。
お店の西側・東側でタイ独自のバーコード決済しか使えないお店と、現金が使えるお店に分かれていたため、現金が使えるお店側で食べることにした。それでも30店舗近くある。なかなか決まらない。
緑の物は要注意
私は無類のタイ料理好きで、日本にいるときから最低でも1週間で1回はタイ料理を食べる。家の近くに行きつけのタイ料理屋があり、いろんなタイ料理を普段から食べていた為、メニューに見覚えがあるものが多く、ワクワクした。
ただ、翌日レースを控えている100km、100mileメンバーは「辛くないもの」探しに苦労していた。
どんなにタイ料理に慣れていた私でも、やっぱり本場のタイ料理は「辛すぎる」。
日本で辛い物と言ったら唐辛子などの「赤い物」を指すが、タイでは赤い物はもちろん辛く、それより辛い「緑の物」が存在する。要するに青唐辛子やハバネロのようなものなんだと思うが、それがとにかく辛い。
緑の野菜「インゲン」と辛い「緑の物」の区別がつきにくく、うっかり食べたら口の中は大騒ぎ。辛い物が苦手な人は、食材選びにかなり苦労していた。
ちなみに、基本的に「チャーハン」を頼めば辛くない。
エビチャーハンやカニチャーハンはちょっと高いけれど日本円で500円ぐらい。
かなり大盛でどんぶり1杯ぐらいの量がやってくる。
この日は、同じフードコートで食べていた現地の人に
「あなたの食べている物はなに?教えて」と聞いて購入。
小山田さんはイカ焼きご飯。この緑の液体がめちゃくちゃ辛いので要注意。

私は大好きなトムヤムクン。
海鮮が沢山でおいしかった。お酢を入れたかったけど、お店のお酢に青唐辛子がいっぱい浮かんでいて、一応私もレース前だったので今回はお酢無しにした。

レース受付会場へ
お腹がいっぱいになったら、今回の度の目的地であるレース受付会場へ向かう。
レースの受付はすべてのカテゴリー同じ公園内で行う。
そして、ここはすべてカテゴリーのゴール地点でもある。
移動はもちろんGrab。
初めましてのタイ人の方の車に乗り、会場まで連れて行ってもらう。
Chiang Mai P.A.O. Public Park
とにかく広い。ものすごい広大な公園が受付会場。
広すぎてどこが受付かわからないぐらい広い。
そのため会場にGrabで向かう場合は、この公園名ではなく「グリーン レイク リゾート」を指定した方が便利。

広大な敷地の中で、フラワーフェスティバルが開催されていたり、屋台がひろがっていたり。
本当に圧倒される広さとゴージャスな公園で、写真を沢山撮ったが、いったい何を撮りたかったかわからなくなるほど大会会場は広い。
そして、出店しているブランドブースの数も、ものすごい多い。
50店舗近く出店していたのでは?
日本からも数社出店していて、この大会の盛り上がりの大きさに驚いた。
そして、出店しているブランドのいくつかは、日本では見たことない、知らないブランドだった。
メーカーブース以外に、UTMBメインスポンサーブースもあり、そこではトークショーが開催されていた。また、UTMBグッズも販売されていて、否応なしにテンションが上がってしまう会場だった。
受付とレースキットの受取
受付にてレギュレーションチェックと、本人確認を行う。
パスポートと事前に作ったPASSカードを確認され、レギュレーションチェックは「必携品すべて」チェックされた。
そうやって全てのチェックが終わり、ようやくレースキットを受け取ることが出来る。
レースキットを受け取る際にはまた、パスポートとPASSカードを見せる。
いろんなチェックがあって、結構大変。
ただ、やっぱり受付する人にはムラがあって、しっかり見る方もいれば、ぱぱっと済ませて周りの人とのお話に夢中な方もいる。全体的にはおおらかなチェックだなと思った。

ようやくレース出場への準備がすべて整い、マグショットをコバに撮ってもらう。
by UTMBの名前が入ったレースに自分が出るのか・・・と改めてじわっと感動する。
ただし、飛行機での浮腫みと、タイ料理の塩分過多、そして飲み続けているアルコールの影響で、顔が更に丸くなった私が写っていた。うん。それはそれで思い出としよう。
レースキットって何?
参加賞だけでなく、レース会場で必要なアイテムが「レースキット」。

ちなみに、受け取れる中身はこんな感じ。
実際のアイテムを見せられたらよかったのだけど、帰国後バタバタしていて、色々まだ片付けが済んでいいない為、会場看板にて説明する。
- ゼッケンカード
- ゴール後に受け取る荷物を入れるバッグ(黄色)とそのバッグに付けるゼッケンカード
- アシスタントカード(サポートクルー向け)
- スリーピングカード(選手向け)
- ランナーズカード(ミールクーポン)
- デポバッグ
- リストバンド
- 参加賞のTシャツ
使い捨ての計測タグ
ゼッケンカードには計測タグが付いている。
そしてもう1つ、出身国の国旗がプリントされた紙があり、こちらにも計測タグが付いてる。国旗のカードには「このカードを見える場所に付けておくと、コミュニケーションが円滑になります」というような事が書いてある。
ちなみに、ゼッケンと国旗カードについている計測タグは使い捨ての物。
たしかに、こんなに多くの人が参加するレースなら、計測タグも使い捨ての方が便利。
私の記憶が正しければ、使い捨てタグの制度は再利用できるものと比べて、若干制度が落ちる場合がある。そのために、国旗カードの方にもタグが付いてるんだなと思った。
スリーピングカード
途中のエイドで仮眠したいとき「スリーピングカード」を置いておくらしい。
確かにレースの場合、寝てるのか、具合悪くて意識を失っているのか、ぱっと見じゃわからない。どのぐらいのランナーがこれを利用したかは謎だが、ナイスアイデアだと思った。
便利なゴールバッグ
ゴール後の着替えなどは、黄色のゴールバッグに入れてスタートの際にスタッフへ預ける。このトートバッグがかわいくて、大きさも便利で、日本に帰ってきてからも使っている。結構しっかりしているから、繰り返し使えて便利。
ランナーズカード
これは、ゴール後に会場に出店している屋台で飲食可能な券。
出場したカテゴリーによって、このカードで飲食できる金額は異なるが、私は約2000円分ぐらい利用できた。
ジュースを買ったり、ワンタンメンを買ったり。
私の場合、ゴール後体調不良だったため、あまり食べられなかったけど、こうやってレース出店の地元の方のご飯を食べれるのは楽しい。
ちなみに、やっぱり辛い物が多い。
また、街よりさらに英語表記が少なくなる為、タイ語が読めない私たちにとって、注文がちょっと難しい。
ちなみに、下の写真が100mileの人が使うドロップバッグ。
ナイロン製で、割としっかり入るサイズなので今後も使えそう。
ただ、参加賞のTシャツはなかなか派手なデザインで、どこで着るか悩む(笑)


ということで、長くなりましたが、ようやく選手受付が終わり、次のブログからは、レースの話となります。まだレースの話にならないの?話長くない?と思っている方も、もうしばらくお付き合いください。