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2024年1月10日

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FTR100 2連覇への挑戦

2023年11月18〜19日に埼玉県で開催された『FunTrails Round秩父&奥武蔵100k / 30k』という大会の100kの部に参加してきました。

スタート前にRBRGTRCの仲間と

ホームグラウンドでの開催

大会が開催されるのは私の居住地である埼玉県の奥武蔵。通称オクムとも呼ばれ、比較的都心からのアクセスも良く、里山や低山が連なる場所。低山なのに登ったら下る、下ったら登るを繰り返すことの多いコースでトレーニングにはもってこいの山域。ただ、低山ゆえに眺望の良い場所が少なく、コースも厳しいため敬遠されがち。でも私はトレイルランニングを始めてからはオクムで走ることが多く、いつしか大好きな山域となったというわけです。

この山域での代表的なレースだと『トレニックワールド彩の国100マイル』『おごせときがわ50k』など近年では人気急上昇(?)、今年が第一回大会の『Around Toki River 50k』と『奥武蔵ロングトレイル』が加わったのも記憶に新しいです。Around Toki River50kは私も9月に参加しましたが、なかなかパンチのあるコース設定でしたよ!完走率も37.9%と低めでした笑。

第1回大会から参加

大会名称やコースは変わりつつあるものの、FTRは今年で第9回目の開催。よくよく思い出してみると、、

2015年 第1回 FT50 優勝

2016年 第2回 FT50 2位

2017年 第3回 FTR100 大会途中で中止

2018年 第4回 FTR100 体調不良によりDNS

2019年 第5回 FTR100 台風により中止

2020年 第6回 FTR100 コロナにより中止

2021年 第7回 FTR100 3位

2022年 第8回 FTR100 優勝

大会中止や自身の体調不良にて参加できない年もありましたが、過去の戦歴はこんな感じ。

さてさて、気になるコースはこちらです!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

コースマップ

回を重ねるにつれ少しずつコースが変わっていますが、2022年からはこちらのコースです。

Fun Trails 公式HPより

コース高低図


Fun Trails 公式HPより

公式には距離105km、累積標高差は6,831mとありましたが私の使用している時計COROS/VERTIX2によると実際のログは下記の通りでした。

誤差の範囲だと思います!笑

どこを切り取ってもキツいコース設定

冒頭にも書きましたが、奥武蔵の山域は低山ながらアップダウンが激しく、コース高低図を見てわかる通りギザギザとノコギリの刃のような地形となっています。

できれば試走しておきたい

自宅から1時間ちょっとでこの山域に来られる恵まれた環境。試走をして慣れておこう、と時間があれば奥武蔵へ通いました。

試走その1

個人的に昨年もこのコースを走ってみて感じた『頑張りすぎず、緩くしすぎずに通過したいところ』がA4の名栗河川広場〜ゴンジリ峠〜A5ゆのたです。レースだと35〜50km地点、ちょうど疲れも出てくる頃…。A4を出てすぐに約700mアップの上りが始まります。コースの中でもこれほど一気に登る場所はそうないので、できれば感触を確かめておきたいところ。かといってここ以外のコースが優しいのかと聞かれるとそうではありませんが…笑。試走に行くならまずこの部分を押さえておきたいです。

コースを少し外れて棒ノ峰へ寄り道しています

試走の一例ですが、さわらびの湯スタート・ゴールにすれば試走後にすぐにお風呂に入れて最高です!飯能駅からバスで約40分の場所にあります。

試走その2

後半の登りオンパレードを試走しておきたい時はこちら!笑

約70km地点のA7の長念寺からA8高山不動、A9県民の森を経てゴール地点までとなります。私は日程の都合上、一気にゴールまで行きましたが細かく分けて試走するのも良いと思います。そしてできればちょっと疲れた足で行ってみるのもオススメ!コース後半部分なので疲れた足で行くことにより、レース本番を想定できます。

A9手前のラスボス丸山を超えてしまえばゴールまで下り基調
西武秩父駅直結の祭りの湯。食事も楽しめます。

頑張ってゴール地点まで走った後は、羊山公園から徒歩約10分ほどで行ける西武秩父駅直結の祭の湯でさっぱりできます。フードコートもあるし、帰りは特急のラビューに乗って楽チンできるし個人的にめちゃおすすめのお風呂です!

試走その3

レース前、最後に試走したのがA5ゆのた〜A7長念寺の区間。飯能駅からバスに乗り原市場中学校で下車、周助山からコースに入りました。いきなりガツンと登る周助山、その後も上り基調のちょっとキツいパート。

特に試走しておきたいと思うところはA6子の権現からA7長念寺の間にある飯能アルプス!高低図をみると子の権現からは下り基調に見えるんですが、何度も繰り返される登り返しがありスタミナもメンタルも鍛えられますw

レース当日も営業してくださる子の権現の『子の山茶屋』にて
(中:Fun Trailsスタッフの操さん 右:茶屋のお母さん)

目標は去年の自分越え

今回の目標は2連覇するなんてことは考えず、去年の自分のタイムを超えること!目標達成なるか!?

ちなみに去年のタイムは17時間48分でした。

そんなわけで今年の試走は3回しか行かれなかったのですが、肝心なレース展開を振り返ってみたいと思います。

スタート羊山公園〜A2正丸駅(23km)

たくさんの友人や仲間と会えてリラックスしてスタート地点へ。前日が大雨だったとは思えないほどの晴天の中スタート!

羊山公園をぐるっとしてからしばらくはトレイルとロードを出たり入ったり。ちょっとペースが早いかな?なんて思ってはいたものの前後する選手とお喋りしながら進みました。朝霧の中に朝日が差してとても気持ちの良いトレイルでした。あっという間に琴平神社を過ぎてA1国際釣場エイド、こちらはまだ12km地点なのでスルー。

ここから一つ目の大きな登り大野峠までの約550mアップ、ここでもまだまだお話ししながらリラックスモードで進む。後半に足を取っておきたいので走れそうなゆるい登りでも無理せず早歩きなど交えて。

虚空蔵峠を越え、正丸尾根を下ってA2正丸駅へ。去年とほぼ同じタイムで到着。涼しいけどそれなりに汗はかいていたものの、水分はほとんど取らずに到着。この水分不足が後半の足攣りに影響するなんて思ってもいなかった…エイドで2杯ほどのジュースとミニシュークリームを頬張ってすぐにスタート。現時点で女子2位とのことだったがあまり気にしない。

A2正丸駅〜A3子の権現(28km)

A2を出るとしばらくロードが続きます。ロードもまあまあなペースだよな(速すぎ??)、なんて思っていたけどトレイルの取りつきまでほぼそのままのペースで進みました。トレイルに入ると周りの選手のペースがやや遅く感じたものの、抜きたい気持ちをグッと堪えてそのまま流れに乗りました。(ここはまだ頑張る所じゃない、と思ってましたw。)また、この辺りはハイカーの方も多く、たくさん話しかけていただき元気もらえました。

A3子の権現エイド到着。昨年より4分ほど遅いけどあまり気にせず。バナナを頬張り、ジュースを2杯ほど飲んでエイドアウト。

1回目の子の権現通過。レース中でも写真を撮りたくなります。

A3子の権現〜A4名栗河川広場(35km)

子の権現の仁王様の写真を撮ったり、茶屋のお母さんにご挨拶して通過。『頑張ってー!また夕方ねー!』という暖かい応援で背中を押してもらう。ここから次のA4名栗エイドまでは大きな登りは無く、ほぼ下り基調。九十九折りのテクニカルな下りもあって転びそうになったりしたけど、順調に小殿バス停があるロードに降りてきました。

ロードに出るとランボーズの仲間たちが応援に駆けつけてくれました。応援の力はとても大きく、そこから次のA4名栗エイドまで約2kmのロードもペースを落とさずにしっかり走り、エイド到着。(昨年より2分遅れだったようですがこの地点で女子1・2位ほぼ同着でした)エイドにも仲間がボラしてくれていたり、応援しに来てくれてめちゃくちゃ嬉しかったー!

この先は一気に700mアップするのでしっかりと補給。ジュース、きび団子、バナナ、ジェルを摂って塩タブレットをポッケに忍ばせいざ出発!

A4名栗河川広場〜A5ゆのた(49km)

A4エイドを出て赤い橋を渡るとすぐにトレイルに入ります。何度か試走を重ねた滝ノ入り尾根。1時間くらい登りっぱなしになるので淡々と進んでいると、右足の内転筋に違和感が、、、ストレッチをしながら進むもついにピッキーンと攣ってしまった!!立ち止まってストレッチ、治ったと思って登り始めると攣ってしまうの繰り返しをしばらく続けました。前半の水分補給を怠ったツケがここでのしかかってくるなんて、、(泣)。慌てて塩タブレットや漢方薬を飲んでゆっくり進むと少しおさまってきたので一安心。700mの登りが終わるとゴンジリ峠。ここからは下り基調のトレイルが続き、走りやすいパート。足の指の間に小石が挟まっているのが気になっていたけど次のエイドまで我慢。走り続けてA5ゆのた到着。去年より9分ほど遅れ、もうここからタイムは意識しないようにしました。

A5ゆのた〜A6子の権現(59km)

女子1位で到着。A5エイドはドロップバックが受け取れるので、好きな食べ物、飲み物、着替えや補給食の予備などを詰め替えたりします。まずは楽しみにしていた午後の紅茶ミルクティーを一気飲みw。それから後半に必要なジェルをザックに詰めてドロップバックを返却。すると女子2位の選手がエイドイン、まだ先は長いのでそれほど順位は意識せずマイペースで準備を終わらせました。エイドでは豚汁とおにぎり、バナナ、梅干しを食べて出発。出発してからすぐにシューズの中の小石を取り除くのを忘れていたことに気づいたけれど、そのまま進みました。

ゆのたを出てからしばらくはロードが続き、最初の登りが周助山。この山もさほど高い山ではないんですが、斜度がきつい!そしてここの登りでも足攣り祭り!ストレッチすると違う箇所が攣ってしまい、ひとり悶絶。次のA6子の権現エイドまでは登り基調なのでかなり苦戦しました。もう少しでエイド、というところでまたまたランボーズの応援団が!色々言葉を交わしたりして苦しさも半減しました。

子の権現へ向かう根っこだらけの急登

攣りまくっていた私の足の筋肉たちも少し落ち着いてくれて、無事に2回目の子の権現到着。(去年より11分遅れ)

A6子の権現〜A7長念寺(70km)

2度目の子の権現、売店のお母さんにも2度目のご挨拶。またまた優しく声をかけてくださってパワー頂けました!ありがとうございました!

エイドに着いたら、まずやりたかったこと。ずーっと気になっていたシューズの中の小石を取り除いてスッキリw。この先の飯能アルプスの細かなアップダウンに備えてしっかり補給。固形物が喉を通りにくくなってきたので牛丼に味噌汁をかけてもらい、微妙な味になるかなと思ったけどこれが美味しかった!温かいものを食べると元気も出ますね。間も無く日没なのでヘッドライトを装着して出発!

いざ飯能アルプス!と意気込んで走りだすも前後にランナーがおらず、一人旅で寂しい感じ。走り慣れているコースとはいえ、やはりきつい!早くこのパートを終わらせたい一心で進みますが、急登を頑張りすぎると足が攣る!がんばれ私の足!

奥宮さんからのメッセージがコース上にありました

天覚山からは飯能アルプスを抜け、ロードにでます。次のエイドA7長念寺まで約2.5kmのロードはとても長く感じましたが、またまた仲間の応援隊が来てくれたおかげでペースを落とさずに走り切れました。

A7長念寺〜A8高山不動(83km)

ロードを走り切り長念寺へ到着。足が攣ってどうしようもない…というところにNew-HALEさんのケアステーションが!まさに困った時の駆け込み寺!!補給を摂りながらテーピングを施していただき、また攣ってしまった時のためにアドバイスも受けました。足攣りの原因が脱水気味とのことだったので、思い当たることばかりで反省。気温が低くても汗はかいているし、空気も乾燥しているので積極的な水分補給は大切と思い知らされました。New-HALEのオーミさんありがとうございました!

本当に助かりました!ありがとうございました。

仲間とスタッフの皆さんの応援に背中を押されエイド出発。エイドを出てトレイルへと続く道はイルミネーションで飾られていて、その先のゲキ登りがあるということを一瞬忘れさせてくれるほどでした。最初のピークの愛宕山ではケーブルテレビのカメラクルーの方からのインタビュー。『足が攣りまくってます!』と答えたような。。その先の登りではやっぱり足が攣ってしまい悪戦苦闘。水分・塩分補給、漢方薬を飲んだけどすぐに効くはずもない。。ストレッチをしながら騙し騙し進み、顔振峠を通過。ちょっとした登りのロードも走り続けることができず、歩きを交えて進みました。次のエイドまでの一踏ん張り、八徳 (やっとこ)からの登りが延々に終わりがないような感じがしました。思い返すとここの区間が一番きつかったかな!

A8高山不動〜A9県民の森(93km)

高山不動尊の120段の階段を登り、さらにエイドまでの数十メートルを登りA9高山不動エイドに到着。かなり冷え込んできたので温かいおでんをいただきほっと一息。ここまで来れば登りはそんなにキツくないはず!と自分に言い聞かせてエイドを後にしました。(エイドから出たくなかったけどw)

関八州見晴台、刈場坂峠を経て大野峠あたりまではロード(グリーンライン)とトレイルを出たり入ったり。相変わらずの細かいアップダウンを繰り返します。

大野峠あたりからふと顔を上げると、丸山にある鉄塔が見えました。丸山まで登ってしまえばあとはほぼ下り!!そして最終エイドへ早く行きたい一心で走り続けました。

A9県民の森〜ゴール羊山公園(105km)

ようやく最終エイドの県民の森に到着。ゴールまであと10km以上あるのだからしっかり補給をしたいところ。しかし、薄々感じてはいたけれど、寒さのせいなのか脱水によるものなのか胃がムカムカする、、エイドのバナナ、豆乳スープをいただくもすぐにマーライオン状態となってしまい結局何も補給できないままエイドを出発。

何も補給できなかった為、足に力が入らず全然走れなくなってしまい、ちょっとした登りも休み休み進む羽目に。せっかくここまでトップを走っているのに、半分は諦めモード、もう半分はもしかしたら2連覇できるかもという複雑な心境でした。

遅くても良いからとにかく止まらないことだけを意識、持っているジェルも胃腸が受け付けてくれない、だから下り以外はほとんど走れず。去年はここを走れたのにな、なんて考えながら進んでいました。

気がつけば琴平神社を通り過ぎ、横瀬駅近くを通り過ぎ、ゴールが近づいていることを実感。ドキドキしながら振り返ってみても後続のヘッドライトらしきものはまだ見えない!最後のトレイルを走り切れば優勝することができるかもしれない!そう思ったらさっきまでぜんぜん走れなかった足に力が湧いてきました。

ゴールまで数百メートル手前で仲間がお出迎え!ここで優勝を確信、力を振り絞ってストロングフィニッシュ!やったー!!

主催の奥宮さんがゴールを迎えてくれました。

公式HPより photo by Sho Fujimaki

レースを終えて

レースの結果は、、、

ゴールタイム 18時間33分42秒

総合 23位

昨年に続いて女子総合優勝をすることができました!

レース中に色々な方から『2連覇頑張って!』とお声かけいただき、少々プレッシャーはありましたがなんとか2連覇が達成できて本当に嬉しいです。

目標だった『去年の自分超え』は達成できませんでしたが(昨年より45分遅い)、来年は第10回大会とのことなのでまた1からコツコツと積み上げていきたいと思います。

奥宮さん始め、運営のみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

PROFILE

キー | Kiyoko Nakata

とにかく楽しい事と辛い食べ物とビールが大好き!
スロースターター、後半粘れるので長い距離を走ることが好きです。
2017トレニックワールド彩の国100で初の100mile完走
2018UTMF完走
2018KOUMI100で女子総合優勝
2019UTMB完走
Runboys!Rungirls! TRCマイラーチーム所属

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