海外レースを数字でみると
この1ヶ月余りで国内外ともに世の中の状況が大きく変化し、海外レースも3月に入り一斉に春のレースが中止・延期がアナウンスされ、早いところだと8、9月のレースの中止が既に発表をされているところもありますね。足元の状況からみて、夏のレースもこれから本格的に中止・延期の発表がされる感じでしょうか。
私は今年8月までに4つのレースを予定していましたが、春の2レースが中止と延期に、夏の2レースがまだ未発表の状況です。私の中では夏のレースも恐らく中止になるのではと思っています。
- 3月のTGR Ultra(香港)は2月に中止が発表
- 5月のAltra100(フィリピン)は3月に延期(11月)が発表
- 8月のL’ÉCHAPPÉE BELLE(フランス)は未発表
- 8月のTDS®(フランス)も未発表
フランスのレースについてともに3月半ばに問合せたところ、「この時期に開催判断の決定をするのは早い」「フランス連帯保健省とスポーツ省から6月30日までスポーツイベントはキャンセルするように勧告が出ているが、現時点では開催する方向で準備を進めている」とそれぞれ回答がありました。
したがって今年の予定は白紙の状態とし、現在は外出は控え、当初はレースやトレーニングに充てる予定だった時間を、今は海外レースのリサーチと数字で見ることに時間を充てています。
なぜリサーチをやっているのかというと、自分にとって魅力的なレースを発掘するためです。普段から海外レースを調べることはやってきましたが、以下のグラフの通り直近3年余りでレース数が倍増し、新設された大会の調査が追いついていなかったため、スキマ時間を活用して調べています。
加えてなぜ数字で見るのかというと、世界全体を俯瞰した上でレースを選びたいからです。これまで海外レースに数多く参加しましたが、とはいってもまだほんの一部の国にとどまり、その経験だけでレースを選ばないためにも世界各国の特徴などを数値化・可視化しています。
ということで、海外レースについて色々と調べていることの一部を皆さんに紹介したいと思います。
人気のある大会の開催のカギは欧州?
私自身がTDSに参加することもあり、そもそもUTWT(Ultra-Trail® World Tour)のような規模の大きい大会に、どこの国からランナーが集まっているのだろうか?と思い調べた結果が以下のグラフになります。
UTWTの全大会の参加者をエリア別にみたグラフになります。開催国(自国)のランナーに加えて国籍がヨーロッパのランナーの割合が全体の8割を占めていることが分かります。今後の状況次第ですが、既に秋へ延期を発表しているmozartやIstriaはそれぞれオーストリア、クロアチアでの開催ですが、EU全体での収束が開催判断のポイントとなってくる感じでしょうか。
小規模な大会ほど開催が危うい?
海外の開催状況を調べてみると、日本では概ね中止となっているようですが、海外では中止ではなく延期とする割合が日本より多く見受けられます。先程述べたフィリピンのレースやUTWTも延期となった大会もその一つです。そんな中でふと気になったことが、これらの大会が春から秋に延期した場合、秋に大会が集中するのでは?と思い、そもそも季節ごとにどのくらいレースが開催されているのか調べたのが以下のグラフとなります。
上記グラフより春・夏の大会数は合計で約3,700あり、うち約15%の約500の大会が仮に秋に延期した場合、秋の大会数約2,000に約500を加算すると約2,500となり、大会数の増加率としては約1.25倍となります。大会数に比例しランナー数も1.25倍に増加すればいいのですが、規模が大きな大会にランナーが集中する一方で小規模な大会にランナーが集まらないことが懸念されるところです。
この先、数カ月、半年先で世界情勢が大きく変化しているかもしれません。私自身もどうなっているか分かりませんが、世界全体で平時となり海外への往来が自由できるようになることを見据えて、走ること以外に今できることを色々とやっていきたいと思います。