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2020年5月20日

ゆっきー

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走り込みより大切なこと


5月に入り海外においても先進国を中心に自粛が緩和され、またEU圏では一部の加盟国間での移動が6月より再開されるようですが、私がレースを予定している8月までにEU域外からの渡航が可能となるのか先行きは不透明です。予定のレースが中止となった場合、各国の感染や渡航状況を踏まえつつ他に参加できるレースがあれば、今年も夏〜秋に開催される海外レースに挑戦できればと考えています。


8月のレースまであと3ヶ月を切りましたが、レースに向けての全く準備は出来ていません。4月から仕事は在宅勤務となり職場がある東京にはもう1ヶ月半も通っておらず、また運動も家の周りをジョギングするだけで、巣ごもり状態が続いています。今後、首都圏の外出自粛が解除されてたとしても、県外への移動自粛の継続や、富士山やアルプスにおいて登山道閉鎖や入山規制もあり、おそらく本格的に山での練習も難しいと感じています。


このような状況下ですが、今年においては練習が出来なくても海外レースに出場したいと考えています。一般的に、レースで完走するためにはそれなりに練習を積むことが大切だと言われていますが、私自身これまで海外でレースを積み重ねてきた中で、特にロングレースにおいて完走するために重要なことは練習量ではなく経験であると考えています。私も昔はたくさん練習をしていましたが、ここ2〜3年はほとんど練習をしていません。なぜ経験が重要であるという考えに至ったか、そのきっかけとなった出来事を踏まえてお話をしたいと思います。

 

年間どのくらい走っているのか?


その話の前に、私がどのくらい走っているのか数字で示してみたいと思います。


17年以降、出場した全レースは100kmを超える距離ですが、これらを含めても以下グラフの通り、年々走る距離が減り続け19年では年間約2,200kmまで減少しました。
練習だけをみると、レース分を除くと19年は約1,700km/22,000m+(Northburn:160km/10,000m+、Swisspeaks:360km/26,500m+)となり、月平均でみると約140kmとなります。


また累積標高も大幅に減少し、山での練習も15年までは月2回の頻度が、19年は年間でわずか5回(3月:丹沢2回、4月:秩父〜奥多摩、8月:富士山・甲斐駒ヶ岳)と山に行くことが少なくなりました。

 

 

価値観が変わったレース


ターニングポイントは、ヨーロッパでのレースにおいて死に直面したことでした。
詳しく説明をすると、スタートから快晴が続いていましたが、日が暮れ始めたタイミングで突然の雷雨となり、標高2,400mの森林限界において岩場で30分ほど身を隠し雷雨が過ぎ去るのを待っていました。しかし、雷雨がさらに強さを増し、これまで経験したことがない頻度で私の周りに雷が落ち始め、「これはヤバい!」と身の危険を感じ始めたちょうどその時、後続から3人の地元ランナーが追いついてきました。
彼らより「雷に打たれるリスクより、低体温症になるリスクの方が高いので先を急いだ方がいい」と言われ、ともに行動することにし、いつ私たちに雷が落ちてもおかしくない状況の中で4人で1時間ほど稜線を歩き続けました。
その後、レスキュー隊によって救助され近くの山小屋に避難し、雷雨が収まるのを待ってレースが再開され、無事にゴールまで辿り着くことができました。


雷雨の前までは、脚がボロボロの状態で完走は難しいとほぼ諦めかけていましたが、再開後は死ぬかもしれないという恐怖から開放されたと同時に気持ちに余裕が出来たことで、ゴールまで残り30kmでしたが身体がとても軽い状態に戻って気持ちよく走れたのを今でも鮮明に覚えています。


この出来事をきっかけに、完走に必要なことは気持ちに余裕を持つこと、そのためには困難な状況を多く経験することが重要であると私の価値観が大きく変化しました。

 

レースを想定した練習


それからは闇雲に走ることを減らす一方で、より実践に近い練習を数多く取り入れるようになりました。例えば、日々の練習においては天候のいい日に走るのではなく、真冬であれば天候の悪い雨や雪の中を、真夏であれば35℃近くの炎天下の中を走っています。レースにおいてワーストケースで起こりうることを想定した練習をすることで、結果としてレース本番で不安要素が無くなり、常に高いパフォーマンスを発揮できるようになりました(編注: 暑熱順化=暑さへの順応に関しては闇雲に行うと危険ですので、行う方は前回のアサイセンセーのブログも参考にしてみてください)。

 

丹沢で2週間後のレースに向けた練習(19年3月)

 

もちろんトレランの経験が浅い方にとっては、一定量の練習が必要となります。私の経験から100kmレースをコンスタントに完走できるようになることが目安になると思います。したがって、100kmから先の100マイルレースを目指すのであれば走り込むことより、レースを想定した練習を取り入れることが100マイル完走の近道になると思います。分かりやすく表現すると、以下グラフのようになります。

 

レース距離と練習量の関係

 

レース距離と経験の関係

 

レース中に困難なこと遭遇することは、天候以外にもたくさんあります。そういった困難を数多く経験し柔軟に対処できるかが、レース完走のポイントとなってきます。私が海外レースの中でも難しいとされるレースに出続けている理由の1つがここにあります。走り込むことも大変重要ですが、以前のような練習が出来ない環境の中、練習のあり方を見直す良いタイミングたと感じています。

PROFILE

ゆっきー | Yukihisa Nakamura

海外のトレイルレース延べ2000km
本格的に海外を走り始めて4年、年500kmのペースで世界の魅力的なトレイルを駆け巡っています。
山本来の魅力を肌で感じることが好きで、有名な大会よりかはニッチでテクニカルなコースを選びがちです。
Swisspeaks 360km(Walker's Haute route)、UTMR 170km(Tour Monte Rosa)など完走。
2020年も日本で知られていない世界各国の魅力的な山・トレイルに出逢うこと。

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