OLYMPUS4/オリンパス4ってどんなシューズ?
発売前からInstagram等SNSをにぎわせていたOLYMPUS4。
どんなイメージをお持ちでしょうか?
実際このOLYMPUS4を山やロードで試してみて、気が付いたことを、RBRG山梨在住スタッフの松井が、ご紹介出来たらと思います。
まず、どんな人にお勧めか?この先長文になるので、結論を先に申し上げます。その上で、詳細は下記長文をご覧ください。
・ロードとトレイルを繰り返すようなロングトレイルレースに挑戦する方
・ロングレースで途中シューズを履き替える想定の後半用として
・最近今までより体重が増してきた方
・ファストハイクや縦走など重量のある荷物を背負って長時間行動する方
・シューズを頻繁に買い替えず、1年以上同じシューズを使用している方
それでは、基本情報をお伝えします。
重量:329g(US9.5)
ミッドソール:コンプレッションモデル EVA
アウトソール:Vibram MegaGrip
スタックハイト:33mm
アッパー:耐久性に優れたエンジニアードメッシュ
カラー:Black&White / Red
ちなみに私、ビックフットでして、実寸24.8cm。
甲高、幅広、並みの男性よりしっかりしている足だとよく言われます。
なので、トレイルランニングシューズはメンズの25.5~26.0cmを履くことが多いです。
ALTRAの場合比較的大きなサイズまでウィメンズモデルがある為、W’s US9(26.0cm)がベストサイズです。ということで、今回もUS9を履いてみました。
指先が広く、ゆったりとしたフィット感のシューズなので、普段ご自分が履かれているサイズをお選びいただければ大丈夫だと思います。
(トレランや登山など山で履くシューズは、下りで指先(爪)を傷めないよう実寸より0.5~1cmUPがおススメです)
デザイン一新。スタイリッシュな雰囲気に
これまでのデザインから大きく変更され、すっきりとしたシャープな印象になりました。
前作のOLYMPUS3.5もスタックハイト(かかとの一番厚みのある部分)は33mm。
見ての通りだいぶすっきりした印象ありますよね?
よくレビューを見ていると「軽くなった」と表現している方がいますが、実際は前作と比べ20g重たくなってるんです。(前作303g)
見た目と履き心地で、軽くなったような気がするのかな?と思います。
これまで、良いシューズだとは思うけど、見た目が苦手だなあ・・・という方がいましたが、今作なら、様々なウェアにも合い、映えるシューズになったと感じます。
アッパー素材が通気性の高いエンジニアードメッシュに変更
これまで耐久性の高い強化メッシュを採用していましたが、伸縮性が少ない為指先が窮屈に感じた方も。今作からはエンジニアードメッシュに変更され、通気性が良いだけでなく、丈夫なのに伸縮性も高いため、指先の自由度も高くなったと感じます。
また、通気性が高いので、雨の日のトレランでも安心。実際、雨天時(豪雨と呼べるレベルだった)に使用しましたが、シューズ内が水で溢れる事がなく、水の抜けの良さを実感できました。
しっかりと屈曲するソールパターン
屈曲部にしっかりと溝がはいっており、メッシュアッパーの高い伸縮性がより生かせるソールパターンになっています。これにより、これまで厚底シューズでは少し不安だった、岩肌の多い山、石の露出が多い山での使用に不安感が少ないと感じました。
実際、山梨県韮崎市にある「茅ヶ岳」と「金ヶ岳」の縦走ハイクの際に使用しました。
両山共に、前半は歩きやすい登山道なのですが、山頂に近づくにつれ石や岩の露出が多くなり、足を置く場所が狭い場所もあります。これまでそういった岩の狭い場所に足を置く場合、厚底シューズだと指先に力が入りにくく、また足裏から感じる情報が少ないので不安感がありました。しかし、OLYMPUS4は指先までしっかり屈曲できるので、力が伝わりやすく不安感無く進むことができました。
高いグリップ力とクッション性、そして着地の安定感
OLYMPUSといえばメガグリップです。
アウトソールにVibram Megagripを採用しており、とにかくグリップ力が高いのが特徴です。
ラグの高いトレイルシューズが比較的苦手な岩場でも滑りにくいので、標高の高い山での使用も安心。また、レースや普段のトレーニングで、山を繋ぐために、ロードを長く走る場合もあると思います。その際にもロードの硬さを感じにくく優しいクッションで足の疲労を和らげてくれます。
ソールは上からみると台形になっており、底部分がシューズより少し大きくなっています。その為、無造作に足を置いても、ブレるといった不安感が少なく、安心感のある走りを提供してくれます。
また、Vibram MegaGripは頑丈で摩耗しにくいので、ソールのラグがすぐになくなっちゃうという事はありません。なので、あまり山に行く機会が無い方、トレランシューズの使用頻度が低いのに、ラグがすぐなくなって、滑りやすくなっちゃうんだよなーと思っている方にもおススメです。
その他細かい変更が細部にまで
タンがシューズと一体化され、ホールド感を与えてくれます。また、靴紐を結ぶ部分にクッションが入っていて、結んだ部分が当たって痛くないような作りになっています。
また、かかとが丸みを帯びたバイオヒールになっており、かかと着地をした際にもつま先までスムーズな足運びを促してくれます。
さて、ここまでOLYMPUS4の変化とおススメポイントを伝えてきましたが、ここからは個人的に感じた、もしかしたら気になる人いるかも・・・な話。
指先部分の靴紐の調整が難しいけど
アルトラ結びで乗り切ろう
シューレースの構造上、指先部分の靴紐の調節が難しく、きゅっと引っ張っても戻ってしまいます。
なので、指先部分をしっかり締めたいという方は不安感を感じるかも。
でもこれが甲高の人なら靴紐が締まりすぎないので、甲が痛くなくて良いという判断にもなると思いますし、ロングレースで終盤足がむくんできても、シューズの違和感や痛みを感じずにいられるのかもしれません。
また、靴紐は最終的に足首部分でしっかり締めることができるのですが、普通に締めるとタンにクッションがあるとはいえ、一点に圧がかかり、食い込む感じががします、ここはやはりアルトラ結びがおススメ。アルトラ結びって何?って方はこちらをご覧ください。
https://altrafootwear.jp/basics/shoelace-system
つま先が固いって思うかも(特に小指部分)
でも補強がしっかりしている証拠
これは、急登を登るときに感じた事で、フラットなトレイルや、下りでは感じなかったのですが、急登を登る際に、指先(特に小指)部分の補強が固いかな?と感じました。
指先までしっかり屈曲する分、屈曲時に補強部の当たりを感じるのだと思いました。
でもこれは、足の形は人それぞれなのと、歩き方の癖も要因になってると思います。
ただ、つま先が当たると思ったのは、その急登の登りの時だけなので、高低差が少ないトレイルやロードや林道、山の下りでは全く違和感を感じませんでした。
トレランシューズは軽量な分、登山靴と比べ、つま先部分の補強が無いものが多く、不意に木の根や石にぶつけた際、強い痛みを感じたことありませんか?
OLYMPUS4なら、そういったトラブルはありません。しっかりと指先を守ってくれます。
柔らかいクッションが良かったり悪かったり。
結果的には最高だなぁって思うんですけど。
個人的にOLYMPUS4の魅力であり欠点であると思っているのが、この柔らかいクッション。
このクッションが魅力だし、すごいおススメポイントなのですが、ぐっと沈み込むのでそれが「ちょっと疲れちゃうな」って思うかもしれません。
また、どうしてもクッション性が高いシューズを履いていると、シューズが何とかしてくれると思うので、着地の時の足の置き方が雑になってしまい、膝の傷みを代表する足の不調の呼び水になってしまうことも。これは厚底シューズ全般に言えることなので、OLYMPUS4が取り立てて悪いという事ではありません。
私自身、長い距離を走るときほど、丁寧な着地を心がけないと、膝が痛くなるという経験を何度もしていて、厚底シューズは疲れてランニングフォームを意識することが難しくなってきた後半に使うと良いなと思っています。
ドロップバックがあり、途中でシューズの履き替えが可能な場合は、後半の足が疲れた時に使用すれば、力強い味方になること間違い無し。疲れた足を優しく包み込み、前へ進む力を与えてくれるはずです。
でもコロナ太りしちゃったなー、走るにはちょっと今の体重重たいなーって方いますよね?やっぱり太ると重力と共に足への負担が大きくなります。
一般的に5kg太ると山の登り30分遅くなると言われています。
これは勿論筋力や心拍やいろんなことが影響しているのですが、体重が増えると明らかに足への負担も大きくなります。
また、テント泊の縦走やロングトレイルを歩くハイカーさん達は、背負う荷物が重たくなり重量が増す分、やはり足への負担が大きくなります。
なので、安定感がありクッション性に優れたこのOLYMPUS4は大きなアドバンテージになると思います。
と、私がOLYMPUS4を実際に履いてみた感想は以上となります。
私も様々なシチュエーションで試してみましたが、ハイキング、登山、トレラン、ロードラン合わせて70㎞ちょっとしか試せていません。シューズは履けば履くほど印象が変わってくるという事があるので、今後も履き続けて様子が変わってきたらレポートを追記&変更させていただきます。
現在ウィメンズモデルは欠品中ですが、お問い合わせいただければ入荷が可能なサイズもございます。気になっている方はお気軽にinfo@rb-rg.jpへお問い合わせください。