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2020年12月16日

ゆっきー

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潜在的な力の発掘

 
スポーツをする上で、自分が持てる力を十分に発揮したいと誰もが思うことです。

しかし、ある人は練習では本来の力が発揮できるが、いざ本番となると全く力が発揮できない。また、ある人は本番で力が発揮できるものの、試合によって発揮できる力にバラツキがあったりと。

では自分の力をコンスタントに発揮するにはどうすべきか?

その解決策の一つとして、潜在的な力を活用することです。潜在的な力とは、自分が認識している力(=顕在的な力)ではなく、自分が認識していない体の奥底に眠った力といったところでしょうか。

では、レースおいて潜在的な力が出る条件とは?極端な例を挙げると、もう走ることができない状態の中で、クマに遭遇したらどうしますか?

私だったら、一心不乱に猛ダッシュで逃げます。流石にレース中にクマに遭遇した経験はありませんが、海外レースで野犬の縄張りに侵入したことで野犬を怒らせ、必死になって逃げ回ったことはあります。

野犬に追われて感じたことは、疲労がピークの状態である中、なぜ猛ダッシュで走ることが出来たのか?ということです。その理由を考えてみると、心の持ち方に問題があると気づきました。

走れないと思っているのは自分の思い込みであること。その思い込みが原因で、本来動くべき体の可動域を狭め、力が発揮できない状態を自ら作り出していることを。

疲労がピークに達した状態になると、人間は自然と楽な方へと意識を持つように脳は作られていると思います。この状況に陥らないためにどうすべきか?それは、意識的に切羽詰まる状況に身を置くことだと思います。

先程の野犬でいうと、意識が野犬に襲われたくないという切羽詰まる状況へと変化したことで、無意識に体の奥底に眠ってた潜在的な力が出たものと感じます。
 

潜在的な力を顕在化させる

では冒頭の自分の力をコンスタントに発揮するためには?の問いに対する答え、それは潜在的な力を顕在化させることです。

潜在的な力を出す方法は、先程お伝えした通りです。潜在的な力を出す回数を積み重ねていくと、ふとしたタイミングで「自分にはこんな力があるのか!」という気づきを得ることがあります。

この気づきが実はとても大切で、他人と差別化できる自分の強みであることが多く、この強みを上手く発掘できるかがとても大切です。

また、この強みを数多く持てるようになると、これらを武器にレースに臨むことができるため、結果として心にゆとりが持てるようになる。心にゆとりがあることで、フィジカル面でも体が力むことが無くなり、本来あるべき体の動きが出来るようになる。

つまり、この一連の流れを通じて、自分の力をコンスタントに発揮できるようになります。

私自身これを意識して繰り返してきた結果、今ではどんなレースでもコンスタントに力を発揮できるようになりました。

しかし、今現在においても私にとって潜在的な力を顕在化させることは容易ではありません。海外へ頻繁に通っているのもそのためです。
 

海外は潜在的な力を発掘する最適な場

海外レースは、潜在的な力を発掘する最適な場所です。なぜなら切羽詰まる状況となることが国内と比べて圧倒的に多いからです。その特徴としては、コースの難易度と天候でしょうか。

海外レースの特徴は、日本と比べ標高2,000m以上の高所での開催が多いことです。標高に比例してコースも危険箇所が増え、また天候も同じく標高に比例して荒天となるリスクが高まります。

例えば、足を滑らせたら数百メートル滑落するテクニカルなコースであったり、真夏の時期でも標高が高いため気温が氷点下を下回ったり、雪になることがあります。日本では、このような状況下でレースが開催されることはありません。
 

Ultra Tour Monte Rosa
9月でも標高3,400mでは降雪の中を登る

 
このような状況でも、先程述べた野犬と同様な心理状態となります。疲労がピークであってもこの状況を回避するために、体の奥底に眠っている力を自然と利用するよう人間の体は作られていると、毎回レースに出るたびに実感します。

ここでは切羽詰まる状況を「危険」という視点で述べましたが、別の視点でも海外では切迫詰まる状況となることがあります。

私が経験した事例を一つあげると、ロストバゲージでしょうか。欧州でのレースで、現地の空港で自分の荷物を紛失し、ウェア・シューズ・装備品を現地で調達し、全て新調した中でレースに臨みました。

レース直前まで装備品を調達するという切羽詰まる状況でしたが、レースが始まってからは疲れや苦しさを忘れ、その一方で走れる嬉しさや喜びをレース中に常に持てたことで、自分の力を上手く発揮することができました。

□     □

自分が出来る範囲のことを繰り返しても、残念ながら潜在的な力を発掘することはできないと感じます。私が大切にしていることは、仕事を含め日常生活において、自分が出来ないことに積極的にチャレンジすることです。

PROFILE

ゆっきー | Yukihisa Nakamura

海外のトレイルレース延べ2000km
本格的に海外を走り始めて4年、年500kmのペースで世界の魅力的なトレイルを駆け巡っています。
山本来の魅力を肌で感じることが好きで、有名な大会よりかはニッチでテクニカルなコースを選びがちです。
Swisspeaks 360km(Walker's Haute route)、UTMR 170km(Tour Monte Rosa)など完走。
2020年も日本で知られていない世界各国の魅力的な山・トレイルに出逢うこと。

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