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2021年4月21日

ゆっきー

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目的と手段の明確化

昨年、レースに参加された方は少なかったと思う。今年は予定通りに開催されるか不透明だが、私を含めて多くの方がレース開催を心待ちにしているのではないかと思う。その一方で、トレイルランやランニングから遠ざかっている人もいるのではと思う。

私はというと、コロナ渦においても月平均200km走り続けているが、トレイルランをする機会は極端に減っている。今年でいうと実はまだ山に一度も行っていない。

その要因として、この目先〜1年先にレースを控えてないことがあげられる。仮にレースが開催されても、海外渡航が障壁となりレース参加は難しいと感じている。

昔であれば、仕事の合間を見て休暇を取得し、海外のレースに参加していた。そのため、半年〜1年前に事前エントリーをしたレースに参加することは少なく、ほとんどがレースの直前にエントリーを行い、参加するというスタイルであった。

例えば、19年に参加したニュージーランドの100マイルレースでは開催の3週間前にエントリーを行い、そこから急ピッチで航空券、ホテル、現地の移動手段などの手配を行った。

但し直前にエントリーをして参加するのはいいが、その反面、体を仕上げる準備期間が短いという欠点がある。この欠点を解消するために、私は年間を通じいつでもレースに参加できるように体を準備していた。

だが今の状況をみると、すぐにレースに参加できる状況にないため、今は無理にトレイルの練習をする必要はないと考えている。今後、海外渡航が可能となりレースが開催される機運が高まれば、レースに向けたトレーニングを再開するだろう。

でもここまでレースが開催されない状況が続くと、モチベーションが低下してしまうのが一般的である。しかしながら私はコロナ期間中においてモチベーションが低下することは一切無かった。

もしモチベーションが低下していたら、既にRBRGでこのようにブログを書いていないと思う。私がモチベーションを維持している背景をお話したい。
 

目的はレース完走ではない

私の生活におけるトレイルランの位置付けは、目標達成のための手段であって目的ではない。具体的にいうと、レースを完走することを目標としているのではない。あくまでも目標達成の手段としてトレイルランを捉えている。

レースを完走することを目標としてしまうと、レースが中止・延期となった場合にどうしても目標を失ってしまう。その結果、モチベーションがどんどん低下し練習量もどんどん減っていく。

この原因の本質は、トレイルランを通じて自分が何を得たいか明確に定まってないことだと思う。これはトレイルランだけに限った話ではなく、スポーツ全般に言えることだと思う。

例えば、スポーツを”すること”を目的とすることや、何の目的なく”とりあえず”でスポーツを始めても、だいたい三日坊主で終わってしまうことが多い。

ちなみに私がレースに出る目的は、レースを通じて自分の限界にチャレンジし、自分の能力を顕在化、可視化させることである。この目的のため、自分の限界に挑めないと感じるレースは基本的に選ばない。その結果、難易度が高いレースばかりを選んでしまう。
 

きっかけは高校時代の野球

私がこの価値観を持つようになったきっかけは、高校時代までさかのぼる。その当時の私は野球部に所属していた。そこでお世話になった監督からは試合に勝つことではなく、人としての成長を教えられたことが大きい。

一般的に野球部の目標として、県大会ベスト4や甲子園出場などをチームの目標として掲げる。しかし、我々のチームは結果的には甲子園に出場したものの、チームとしてこのような目標を掲げることは無かった。

監督からは、高校野球という場を利用して自分がどう成長したいのか常に考えさせられた。ここまで監督の教育方針が印象に残っているのには理由がある。

それは、高校3年の夏の県大会まで一度もレギュラーになれなかった部員が、最後の夏の甲子園でベンチ入りしたことだ。その部員は、野球のスキルでは全部員の中で平均以下であった。しかし監督はベンチ入りメンバーを野球のスキルではなく人としての成長を基準として選んだ。

その部員の成長は、私を含め他の部員からみても目を見張るものがあり、監督の決断に対して不満を口にする部員は誰一人いなかった。このように試合の勝ち負けや野球の技術で人やチームを評価するのではなく、人としての成長を評価する監督の考えが今でも私の価値観の基礎となっている。
 

やることすべて目的を明確にすること

私自身がトレイルランをする機会が減ったからといって、家でゴロゴロすることが増えたわけではない。先程述べた自分の能力を顕在化・可視化すべく、トレイルランではなく別の手段を利用して、その目的達成に向けた様々な取り組みを行っている。

私はもうトレイルランをやらないわけではない。以前のように何の障壁もなく海外レースに参加できるようになれば、恐らく私の中でトレイルランをする優先順位が高まり、積極的にレースに参加するだろう。

やることすべて目的を明確にすることが大切だと思う。それをクリアにすることで、無駄な投資が減り時間とお金を削減できるかもしれない。また、目的が言語化されることで、家族や身内からのより一層の理解を得られるかもしれない。

「トレイルランをすべきではない」と私は決して言っているのではない。トレイルランを頑張ると決めていても、一度時間を作ってトレイルランをする目的を俯瞰して考えてみるのもありだと思う。

そうすることで、コロナ渦で山に行くことができないと嘆いている人は、山ではなく別の手段を使って練習するアイディアが浮かぶかもしれない。またモチベーションが低下した人は、目標が定まり再びやる気スイッチが入るかもしれない。

PROFILE

ゆっきー | Yukihisa Nakamura

海外のトレイルレース延べ2000km
本格的に海外を走り始めて4年、年500kmのペースで世界の魅力的なトレイルを駆け巡っています。
山本来の魅力を肌で感じることが好きで、有名な大会よりかはニッチでテクニカルなコースを選びがちです。
Swisspeaks 360km(Walker's Haute route)、UTMR 170km(Tour Monte Rosa)など完走。
2020年も日本で知られていない世界各国の魅力的な山・トレイルに出逢うこと。

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