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2021年12月8日

きよ

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ランニングと本の話 #2 コミュニティの不思議なパワー

(本のお知らせも最後にあるのでご覧ください!)

こんにちは。

前回、ノックス・ロビンソンやマヤ・シンガー、リッキー・ゲイツが話していた「目じるし」について書きました。

あれからノックスは、ボストンマラソンを颯爽と駆け抜けていました。身近なところでは、友だちがFTR100ではじめての100キロを完走しました。みんなが自分なりの「目じるし」を楽しく通過しているようです。

いっぽうで、この秋は自分にとってつらい時間でした。KOUMI 100を走ったものの、結果は怪我でリタイアでした。「目じるし」のことも知っていたのに情けない!

涙に暮れていましたが、ようやく怪我も治りました。仲間のハルに「走ってください」とカツを入れられて、来年に向けてコーチとともに出直しているところです。

トムとマックスのこと

そんな日々に考えたのが、LAでランニング・ギアとマインドフルネスのブランド「District Vision」を運営するトム・ダリーとマックス・ヴァロットのことでした。

左:マックス 右:トム 写真:チャドウィック・タイラー

トムとマックスは、2009年にイングランドとドイツからNYCにやってきました。そして、クリエイティブなファッション業界で仕事をすべく、アクネやサンローランで働き始めます。

でも、彼らの日々は「全然クリエイティブじゃなかった(Gear Patrol, 2018.6.19)」。2人は夜な夜な飲み歩き、調子を崩します。ひどいストレスでトラウマになるような出来事もあったようです(多くは語りませんが”悲劇的なこと”があり、気分が沈んだようです。)そして何よりも「押さえつけられているように感じ」「充分に誰かの役に立っていると思うことができなかった」と言います(Morning Shakeout Newsletter. 2017.11.14, 以下同)。

病む、という経験だったのだと思いますが、およばないなりに想像してみると、身につまされます。

「District Vision」は身体と心とコミュニティのために

そんなある日、2人は「Black Roses NYC」と走ったり、メディテーションをしたりするようになりました。たくさんのランナーが経験したように、彼らも誰かと一緒に新しい居場所を見つけ、身体と心が少しずつ回復していきました。ナイトライフよりも朝から走るようになり、仲間と再び街を発見していく楽しみにすっかり魅了されるようになります。ブルックリンもセントラルパークもハーレムも。以前と同じ場所を走っていても、2人には新しい景色が広がっているように見えました。

そんな日々を経て、2015年のある日、トムとマックスが仕事を辞め「これでやっていく」と始めたのが「District Vision」です。

トムは、「(これは)ランニングへの愛と情熱が詰まったプロジェクトなんです」と教えてくれました。良いときはみんなで楽しく、悪いときも専門家や仲間で分かち合って心を軽く。トムとマックスは、ランニング・ギアだけではなく、マインドフルネスやヨガのプログラムを通して心身両面からランナーをサポートする稀有なコミュニティをつくりました。

「District Vision」の初期のビジュアルイメージは、写真家のチャドウィック・タイラーによるものでした。コミュニティに宿る熱とパワーが写っているように思えます。これを見るたびに、「目じるし」が見えなくなったり怪我をしたり凹むことがあっても、誰かと手を携えて走れば回復できると確信します。

大阪なおみ(テニス、全仏オープン2021)やシモン・バイルズ(体操、東京五輪2020)といったトップアスリートたちが、「心の不調」を公表しました。トレイルコミュニティに身近なところでは、ウェスタン・ステイツのドキュメンタリー『Unbreakable』でも有名な名ランナー、ジェフ・ローズも、長年にわたって原因不明の心身の不調とともに生活しました。トップアスリート以外にも、たくさんのランナーや、仲間の誰かが知らず知らずのうちに「無理」をしているかもしれません。

そんな時に何をすれば良いのか、「District Vision」や先をゆくランナーのみんなの姿から学ぶことが多い昨今です。

ではまた!

きよ

(#3に続く:次回は、そんなトムたちと一緒に初邦訳することになった本(12月18日発売!)、『ほんとうのランニング』Beyond Jogging : The Innerspaces of Running マイク・スピーノ著についてのトピックスです。お楽しみに!)

お知らせ

  • 12月18日発売『ほんとうのランニング』マイク・スピーノ著翻訳は『BORN TO RUN 走るために生まれた』(NHK出版)を世に出した近藤隆文さんですご予約はAmazon楽天ブックスで。全国の書店でも手に入りますのでぜお問い合わせを。
  • 銀座 蔦屋書店では、発売日翌日から『ほんとうのランニング』刊行フェアも開催します。木星社が選書した古今東西のランニングの名著が勢揃いします。
  • DogsorCaravanでの書評・レビューはこちらから。

ちなみに、Run boys! Run girls!クワバラさんか、木星社 mokusei publishers までお問い合わせとご注文をいただければ、スペシャルプレゼントが当たるかもしれません(クワバラさんとこれから相談します(!!)😀)

もうひとつお知らせ

  • ポッドキャスト番組はじめます!
  • 『木曜日(仮題)by mokusei publishers 』と題し、「District Vision」の初期のビジュアルにも登場していたランナー/DJ/モデルのLono Brasil IIIをはじめ、サーファーのKOTA WATANABE、編集者、研究者、アーティスト、ランナーなどさまざまなゲストを迎えてお送りするポッドキャストを計画中です。ランニングや音楽、本、ファッション、旅、自然、スポーツなどたくさん語ります。兄貴分クワバラさんも出てくれると思います。お楽しみに。

ではまた。

PROFILE

きよ | Kiyo Fujishiro

藤代 きよ
木星社(mokusei publishers)で、
スポーツと旅と自然についての本を作っています。
Taraweraや信越五岳トレイルランニングレースを走りました。
Cilan 100で、テイシュさんたちと珍道中をしました。
ポルトガル人の道(スペイン)にいきました。
web : mokusei.pub

WEB: https://www.mokusei.pub

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