負けたチームに勝ったチームがビールを奢るカーリング
極北の地、ドーソン・シティはすでにマイナス40度の世界。朝日が登るのが12月4日現在で午前11時46分。アート学校の授業が真っ暗な中スタートするのが未だに慣れない(そして眠い)。寒すぎて外に出るのも億劫な日が多々あるけれど、先月からランニングに変わり、カーリング始めました!

カーリングってオリンピックでしか観たことなく、正直興味が湧いたこと今までなかったんだけれど、ここドーソン・シティでは人気スポーツの一つ。町中にカーリングのリンクがアイスホッケーのリンクと一緒に併設されていて、毎日様々なプログラムが組まれている。私が参加しているカーリング・リーグは週に1回他チームと対戦する。

リーグ戦の期間は11月から3月末までで、料金は一人につき$75(6500円)。私はクラスメイト4人とチームを組んで毎週月曜日の学校終わりにカーリングを楽しんでいる。未経験者もウェルカムで、アイスリンクが開いてからすぐに未経験者のためのカーリング講習会があり、参加してきた。

レクリエーションセンターのスタッフがめっちゃ元気に2時間みっちり指導してくれる。ストーンの投げ方、スイーパーと呼ばれる箒みたいなブラシでアイスリンクを磨くテクニック、ストーンが真っ直ぐ遠くまで行くようにする練習などなど基本的なルールからアイスリンクの清掃の仕方まで教えてもらえるフルコースだった。
たった1回の練習で次の週にはすでにリーグ戦がスタートすると聞き、全員カーリング初心者(というか未経験)の我がチームは「大丈夫なんか?」という不安がよぎったけど、講師の人が最後に夢のような言葉を放った。
「あ、ちなみにここドーソンのカーリング・リーグは特別なルールがあって、勝ったチームが負けたチームにドリンク(お酒でもフリーアルコールでもどっちでも)を奢る、さらにリンクの掃除も勝った方が行うしきたりになってます」
なぬ!!!!!つまり私ら毎週ここに無料のビール飲みに来るってことやん…!笑
その言葉を聞いてからチーム全員めっちゃやる気が湧いてきて、「負けよう!」とまではいかないけど、肩の力ががっつし抜けた。事実、今現在毎週全敗で、「月曜日はカーリング」というより「フリービールを嗜む月曜日」という感じのスタンスでスポーツを楽しんでいる。このリーグをやってていいなぁと思うのが、対戦するチームの人たちは経験豊富な人たちがたくさんいて、いろいろアドバイスをくれること。

あとカーリングってランニングと違って体力勝負というより、集中力の頭脳戦みたいなところがあるのが面白い。これは今までやってきたスポーツにはない新鮮さ。特にドーソン・シティは真っ暗で極寒の冬が続くから、カーリングはソーシャライズするためにめっちゃ機能している。

お酒を奢るルールも、対戦後みんなラウンジでゆったりおしゃべりしてから帰るのに一役買っている。他のチームを見ていても、対戦前にちょっと早くきてみんなでお茶飲みながらおしゃべりしているチームもよく見るし、このアットホームなスポーツがすでに好きだ。

スポーツが人々の集まる場所を作り、助け合ったり、笑い合ったりできる「場」を作ることのありがたみをドーソンにきてから強く感じる。長い冬がまだまだ続くし、太陽の光が足りなくて憂鬱になるともよく聞くけれど、今の所スポーツのサークルに入っていれば大丈夫なんじゃないかという気がしている。