スポーツとの関わりの多様性
スポーツのお勉強をすると必ず習うのが関わり方についてです。
「する」「見る」「支える」それぞれの関わり方がありますという話しです。トレイルランニングについても整理してみます。結論としてはそれぞれがバランスよくいないと成立しないという話しです。白くま隊は救護担当として支えること立場での関わりが多いのですが広くとらえて成り立ちを考えてみます。
する
レース参加・アクティビティとしてのトレイルラン
個人やチームなど縛りがないコミュニティとして成立している
レース参加は順位やタイムを競う競技志向が強い方と未知のレースに挑戦したい方など目的は幅広い
見る
UTMBやUTMFなど大きなレースでは映像化されるようになった。トレイルランニングを知らない方々には、他のプロスポーツのように知っている選手がいるわけでもなく、レース展開など分かりにくく見るスポーツとしての楽しみは少ないかもしれません。大自然の迫力と冒険という性質が強いようです。
最近ではYoutubeでの配信やリアルタイム順位速報などもありロングトレイルでは現地に応援にいかなくても見ている気分で応援しやすくなりました。現地での応援でも選手の現在位置を確認出来ることによってエイドサポートや応援もしやすくなりました。応援の方が一昼夜待ったのに選手のフィニッシュに気が付かなかった!なんてことも以前はよく見かけました。
支える
大会主催者・各種業者(計測・設営・音響・救護etc)ボランティアスタッフ
スポンサー(メーカー・個人)トレランショップ・メディア
スポーツ医科学専門家(医師・治療家・トレーナー・栄養・心理etc)
最近ではクラウドファンディングなど選手個人の活動を支援する形も変化してきています。
スポーツ業界はボランティアに依存した運営が習慣となっていて非常に不安定に感じます。翌年のエントリー優先権などもありボランティアが人気なレースもあるようですが、毎回少数精鋭で運営しているレースもあるようです。
するという関わり方だけですと、何となくレースには出なくなってトレランコミュニティに関わらなくなってしまう方がいるのも事実です。競技志向が強い選手は勝てなくなれば走らなくなります。するスポーツだけではなく、年に一回のボランティアスタッフでも仲間に会えたり、レース以外でも走りにいったりと関係性は繋がっていくはず。そんなコミュニティづくりがトレラン業界では大事な役割を担っているように感じています。
日本のスポーツは部活動として実施していることが非常に多く、競技志向も強いです。部活動を引退して進学することによりスポーツ環境から離れるのでスポーツからは遠ざかります。テレビやリアルな試合観戦が成立するスポーツではファンという形になることも多いですが見るスポーツが弱いトレランは走らないけどファンというケースは稀です。ファンが少ないとスポンサーが付きにくいという影響もあります。
する・見る・支えるという3つの関係性がバランスよくないと文化として定着はしにくいと言われています。どこかが欠けてしまえば業界として成立しません。
選手として走るだけではなく、楽しみとしての山の旅、時にはスタッフとして大会を支えたり、走らなくても好きな選手のスポンサーブランドを購入したり。色んな関わり方を楽しめるトレラン業界であったら長く楽しめるアウトドアスポーツ文化として定着するのではないかな。