そんなこともあったよね 低体温症その1
アウトドアスポーツイベントを中心にサポートをしている白くま隊としては、2020年は静かな一年でありました。2020年は今までやってきたことを振り返る期間として、2021年は前に進んでいきます。まだまだ大きなイベントは難しい時代が続きそうですが安全管理に関わる情報発信は継続していきます。レースがなくてもアウトドアアクティビティに取り組む方々は多くいますので、お役に立てる情報を書き残して行きたいと思います。
10年以上トレイルランニング救護仕事をしていると多くの症例と向き合います。成功は真似しても誰でも再現が出来るわけではありませんが、失敗は真似をすると誰でも同じ失敗を起こします。大事なのは失敗から多くを学び、同じような失敗を起こさないこと。他人の失敗からも学んで行きましょう。
今回紹介するテーマとして「低体温症」です。寒い時期はもちろんですが山では夏場のレースでも発生しています。そのメカニズムは分かりやすいブログがこちらにありますので未読な方は是非こちらご覧下さい。もりもり先生に感謝です!!
低体温症にてヘリ搬送症例
スタートの時から雨風が続くレース。レース後半の風が強い尾根にて額から出血している選手がレースを継続していたそうです。ボランティアスタッフの「額から血が出てますよ」という声に反応して、その場で出血処置をしだしたところ、寒さに震えだして山小屋に避難したものの、お湯を沸かせる準備もない山小屋で全身の痙攣(シバリング)継続。歩行不可能と本部で判断して119番通報後ヘリ搬送にて救助されたとのことです。
もし自分がその選手だったら、その場にいたボランティアスタッフだったら
どうしましたか?
■下山して処置をするようにする。
■自分で対応するにも山小屋など風を回避出来る場所にする。
■立ち止まる時はウェアを着るようにする。
回避方法はいくらでもあります。逆に言うと少しの判断ミスが大きな事故に繋がるということです。疲れてきつい時、体調不良時、制限時間に追われている時など判断を誤るケースもあることでしょう。落ち着いた時に対応方法を決めて習慣化することが山での対応力に繋がるのではないかと思います。
自分は平気でもたまたま怪我をしたハイカーに遭遇したとか
仲間が足を捻って走れなくなったなど
同じような状況になる事例は多くあります。
今後もこんな症例共有していきます!!