アカウント カート
商品を探す

BLOG

2019年8月9日

クワバラ クワバラ

0

会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」の紹介〜遭難について改めて考えよう

Run boys! Run girls!では、2019年8月より会員制捜索ヘリサービス、COCOHELI(以下、ココヘリ)の取り扱いをはじめました。

ココヘリの詳細はオフィシャルサイトに詳しく掲載されているので、そちらも是非見てほしいですが、Run boys! Run girls!でもココヘリがどんなサービスか、なぜ導入するのかをご説明しておこうと思います。
 

ココヘリ取り扱いのきっかけ

今年7月に開催された、「The 4100Dマウンテントレイル in 野沢温泉」において、レース中に参加者が遭難し、今現在(2019/8/7)も見つかっていません。コース上にスタッフのいるレース環境下での遭難はとてもショッキングな出来事でした。と同時に、お店として今後のトレイルランナーの遭難のリスクを少しでも下げるための努力が必要だと思い、遭難時の捜索を大いに助けてくれるサービス、ココヘリの取り扱いを始めることとしました。
 

ココヘリとはどんなサービスか?

会員制捜索ヘリサービス

ココヘリは会員制捜索ヘリサービスです。入会金(3,000円)と年会費(3,650円)を支払うと、会員証=高性能電波発信機が送られてきます。この発信機は、電波干渉に強い周波数帯の電波を発信し、最長16km先(専用ブーストアンテナ使用時)から発信機の電波を捉える事ができます。

一方、ココヘリ受信機を携行したヘリコプターネットワークが全国に展開されており、遭難者の居場所を素早く正確に把握、救助組織へ引き継ぎます。会員は、ヘリ出動1事案につき3フライト(約9時間分)まで費用負担がかかりません(民間のヘリが飛ぶ費用の目安は約1分1万円と言われています)。 また、ココヘリ単体で捜索活動をすることはなく、警察や消防と連動した捜索が行われます。

ちなみに先日、「現在、山小屋の荷揚げを担っているヘリコプターがかなり不足していて、そのことが山小屋の経営を圧迫、ひいては日本の山岳文化にも影響を与える」という記事を見ました。そのような状況下で、ココヘリにおいてヘリコプターの確保は大丈夫なのか?という質問をしたところ、ココヘリで使用するヘリは荷揚げで使用するものより小型で、現状ではヘリの確保とすぐ飛べる体制に問題は無いとのことでした(荷揚げ用のヘリが不足している問題に関しては今後の改善を願うばかりです)。

なお、ココ”ヘリ”と名乗ってはいますが、悪天等でヘリが飛べない場合は警察や消防などの地上捜索部隊が受信機を持って出動することもあります。

ご家族のためにも

山での遭難者を捜索したが発見に至らない場合、その遭難者は「失踪者扱い」となります。失踪扱いになると、死亡認定が下りるまでの7年間もの間、そのご家族は生命保険金、住宅ローンの債務弁済を受け取ることができません。遭難で失踪扱いとなり長期間会社を欠勤すると、無断欠勤を理由に解雇され、退職金が支払われないケースがほとんどとのことです。

遭難して命を落としてしまうなどという事態は決して起こってほしくないですが、最悪の最悪が起きた時のご家族の事を考えても、ココヘリに加入することで発見の可能性を上げる意味はあるのではないかと思います。

最大1億円の個人賠償責任補償

ココヘリ加入には遭難時の捜索以外にもう一つメリットがあり、それがこの最大1億円の個人賠償責任補償です。

山中で他人の物を傷つけてしまった!
壊してしまった!!
山行中やレース中、人に怪我をさせてしまった・・・・

こんな時の為の補償で、アウトドア活動中に起きた対人・対物事故に対し、1億円までの個人賠償責任補償がつきます(他人の身体の障害、または他人の財物の破損に関する賠償責任に限ります)。

また、登山用品の破損・盗難事故を最大3万円まで補償する物品補償も同時に付いています。
 

ココヘリ使用で注意すべき点

ココヘリはとても便利なシステムですが、使用に際して注意すべき点もあります。

充電が必要

発信機は2時間のUSB充電でスイッチONの状態を約2ヶ月持続可能です。しかし、電池切れの場合は当然作動しません。いざという時に電池切れとならないように注意してください。また、スイッチの入れ忘れを防ぐ為に自宅を出る時に電源をONにしておきましょう。

発信機は通常の電源が入った状態で緑のランプが点滅、電池残量が少なくなるとオレンジのランプが点滅します。

水に対する注意

加入者が持つココヘリ発信機の防水は生活防水レベルなので、雨天などが予想される場合には、ジップロックに入れるなどしましょう。

また、発信機から出る電波は水中は通らず、水中に落ちてしまった場合に捜索が困難になるのと、胸ポケットに入れていて、うつ伏せに倒れてしまったような場合でも水分の多い身体を電波が通り抜けず電波の強度が悪くなるそうです。

捜索要請が必要

実際に遭難した際、発信機にあるボタンを押したら自動でヘリが飛んでくるようなことはありません。本人、または家族からの捜索要請を受けて初めて捜索が開始されます。携帯が通じる場合には先ず110番通報をして下さい。

また、遭難した際に運良く携帯の電波があればいいですが、電波がない場合や、滑落して意識を失うなど、自ら捜索要請を出せない場合もあります。登山届の提出、家族との予めの約束ぎめ(ココヘリのIDも家族とシェアしましょう)などをしっかり行うことで、周囲が万が一の際に速やかに動ける環境を作っておくことが大事です。

登山届は、電子登山届「Compass(コンパス)」がおすすめ。登山届にココヘリのIDを書く欄もあります。

山岳保険への加入は必須

先に「ココヘリに入会すると最大1億円の個人賠償責任補償がつく」と書きましたが、この補償は山岳救助にかかった費用には適用されません。ココヘリのサービスで3回(約9時間)のヘリ捜索は確約されていますが、それ以外に民間の捜索協力隊が警察等と一緒に出動した場合は遭難者に民間分の捜索費用が請求されます。

ココヘリですぐに位置特定が出来ても救助組織ヘリ(県警・防災)が現場に向かう際に天候変化でヘリが飛べない場合などは、民間協力隊の加わった地上部隊が出動することもあります。

また、ココヘリは発見を100%保証するものではありません。捜索が難航・長期化する場合には民間捜索組織への捜索依頼をする場合もあります。

よって、ココヘリに加入していても、山岳保険やJRO(日本山岳救助機構‎)などには必ず加入しましょう。

ココヘリは捜索専用

ココヘリは直接の救助活動は行いません。位置座標を確認して警察や消防などの救助組織へ引き継ぎ、実際の救助活動はその後来る救助組織が行います。

ただし、現在全国33都道県の警察航空隊・防災ヘリが専用受信機を導入しているため、そちらのヘリが先に飛んだ場合は、発見から救助まで同時に行われます。

このように、ココヘリはただ加入すればOK、ただ発信機を持っていればOK、というサービスではありません。加入者の遭難に対する備えがあってこそ、効果を発揮するサービスです。
 

遭難に対する備え

それでは、遭難に対してはどんな備えが必要でしょうか?以下にまとめてみました。

1)山に入る以上遭難のリスクが有ることを肝に銘じる

今回、一見安心に思えるレースでの遭難が起こりましたが、過去にもコースガイドに載っていたトレイルを走っていたランナーが遭難したり、行き慣れたコースを走っていて装備も十分だったランナーの方が、顔をブヨに刺されて視界を奪われ遭難しかけたというケースもあります。つまり油断大敵ということです。今一度、山において遭難は意外と身近にあるということを認識しましょう。

あと、お時間があれば是非読んでいただきたいのが以下のブログです。

「そして滑落」

福岡のアウトドアショップGRiPSのオーナーさんが山行中に大規模な崩落にあい滑落、その後救助されるまでの55時間の事を克明に綴っています。

今回の私の起こした事故、これは防げたのであろうか?
とても身体能力の高い人ならばこんな事にならないのか?
いや自然相手に100%大丈夫なんてことはあり得ない。

そうなんです、このブログをみて頂いている全ての方に起こりうることなのです。
いつものあの山に行く時も、
その裏山へ行く時も、
いつも、
ずっと忘れずに、
この事故を思い出して頂くだけで、
事故が1件でも防げれば幸いです。

2)緊急時に備えた装備を持つ

レインウェア、ライト、エマージェンシーシート、地図、コンパス、ホイッスル、予備の行動食などを軽視せずにしっかり持参しましょう。また、ココヘリ発信機の電源が入っているか、電池の残量があるかの確認も事前にしましょう。

3)オフラインでも使用できるGPSアプリの利用

山の中では電波が通じないところも多いですが、スマートフォンにオフラインでも使えるGPSアプリを入れておきましょう。行くエリアのマップは、事前に電波のある場所でダウンロードしたり、携帯に記憶させておくことが必要ですが、これらをすることで自分の山行のイメージがより明確になります。また、ログを記録しておくことで、自分が来た道や方向もわかりやすくなります。多少重さは増しますが、スマートフォンの予備バッテリーも忘れずに。

なお、先程紹介した電子登山届サービスのコンパスでも、登山届の提出とGPSマップ双方の機能をもったアプリを提供しています。

また、GPSウォッチでマップ機能を備えているものを持ちながら、意外とその機能を使ってないランナーの方も多い印象がありますので、この機会にご自身がお持ちのGPSウォッチでどんな事ができるのかを見直すのも良いかと思います。
 

4)それでも迷ったら

電波が繋がる位置であればまず警察に電話をしましょう。GPSの位置情報が警察に行きます。続いて、ココヘリのコールセンターに連絡です。電波が通じず、行動をせざるを得ない場合、「来た道をもどる、上に登る、沢に降りない」などの原則がありますが、状況によってはあまり自分を過信せず、捜索を待つ方がよい場合もあります。また、先程紹介したGRiPSのオーナーさんのように、怪我で身動きがとれない場合は捜索を待たざるを得ません。ただし、そのような状況で速やかに捜索をしてもらうためには、次に上げる周囲との連携や予めの情報共有が重要になります。

5)周囲との連携

遭難者本人から捜索依頼ができない状況においては、事前の周囲との情報共有が捜索の初動を早める鍵となります。家族や親しい人に登山計画やココヘリIDをシェアしておき、「〜〜までに連絡が取れなければ、警察(ココヘリ)に連絡」というような約束事を決めておきましょう。警察の捜索届の受理は登山届の提出の有無によってかわりますので、入山前に登山届もしっかり提出するようにしましょう。前述の通り電子登山届コンパスがおすすめです。
 

Run boys! Run girls! でできること

ここからは、RBRGが取扱店になったことでできるようになったことを紹介します。

ココヘリの加入

店頭ではこのような入会キットを販売しております。ココヘリの入会金は通常3,000円ですが、店頭では常時2,000円で入会することができます。

専用サイトよりキットに書かれたIDを入力して決済をすると入会完了となります(入会には原則クレジットカードが必要となります)。入会キットには発信機はついておらず、加入完了からご自宅に発信機が送られてくるまで数日かかりますので、実際の山行に行く1週間くらい前までには加入をしておくのが良いと思います(間に連休やお盆などを挟む場合はもう少し余裕をみてください)。

なお、加入に際しては必ずしもRun boys! Run girls!の店頭である必要はないと考えています。ココヘリオフィシャルサイトお近くの取扱店など、それぞれご自身の加入しやすい方法で加入してください。山岳保険に加入されている方は、自身の保険がココヘリに対応した割引プランを展開しているかをココヘリサイトにてご確認してみてください。例えばJRO加入者はココヘリ入会金が無料になるキャンペーンを利用することができます。

実際の使用に際してのレクチャー

ネットで加入した場合、テキストを読んでも実際の使い方が分かりづらい場合もありますよね。その場合はご来店いただき店頭スタッフにお尋ねいただければ、ご質問にお答えさせていただきます(他店舗で加入されていてもご遠慮無く相談いただいて結構ですが、メールなどオンライン上での質問に関してはココヘリさんに直接ご質問ください)。

動作チェック

Run boys! Run girls! には実際の捜索時に使用されるココヘリ受信機を用意していますので、発信機をお持ちいただいて、自分の発信が作動しているかをご確認いただくことができます。自分の発信機が作動しているかどうか不安だったり、実際にココヘリがどの様に作動するかをご確認いただきたい方は、ご自身の発信機をお持ちの上ご来店ください。

 

今後について

今回、Run boys! Run girls!ではランナー個人の遭難に対する取り組みの提案をしましたが、現時点でココヘリさんに対して大会主催者からの問い合わせもいくつかあるそうで、今後は大会側でもココヘリ発信機を必携装備化したり、大会期間中にレンタルする方法を取るところが増えてきそうです。尚、今年初開催の会津-那須越県ロングトレイルではココヘリを大会の必携品に定めています。

大会やイベント側でも発信機のレンタル対応のような取り組みをしていくのは良いことだと思うのですが、僕個人の意見としては、遭難のリスクは大会以外にも大いにあるので、できれば個人での加入が望ましいと思います(RBRGスタッフは全員加入しました)。いずれにせよ、今後トレイルランナーの遭難に対する意識が向上し、実際の遭難も減ることを願っています。
 

8月は店頭での入会金無料キャンペーン実施

8/31までに店頭での入会キット購入〜ココヘリ申し込みをされた方は、入会金3,000円分が無料になる(実質は入会金2,000円引き+初年度年会費1,000円引き)キャンペーンを行っておりますので、この機会にどうぞご活用ください。
 

8/21 ココヘリセミナー開催

8/21にココヘリの担当者である八木澤さんを福岡からお招きして、ココヘリセミナーを開催します。ココヘリの細かい使い方や運営理念や背景、遭難への備えなどについてお話いただこうと思いますので、ココヘリや遭難対策にご興味ある方は是非ご参加ください。

PROFILE

クワバラ

クワバラ | Kei Kuwabara

Run boys! Run girls! 店主。体重が増減しがち。その分ダイエット得意がち。現在、ファットアダプテーションを取り入れて体重を落としつつ、脂肪の燃えやすい身体を作っています。また、2020年に何かの大会で10位以内に入るプロジェクト」通称「にな10」を立ち上げ、パフォーマンスをあげています。UTMF、UTMBや、Pine to Palm(Oregon / 100mile)、OMM (UK)などを完走しています。

PICK UP

RELATED POST

商品を探す
閉じる