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2020年5月27日

ユウタ

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プライオメトリックトレーニングのススメ

相変わらず広島の実家でニートしてるユウタです。家事しなくて良いし楽だなぁと思ってましたが約2ヶ月が経過しさすがにこのままだと社会復帰出来なくなるんじゃないか?と若干不安を感じ始めましたw ちなみに今後に予定はオンライン申請したビザが発行され次第航空券を取りカナダへ渡航します。(来月のブログはカナダから更新してますように…)

ランニングエコノミーとは

以前ランニング×筋トレの記事を書かせて頂きましたが、今回は筋トレ(ストレングストレーニング)と共にランニングエコノミーを向上させると言われているプライオメトリックトレーニングを紹介させて頂きます。

まずランニングエコノミー(RE)とは、

Running economy (RE) is typically defined as the energy demand for a given velocity of submaximal running, and is determined by measuring the steady-state consumption of oxygen (VO2) and the respiratory exchange ratio.

Factors Affecting Running Economy in Trained Distance Runners

“(最大スピード以下の)ある速度における酸素摂取量 ”  

ランニングエコノミーが向上する事で同じ速度でも少ない酸素摂取量で走れる、つまりより楽に走れるということになります。同じ最大酸素摂取量(VO2max)のランナー2人が走るとランニングエコノミーが高いランナーの方がより速く、楽に走れるということになりVO2maxLT(乳酸性代謝閾値)と共にパフォーマンスに影響する3要因の一つと考えられています。

トレイルランニングにおいては基本的に平地を走るマラソンやトラック競技と比較して大きなアップダウンや段差などによる走り方/動きの変化もあるためランニングエコノミーやVO2max、LTの3要素以外の要素もパフォーマンスに大きく影響すると思います。特に傾斜の強いテクニカルな下りは推進力よりも、いかに障害物をかわしたり段差を降りつつもスピードを殺さずに身体をコントロールするかというスキルが大事になってくると考えています。

…とは言えトレイルランニングレースでも平地や上り、走れる下りなどが占める割合は高く、ランニングエコノミーを向上させることによる恩恵は大きいと思います。

プライオメトリックトレーニングとは

ランニングエコノミーを向上させる方法の1つにプライオメトリックトレーニングというものがあります。

プライオメトリックトレーニングとは、素早く筋肉が伸ばされた(遠心性収縮)直後に伸長反射により筋肉を収縮させる(求心性収縮)ことで素早く強い力を出せるという性質を利用して強い力を出せるようトレーニングすることです。具体的には連続したジャンプや段差から飛び降り着地した瞬間にジャンプするなどいう動作になります。

ランニングも言ってみれば一歩一歩ジャンプをしながら前進しているようようなもの。その一歩をより強く、効率よく行うことでストライドが伸び結果的にスピードアップに繋がります。

また、大きく全身を使って動く種目もあるため、脚だけでなく上半身や体幹部など全身を使ったダイナミックな走りができるという効果も期待できます。

プライオメトリックトレーニングとランニングに関する研究

プライオメトリックトレーニングとランニングの関係を調べた研究をいくつか紹介します。

a 6-week plyometric programme led to improvements in 3-km running performance

The Effect of Plyometric Training on Distance Running Performance

“6週間のプライオメトリックプログラムを行うことで3km走のパフォーマンスが改善した”

adding at least three sessions per week of  strength, explosive and plyometric exercises in the normal endurance-training programme may decrease the cost of running.

Effects of Strength, Explosive and Plyometric Training on Energy Cost of Running in Ultra-Endurance Athletes

“最低週3回(12週間)のストレングス・爆発的・プライオメトリクストレーニングを持久的トレーニングに加えることでランニングコストが低下した”

他にもプライオメトリックトレーニングに関する多くの研究が行われており、近年はストレングストレーニングと共にランニングエコノミーを向上させるために重要なトレーニングの一つと考えられています。

プライオメトリックトレーニングの進め方

注意点

まずはじめにプライオメトリックトレーニングは着地衝撃の強いトレーニングであるため、現在痛みや違和感がある方は行わないこと、そしてランニング歴が短い方や最近運動習慣がない方は短い回数から、時間をかけてゆっくり進展させていく事が大切です。

また、衝撃を少しでも軽減させるために屋外では芝生や砂の上、また室内では衝撃吸収用のマットの上などで行うことで関節への負担を軽減させる事ができます。

プライオメトリックトレーニングの例

以下紹介する運動を週に2〜3回継続して行うことでトレーニングの効果が期待できます。回数/セットの目安を記載していますが経験や体力に合わせて調節が必要です。下に添付した動画内の運動順に紹介します。

アメリカの超大手アウトドアチェーンREI、ギア紹介のみでなくトレーニング動画も作っています。

1. ボックスジャンプ

30〜60cmのボックスや段差へ飛び上がります。1度沈み込みそこから素早く飛び上がります。その切り替えのスピードがトレーニング効果を出すために大事です。しっかり腕も振って全身で動くことを意識してください。
発展としてボックス上から下に着地してそのままボックス上に戻るトレーニングもありますが負荷が強いので慣れてきたら挑戦してみてください。10回3セットから。

2. ブロードジャンプ

先ほどと同様に一度沈み込みスクワットポジションから腕の振りも利用しながら前方へ大きくジャンプします。飛び上がるときはしっかり膝・股関節共に伸ばすこと、そして着地の際は膝・股関節を曲げて衝撃を吸収しつつもなるべく設置時間を短くする事が大事です。3回連続ジャンプを5セットから。

3. スプリットジャンプ

足を前後に開き後ろ足の膝が地面に近づくよう下ろします。そこからジャンプしつつ左右の足を入れ替えます。ランニング時の腕の動きをイメージして腕も前後に動かします。手と足が同じ動きにならないよう注意。笑 上半身が前後左右に倒れないようまっすぐ(やや前傾はOK、ただし背中を丸めないこと)保つよう意識してください。また、膝が外や内に入りすぎないよう気を付けてください。左右それぞれ10回3セットから。

4. スケータージャンプ

スピードスケーターの動きを意識して左右にジャンプしながら足を後ろでクロスさせます。着地の際に身体が流れないようコントロールしてください。左右の安定性を出すための唯一のエクササイズでトレイルランニングの下りで左右に障害物をかわしたりジャンプしながら進むイメージです。左右それぞれ10回3セットから。

5. タックジャンプ

スクワットポジションから両足でジャンプし膝を胸につけるイメージで足を引き上げます。腕も動かし全身の力を使ってジャンプします。着地の際は膝と股関節を曲げて衝撃を吸収し次のジャンプへ備えます。10回3セットから。

6. スキッピング

大きな動きのスキップです。腕もしっかり振り全身を使ってダイナミックに上&前方向へ動きます。セットによって上方向または前方向への動きを意識を変えても良いかと思います。特にトレイルランニングの登りの動きを改善したい方は上方向への動きが大事になってくるのでその割合を増やしてください。似た動きでバウンディングがありますが、よりランニング動作に近位動きで個人的にはこちらを行うことが多いです。平地から始めて、慣れてきたら上り坂で行うことで強度が上がります。15〜20mを往復して休憩し数セット。

https://twitter.com/YaMaTaRoo/statuses/1265587803275976704?s=20

美しい動きです。当然ですが自分とはキレが違いますね…

7. シングルレッグホッピング

片足ジャンプで前に進みます。15〜20mを往路/復路で足を入れ替え片足2セットずつ。左右の安定性を出すために左右にジャンプするオプションもあります。

8. バーピー

みんな大好きバーピー。かなりキツい全身運動です。スクワットポジションから手を付き足を後ろに伸ばし腕立て伏せ、足を引き寄せ手を上に伸ばしながら上へジャンプ。全身の筋トレ&心肺機能を高めるエクササイズになります。10回2セットから。

おまけ

誰しもが子供の頃やったであろう縄跳びもジャンプ動作の繰り返しでプライオメトリックトレーニングになります。狭いスペースでも行え、他の動きよりも衝撃が小さいので普段あまり運動しない方でも行いやすいエクササイズです。子供の頃楽にやってたイメージでやると思ったよりキツくてビックリしますw

まとめ

今回紹介させて頂いたのは数あるプライオメトリックトレーニングのほんの一部です。他にも数多くのトレーニングがあるので興味のある方は調べてみてください。正しく行うことで必ずパフォーマンスアップに繋がると思います。

それでは最後にイギリスの400m走スプリンターZoey Clarkのプライオメトリックトレーニングの動画をどうぞ!本家もびっくりマリオジャンプのキレ。これ目指して頑張ります。

https://twitter.com/YaMaTaRoo/statuses/1262904470184157184?s=20

参考サイト:REI

https://www.rei.com/learn/expert-advice/cross-training-for-trail-running.html

PROFILE

ユウタ | Yuta Yamato

整形外科で働く理学療法士(physiotherapist)。サッカー/フットサル漬けの学生生活を経て社会人となり山を走り始める。2013年にUTMF、Tor des geants完走。
2015年から2017年までカナダで生活し帰国後RBRGスタッフとして3ヶ月働く。
現在はカナダでphysioとして働くべく再移住に向けて準備中。

WEB: https://yutaphysio.com

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