手のひら冷やして熱中症予防
前回は熱中症に関連して暑いレースでの救護対応について説明しました。
重症化すると命にも関わる熱中症ですが、予防していくことは元気も長く走ることにも繋がっています。今回はさまざま予防方法から
「手掌冷却法」
を紹介致します。
こちらは、日本スポーツ協会や国立スポーツ科学センターから発信されている熱中症予防でも紹介されていて、プロスポーツチームでもかなり導入されている信頼できる方法です。
手掌冷却法の方法について
方法としては非常に簡単で手のひら・足裏・顔など身体の末端を10~15℃程度の冷たい水で10分程度冷やすだけです。
末端に流れる血液を冷やすことによって、その血液は身体の中心に戻っていくため深部体温を下げる効果があるそうです。氷のように冷たすぎると血管が収縮してしまい効果が落ちるそうです。
※深部体温とは内臓付近の温度のことを言います。熱中症や低体温の説明でよく登場する体温です。
首筋や脇・鼠径部を氷で冷やすことも以前は紹介されていましたが、それよりも手掌冷却法の方が深部体温を下げる効果は高いとのことです。
深部体温を効果的に下げることは汗の量も減らすことにもなりますので、水分の摂取も少なくすることにも繋がります。運動中については心拍数も抑えることにもなり、ランニングにもプラスに働くという論文も出ています。
そもそも山の中を走るのに氷を用意することは現実的ではありませんが、手掌冷却法ならば沢でも実現出来ます。冷たすぎない保冷剤も販売されていますので手に付けて走るという時代も来るかもしれません。
出来れば肘から先の前腕と手のひらや指も同時に冷やした方が効果が高いそうです。簡易的には冷たいペットボトルを握りしめるという形式で紹介されています。
チャンスがあれば手足を冷やすことが積極的な熱中症予防になるということです。ホントかね?という方は入浴時に是非お試し下さい。お風呂から上がる時に数分間水シャワーで手足を冷やすだけでも、入浴後の発汗が抑えられる気がします。
(これについては白くま的体感です)