失敗とは後悔すること
このコロナ禍において、これはトレイルランに限った話ではないが、コロナ前から自分がやりたいと思ってたことがコロナによって出来なくなり、結果後悔している人は一定数いるのではないかと思われる。
ちなみに私自身はというと、コロナ禍において「○○をしていればよかった」という後悔の気持ちは一切ない。
あまり考えたくはないが、仮にこの世からトレイルランというスポーツが無くなっても後悔しないと思うし、自身の身体に障がいを持ち、今後において山を登ることができなくなっても後悔することはないと思う。
なぜそこまで言い切れるかというと、コロナ前にトレイルランで自分がやりたいと思ってたことを100%達成できた気持ちがあるからである。プライベートにおいて、これまで私はトレイルランや登山に全てを注ぎ込んできた。
今振り返ってみると、トレイルランにお金と時間をかけて投資したことは、正しい判断であったと思う。では、どのくらい前のめりになってトレイルランを取り組んできたのか事例を一つ紹介したい。
360kmレース参加の意思決定は直前
過去のBlogでも何度か紹介をした、2019年9月に参加したSwissPeaks 360kmのお話をしたい。実はこのレースは半年、一年前から事前にエントリーをしていたのではなく、大会の20日前にエントリーを行い、直前に走ることを決めたレースであった。
なぜ直前であったのか、ざっくりエントリーのきっかけからレース参加までの流れを説明したい。
- New Zealand(20年3月)でのレース後、4月以降のレース計画は一切無かった
- 7月中旬:仕事の目処がつき、9月上旬に参加できそうなレースを調査開始
- 7月下旬:希望する大会が全て受付終了であり、主催者に文書にて直談判
- 8月上旬:上記の中から以下3つの大会から特別に参加許可を頂く
Echappee Belle 149km(France)
Grand Raid des Pyrénées 220km(France)
SwissPeaks 360km(Swiss)
- 8月10日:SwissPeaksのエントリー完了
- 8月28日:日本出国→フランス入り
- 9月1日:SwissPeaks スタート
- 9月7日:完走
- 9月10日:日本帰国
エントリーからレースまで、僅か20日間の準備期間で具体的にやったことは以下のことである。
体の準備に関しては、3月のニュージーランドのレース以降、7月上旬まで山の練習は一度だけであった。そのため7月下旬から約1ヶ月間で中央アルプスと富士山で、高高度での体の感覚を取り戻すためのトレーニングを行った。
体の準備以上に大変だったのが、レースの戦略&戦術の策定であった。その当時の最長距離が170kmであり360kmは未知の距離であったため、戦略・戦術をどう立てるべきか?それに応じて必要な装備や補給食はどうするのか?といったことを計画するのが一番大変であった。
エントリーを完了した8月10日から出国の28日まで、平日は仕事が終わって毎晩夜中2時までに戦略を練り、土日は山の練習と補給食などの買い出しのために時間を費やした。今振り返ると、実際のレースよりこの時期が一番大変だったと感じる。
大変であったが、その当時は360キロを走れる喜びと、早くレースに臨みたい気持ちが強く、辛さを一切感じることなくレースの準備を行っていた。
もしコロナが一時的に収束したら?
この話を聞いて驚いた方が多いのではないかと思う。しかし、今現在のコロナ禍の状況下だったら皆さんどのように考え、行動するだろうか?
空想の話になるが、外出規制がなくなり、マスクを外して自由に旅行ができ、自分が出たい大会に出れる機会が目の前にあったらどうするだろうか?恐らく多くの方は、多少無理をしてでも大会にチャレンジをすると思う。
一般的には、レースの直前にエントリーだと完走できないリスクが高いため、そもそもエントリーはしない。だが、当時の私はリスクは一切考えず、とにかくチャレンジすることを重視していた。
言いたいことは、目の前に機会がある中で、あれこれ考えることに時間を費やすことなく、まずは一歩前に踏み出すことである。
明日死ねると思えるかどうか
極端な表現を使うと、明日にでも死ねると思える生活を送れるかどうかだと思う。あまり考えたくはないが、もしかしたら交通事故や急な病気で命を落とす可能性だって十分有り得る。そう考えると、やれることはやれるうちにやっておきたい。
今は人生100年時代といわれるものの、人生長いからといってやれることを後回しにすることは、結果後悔につながる。今回のコロナがまさに教えてくれたと私は思う。
後悔をすることは、人生数ある失敗の中で大きな失敗の一つになると思う。後悔せずに満足のいく人生を送っている人に共通していえることは、どんな状況であろうとも目の前に機会があれば失敗を恐れずに様々なことにチャレンジしている。
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その意味では、私自身もコロナ禍において様々なことに取り組んでいる。その一つとして大学での学びがある。大学での授業は日曜を除き、月〜金曜の夜と土曜(9時〜21時)は学習漬けと、仕事と両立してかなり無理をして(リスクをとって)大学院に通っている。
コロナ禍では様々な制約条件があるものの、その状況下においても自分がやりたいことを見つけ邁進することが私は大切だと思う。