ウルトラマラソンに向けたインターバルトレーニング
ご無沙汰しております。4・5月とカナダの理学療法士国家試験(実技試験)準備のためお休み頂いておりました。
さてその実技試験ですが、本来は6月5-6日に行われる予定でしたがコロナウイルスの影響で2021年内のテストは全て中止となり現在日程未定となっております。予定では秋から冬にかけて再開とのことですが、日程が分からないままモチベーションを高く保つのに苦労しつつもボチボチ練習を継続しています。(と言いつつキャンプに行ったりしっかり夏を満喫していますw)
インターバルトレーニングとは?
”インターバルトレーニングが走力向上に良い” と言うのを聞いたことある方は多いはずですが、では実際インターバルトレーニングがなぜ効果的なのか、そしてどう行えば良いのかについて書かれた記事(by いつもお世話になっているJason Koopコーチ)があったので紹介させて頂きます。
インターバルトレーニングとは端的に言うと一定の時間速く(高強度で)走った後減速して休憩し、それを繰り返していきます。その高速(高強度)で走る時間の合計が重要で、トレーニングの効果を得るためには身体に十分な負荷を与える必要があります。人間の身体は負荷に適応していくのでトレーニングを積み重ねることで徐々に強い刺激に耐えられるようになります。
インターバルトレーニングではレースペースよりも速いスピードで走るトレーニングをしていきます。もし10kmのタイムを向上させたい場合、現在の10kmの自分の記録のタイムよりも早く走る必要がありますが、もちろん10km通してそのペースで走ることは不可能です。そのために10kmを例えば1kmずつに10分割して間に休憩を挟むことで走れるようにしていきます。
効果的・非効果的なインターバルトレーニング
記事の中で面白い質問があったので紹介します。
以下1〜3全て同じ時間(24分)のトレーニングですがVO2 max(最大酸素摂取量)の向上に最も効果的なインターバルトレーニングはどれでしょうか?
- 最大強度で1分、レスト1分、12セット
- 最大強度で3分、レスト3分、4セット
- 最大強度で6分、レスト6分、2セット
効果的なインターバルトレーニングは高強度でのランニングの時間が長すぎても保てず短過ぎても十分な負荷が与えられません。また、レストが長過ぎても短過ぎてもトレーニング効果が減少します。(答えは後ほど)
時間設定の方法
インターバルトレーニングの目的はいかに高強度で走る時間を増やすかと言うことです。 VO2 maxを向上させるにはVO2 maxの90%以上を保ちながら走り続ける必要があります。
2004年にSeilerとSjursenによって発表された研究によると、インターバルの高強度ランニングの時間をそれぞれ1分、2分、4分、6分で高強度ランニングとレストが1:1になるよう設定し身体におこる生理的反応を調べたところ4分間のインターバルで最も多くの酸素消費(心拍数の上昇)がありました。実際2〜4分のインターバルで十分VO2 maxに到達し維持できる時間があります。そして6分のインターバルでは時間が長過ぎるため強度が下がってしまいます。
レストの割合
VO2 maxを向上させるためにインターバルトレーニングでは高強度でのランニングとレストの割合が1:1になるのが理想的です。1:2になると同じトレーニングの時間でも高強度で走る割合が下がりトレーニング効果も下がってしまいます。
以上の事から、先述した質問の答えは
- 最大強度で1分、レスト1分、12セット
- 最大強度で3分、レスト3分、4セット
- 最大強度で6分、レスト6分、2セット
2. 最大強度で3分、レスト3分、4セットとなります。1. ではVO2 maxに到達するには時間が短過ぎ、3. では逆に長過ぎてVO2 maxを向上させるには十分な強度で走れず効果的でありません。ちなみに、今回の記事でセット数への記述はありませんでしたが高強度でのランニングの時間が長いほどVO2 maxを向上させることが期待できるのである程度セット数が多い方がトレーニングの効果は出やすいのではと考えています。ただし身体にかかる負担も大きいので高強度でのランニングに慣れていない方は少ないセット数から始めて徐々に増やしていきましょう。
最後に
夏になって気温も高くなってきた今、ワークアウトは極力短時間で効率よく行いたいですね。インターバルトレーニングに興味があるものの、実際どう行えば良いか分からないという方も多いかと思います。今回の記事がそんな方の参考になれば幸いです。