ドーソン・シティで考える人間的冬眠
冬至。この日をこんなに待ちわびたことはない。むしろ冬至を「かぼちゃと柚子風呂の日」、くらいにしか認識していなかった。でもここドーソン・シティでは冬至の存在は未来の希望ってくらい尊い。

なぜなら現在日照時間が極端に短く、冬至の日の出がお昼の12時11分、日没が午後4時21分というレベル。午前中はずっと真っ暗で起きるのが大変。でも冬至が過ぎて、「これからは毎日ちょっとづつだけど日照時間が長くなる!」と思うだけで元気が出る。

冬至の日は現在通っているアートスクールのみんなで食べ物を持ち寄って夜な夜なパーティ。今は冬休み期間で、半分以上のクラスメイトは帰省中だけど、町に残ってるメンバーで「1年で一番暗い日」をご馳走を食べながらお祝いした。

ところで最近身体にちょっと変化が出てきた。身体のだるさである。な~んか毎日身体が重いのだ。先に記した通り日照時間が少なくて太陽で目を覚ます!ってのができなくて、爽快な朝ってのを長いこと味わってない。ほんでもってマイナス30度を超える日がよくあるから、そもそも家から出る気がしない。
日の光が極端に少ない地ではSAD(Seasonal Affective Disorder)と呼ばれる季節性鬱になる人が多く、私もビタミンDサプリメントで補いながら暮らしてるけど、それでもこのだるさは間違いなく日照時間のせい。

SAD予防にはビタミンD以外にも、なるべく人にあって社交的な環境に身を置き、スポーツをして身体を動かすことが大事と教えてもらい、最近はパートナーのルイスと家の横のトレイルを歩いたり、そり遊び、クロスカントリースキーをして遊んでいる。

ドーソンの冬はスポーツが盛んで、私がやっているカーリングをはじめ、アイスホッケー、スキー(クロカン・アルパイン両方)、アイススケートは人気があるし、バスケ、バレーボール、クリケットなどの室内スポーツクラブも充実している。ドーソンの町自体は静かだけど、「冬だ!冬スポーツの季節じゃー!」っていうポジティブさがあるのはありがたい。

でも家に帰ってくるとやっぱりぐったり疲れが出る。最近教えてもらったんだけど、「外に出るのはいいことだけど、外気が寒過ぎて身体が体内で熱を作り出そうと必死になるからめっちゃエネルギー使うんだよ、だから疲れやすいのは普通のことやで」とジモティーに教えてもらい、安心した。そうか、私の身体、熱作りで忙しんや!なるへそな!体よありがとう!

それを聞いてからは「身体を休ませるのが冬やん!熱ばっか作らせてどうすんねん」という思いから、ベッドの上で読書する時間が増えた。朝起きるのが遅いからか普通に夜中の2~3時過ぎまで本を読めてしまう。
人間は熊みたいに完全に冬眠はしないけど、この真夜中読書やプラスαの睡眠時間(今1日10時間くらい寝てる)が人間的冬眠なのかも?。
人間だって生き物だし、環境に順応していくってことを考えれば眠くて当然、つーか寝ることがむしろ求められてるのでは?という考えに至り、これが私なりの冬眠なのだ、ということにしている。
体重も測ってないけど間違いなく増えてる。いや、結構増えてる。でもそれでいいんじゃないかな、とこの地では思えるし、身体が環境に反応してるサインなんだろう。
今は静けさを楽しむ時間。冬があってよかった。