格闘技から学ぶスタッフのあり方
お正月というか冬の時期は山の仕事が少ないので穏やかな年末年始を過ごしていました。
山だけではなく幅広くスポーツ全体に関わるアスレティックトレーナーでありますので、気になるのは怪我の対応や救護関係など。大晦日と言えば格闘技「RIZIN」では朝倉海選手についてニュースになっていました。
ケガをしても競技を続けたいのが選手の気持ち
選手自身のyoutubeにてトーナメント初戦で手の甲の骨を骨折していたが、痛み止めの注射を打って決勝に出場したとのことコメントがありました。素人目に見ても右手をかばって使っていないのが分かりました。
痛み止めの注射を打ったということは骨折している可能性があり、試合をすれば悪化するが出場させたということになります。これは『怪我してでも戦う姿!!!』という美談にしてはいけない話しだと思います。
格闘技などではマッチドクターとしてオフィシャルメディカルが双方の選手を見守り、時には試合をドクターストップすることもあります。オフィシャルメディカルの役割は選手の安全を守ることです。それは競技全体の未来を守ることにも繋がります。
リスクを上げるサポートになってないか
選手自身は怪我をしてでも出場したい!大会関係者は出場して欲しい!多くの賞金など利益も双方にあることからどうしても出たいということにもなりがちです。
今回の件のように大きな怪我をしている場合、オフィシャルメディカルに発見されるとドクターストップになる可能性が高いので怪我した場合は見つからないようにすることもあります(ホントはダメだけど)。
今回は痛み止めの注射を打ったのはオフィシャルスタッフなんだろうか?分からないことも多いのですが、アウトドアスポーツイベント救護体制においてオフィシャルスタッフが選手のリスクを向上させるようなサポートをしてはいけないと改めて感じました。