そんなこともあったよね 低血糖 その1
ランニング中に起こるトラブルとして低血糖症状というのがあります。
大学の自転車競技部でトレーナーをしていた時に、選手達は低血糖状態を『シャリバテ』と呼んでました。しゃりというのはお寿司のお米部分のことを言いますので米が足りないでばてるという由来かと思われます。ランニングやバイクなどエンデユランス競技では糖質補給が足りないと低血糖症状が出るとされています。
低血糖症状は『はひふへほ』
は:腹が減る
ひ:冷や汗が出る
ふ:震え
へ:変な行動
ほ:放置は昏睡
ランニングレース中では走るペースが落ちて走れなくなり、コースロストを含めた判断ミスが出たりします。重症になると眠るように意識不明となります。
実際のレース中の救護事例
初開催の100kmトレイルランニングレース、エイドステーションは10か所ほど。各エイド・スタート・フィニッシュに救護スタッフを配置しており、フィニッシュ担当は浅井でした。
トップから数名フィニッシュした状況で忙しくなるのはまだまだと油断していたところ、計測担当の方から「フィニッシュした選手が倒れてますよ」と伝達あり。
横になっているだけかと声掛けしましたが、肩を叩いて声を掛ければ目は開くがしばらくすると閉じる・・・おーい!!と声掛けしながら状況を聞くと「補給が出来なくて」とまた寝る(寝たわけではない)。
これは低血糖だろうと、意識がある時にコーラを舐めるように補給して頂くと少しづつ回復してきて、寒いというのでお汁粉に移行して完全復活しました!!
後ほど本人からヒアリングしたところ、コース設定に合わせてきっちりジェル補給しながら走って来たが最後のエイドから予定より時間がかかり補給がなくなりフラフラと走って来たとの事。さまざまな理由により想定よりも時間がかかることはあるので若干の余裕を持って走ることが必要ですね、という話しになって救護エリアから帰っていきました。
救護担当としてフィニッシュまで走ってこれて良かったと振り返りました。フィニッシュ間際は舗装路を走るコースレイアウトでしたので夜間に道端で倒れれば交通事故に繋がることも想像出来ます。大事故に繋がることなく終わった時こそ今後に繋げていきたい症例となりました。