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2022年2月24日

ケロズ

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森の横に住むと不便という概念を忘れる

9月から始まったユーコン準州ドーソン・シティ暮らしも5ヶ月が経過。皆様お元気でしょうか?2月に入ってからまだまだ寒い日が続いているものの、ピークを過ぎたせいなのか、すでにちょっと春気分のケロズです。(町の人はまだ春ちゃうでー!って言ってた。笑)

アート学校の前でふざけているところを友人が撮ってくれた。

最近ふと、森の横に住むのっていいなぁって感じることが多くなりました。山と海に囲まれた新潟県で育ったものの、かといって森の中に住んでいたわけではなく、昔から森の中の生活に憧れを持っていました。ほんでふと最近、「私、森の真横に住んどるやん!」って気付きだし、その喜びに浸っています。

今住んでいる家は2つに分かれていて、前方には男性一人、後ろ側には私とルイスが住んでいる。木の色の違いがあるのがわかるかな?

カナダに来てから4年ほどバンクーバーで暮らしてきたけど、家賃の高さからいつも街中にあるシェアハウス暮らし。シェアメイトとうまくいかなかったり、ってかそもそも仲良くても良くなくても他人と住むのって忍耐勝負でもう嫌やー!ってなってたから、今の森の横暮らしの中にある平和がほんまに尊い。

家の存在ってメンタルヘルスと深く結びついてたんやな〜って改めて気付かされました。今回初めて私とパートナーのルイスの2人だけの家に住めていることが嬉しすぎて、「森の横」っていう立地についてあまり考えていなかったけれど、最近それに気づいてからは、日々いろんなところでその恩恵に授かっている気がします。

町も平和。というか人がいない。犬はたくさんいる。

毎日学校が終わって家に帰ると心からほっとする。夜寝るときに窓から森を眺めて、この横で寝てるのかぁと思うと、心がワクワクするし、ぐっすり眠れる。キャンプとは違うけれど、ちょっと外の世界を感じながら寝ている感じに不思議と懐かしさみたいなものを感じます。雪が降る前は鳥たちの鳴き声とか、葉っぱが風になびく音が聞こえてたけど今はそれすらないのでほんまに静か。

お隣さんの家。何かあったら助けてくれるめっちゃ優しい人たち。

ドーソン・シティはしょっちゅう停電になるんだけど、停電になると冷蔵庫とかの電子音も消えて、怖いくらいに静かになる。静かだなぁと普段思っていても、些細な電子音を聴いてるもんなんやなぁということにも気づいたり。

うちはテレビもないし、生活のシンプルさに今まで以上に磨きがかかってきています。ドーソン・シティにはいつでもあいてるご飯屋さんとかないし、必要なものがあってもすぐに手に入らない。だからもちろん不便は不便ではあるんだけれど、でも心から「不便やなぁ」って感じる機会はほとんどない。

本当に寒い時は家の中に入ってきた雪が一日中溶けずに家に居座っている。

私はもともとネットで買い物しないし、服もセカンドハンド以外はめっきり買わなくなったし、別にそんなに不便じゃなくね?と思っています。毎日ご飯作って、学校行って、仕事して、本読むか映画見て寝る。たまに友達が遊びに来て夜遅くまでおしゃべりする。日本が恋しくなることもあるけれど、この貴重な環境で生活できていることに感謝しています。

今年は積雪が多く、「積雪記録を更新しそう!」とジモティーが言っていた。

この前は家でゴロゴロしながらお茶飲んでたらキツツキがピューっと飛んできて、家の外枠の木を突き出した!はたまた別の日は家の窓からオーロラが見える。またある日は雪と寒さでホワイトアウトしている世界が広がる。家の小さな窓から見えるユニークな自然の姿を見る時間が愛おしい。

こんな寒い世界でも外で生きてる鳥たち。写真はキツツキ。

家の横には「9th Avenue Trail」というトレイルもあって、よく散歩がてらこのトレイルを歩く。同じトレイルだけれど積雪の多さや気温で見える世界や感じ方が変わって面白い。あまりに寒いとちょっとイライラしてくるからあまり無理しないようにしているけれども(笑)。

この前は朝8時でもオーロラが観れました。

もちろんドーソンという世界から切り離された場所が合わない人もいる。私のクラスメイトは学校が終わったら速攻ドーソンを離れると言っているし、もちろん好みは人それぞれ。でも私はこの辺鄙な場所にあるユニークな町が好きだし、今まだドーソンを離れていなくても、この場所が生涯に渡って恋しくなるだろうなぁって確信している今日この頃です。

PROFILE

ケロズ | Shizuka Yoshimura

ランボー地球支部として世界を探索、いろんな人の心に窓を作ることをテーマに記事を書いています。過去4年間はカナダ2年、ニュージーランド1年、インド・ネパール半年、その後少し日本を経由して、現在はカナダの永住権を取得、バンクーバーで生活しています。今後さらに北上、極寒の地でアートとアウトドアの境目をユニークに生き抜くために少しずつ準備中。走ることが好きで、ロード、トレイル、夢の中、どこでも走ります。昼寝と動物が好きです。2014年裸で走るレース「Bare Buns Run」バンクーバー大会女子優勝。また現在幻冬舎が運営するウェブサイト、幻冬舎+(プラス)にて、「北極かえるのコモンロー日誌」も連載中。

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