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2019年3月21日

オショー

110

目標の因数分解

皆様、こんにちは。
Gコ山TRC所属のO-show the ripperです。

前回のポストから少し時間が経ちました。
実は今、勤続10年目のご褒美休暇中です。社会人になって以来の長い休みを、どこか遠くへ行くでもなく自宅近辺で満喫しております。

自宅近辺で何を満喫しているかというと、まぁ、トレーニングですw
ジムでじっくりウェイトをやったり、トレイルに行ったり、と日常生活ではなかなか時間が割けないトレーニングに精を出しています。

走ることやトレーニングが何よりも大好きな自分にとっては、とても贅沢な時間の過ごし方をしている気分なのですが、妻(←全く走らない)の共感は当然のように得られませんw

さて、本題です。

今回は私のトレーニングでの「工夫」を書こうと思います。
(尚、RBRGアスリートブログ上で私が語ろうと思う「トレーニング方法」は、私自身のトレーニングの取り組みの一例であって、トレーニングの「理論」ではありません。「理論」について専門外の私には、限られたスペースで正確に語りきれる自信が全くありません。「理論」について興味がある方は、書籍や論文などその分野の専門の方々の発信を参考にされるのが良いかと思います。その点、twitterは素晴らしいです!専門の方々が直に語る最新の発信が見られますから!)

〈トレーニングの目的設定のための「目標の因数分解」〉
「トレーニングする際、そのトレーニングで向上したいと思っている能力を明確にすること(そのトレーニングの目的設定)はとても重要だ!」
というのは多くの皆さんの同意が得られることだと思います。

今回のブログでは、「トレーニングの目的設定」をする際の「工夫」として、「目標の因数分解」という取り組みを紹介します。

今回の話題はTwitterでやり取りをしている方には既視感があるかもですねw

 

早速ですが、「フルマラソンでのサブ3達成」を目標の題材として実際に「因数分解」を試みてみようと思います。

私は、この目標を以下の様に因数分解をしました。

※サブ3の平均巡航ペースは4:15/kmですが、大会毎の距離の誤差やコース取りで実走行距離が少し増えるので4:14/kmと考えておく方が無難だと判断しました。

そして、この目標達成に向けたトレーニングを “①を向上させるもの” と “②を向上させるもの” の2種類に集中させました。

“①を向上させるもの”としては、インターバルや閾値走などの所謂「スピード錬」というものが挙げられると思います。
様々なバリエーションの中でどの「スピード錬」を選択するかはその人の好みで良いと思います。
ちなみに、自分は20min閾値走が好みでした。インターバルはなかなか気が向かなかったですw

“②を向上させるもの”としては、距離より時間を意識したロングジョグなどが挙げられます(ペースは①の範疇なので、②のロングジョグではあまり気にしません)。

まとまった時間がとれるなら3時間通して走るに越したことはありません。
一度にまとまった時間が取れない場合は、何日か連続して走ることで負荷を累積させ、3時間動き続けたことと同等の疲労を身体に経験させることも可能だと思います。

自分は後者のやり方を採用していて、例えば、①のスピード錬で重くなった脚で、3日間連続で1~1.5時間走る(主に帰宅ランなどで)というようなことをやっていました。3日目にもなれば走り出した時点で既に2時間走った後のような疲労を抱えているので、そこから1時間走ればまるで3時間動き続けたことと同等の疲労が経験できる、という考え方です。

以上、比較的単純化しやすい題材として「フルマラソンでのサブ3達成」を扱ってみました。

勿論、因数分解の仕方は1通りではありません。
同じ目標でも別の因数分解の仕方はいくらでも考えられます。

例えば、同じ「フルマラソンでのサブ3達成」を、「前半30kmを4:14/kmで走る能力」×「後半12kmを4:14/kmで走る能力」と因数分解し、同じ“4:14/kmで走る”でも体感の負荷が全く違う“前半30km”と“後半12km”とを異なったアプローチで鍛える方法もあると思います。この場合、先ほどの私の因数分解の仕方だと入る余地のなかった「30kmのレースペース走」がトレーニングとして加わってきそうです。

また、1つの因数分解の式に拘らずに、いくつかの式を並行させてトレーニングを組んだり、期分けの時期によって適用する式を変えたりすることも可能です。

あくまで、因数分解の目的は「トレーニングの目的設定」を明確化することですので、その点だけはお忘れ無きよう。

〈トレイルランニングの場合〉
また、水平方向の移動だけでなく、垂直方向の移動も考慮すべきトレイルランニングを扱う場合は、式は更に細かく因数分解することも可能になります。

例えば、私は「トレイルランニングの下りの能力の向上」を「着地衝撃に耐えられる強い大腿四頭筋」×「不安定な路面に素早く対応可能な反射神経」と因数分解しています。
前者は“ロードの坂道での下りダッシュ”や“ウェイトトレーニング”などで強化できますし、

後者は“公園の木段などを駆け下りる練習を繰り返す”などの神経系のトレーニングで補うことができます。

※このように因数分解をした結果、山に行く時間がなかなかとれない状況であっても、街中の環境を巧く使いながらトレイルランニングの能力を鍛えることが可能だ、ということに気付けたりもします。

勿論、トレイルランニングのレースでの入賞自体を目標とすることも可能です。
例えば、「東丹沢宮ケ瀬TRでの総合入賞」を目標にした場合であれば、過去のリゾルトから入賞圏内のタイムとして「3時間切り」が設定できます。そこにコースプロフィールを考慮に入れて、因数分解を試みればいいのです。

コースを上り基調の前半/下り基調の後半で分けて因数分解を行い、それぞれに適応するためのトレーニングを組む人もいるでしょう。
一方で、敢えて「32km、1500md+を3時間弱で走る力」と単純化したまま扱い(敢えて因数分解をしない、という選択)、傾斜5%を6:00/kmで走るトレーニングをメインに据える人もいるでしょう。

以上、いくつか具体例を挙げながら、「目標の因数分解」を紹介させて頂きました。

〈メリットとデメリット〉
ここまで読んで頂ければ分かって頂けるかと思いますが、「目標の因数分解」のメリットは、限られた時間の中でリソースを注ぐべきポイントが明確化されることです。

その結果、「目的の良く分からないトレーニング」が減り、トレーニングの時間効率が上がることが期待できます。

勿論、「目的の良く分からないトレーニング」自体を否定する意図はありません。“何となーくプラプラ走りたい時”って誰しもあるものですよね?

(私の場合は、そういうランニングに対しても、「心理的なリカバリー」などといった前向きな目的を後付けしてしまいますw
ほら、トレーニングログを後で見返したときに、ちゃんと目的が明確に記されていた方が気持ち良いじゃないですか?w)

一方、「目標の因数分解」は、ある程度の単純化を許容することになるので、トレーニングの“取りこぼし”が出得る、というデメリットが考えられます。

このデメリットをなるべく減らすためには、因数分解自体を綿密に設計することしか無いような気がします。

設計方法として具体的に浮かぶのは、
複数項に因数分解する場合、各項が「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」である(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive。俗に言うMECEというやつです)ように心掛けることです。
また、最初からコレ!と決めつけずに、いくつか式を用意して、トライアンドエラーしながら運用してみる、というのも手だと思います。

何れにせよ、こういったデメリットを減らす用意を事前に試みた上で、最後は「割り切る」という決断を自分自身でするしかありません(トレーニングにかけられる時間は有限ですから)。

今回の話に限らず、トレーニングで“完全な正解”というものは存在しません(皆さんも経験的に理解されていることだと思いますが)。

必ずメリットとデメリットがあるものです。

特に、セルフコーチングされている方は、メリットを増やしてデメリットを減らす努力をした上で、最後はそのバランスを見極めて、自分自身で「決断する」というこがとても大事なことだと思います!

お互いトレーニング頑張りましょう!

ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回はNESチャンピオンシップの初戦・東丹沢宮ヶ瀬トレイルレースの直前期でしょうか?

またお会いしましょう!

私のトレーニング内容は全てStravaに、各トレーニングへの所感や日々の呟きはtwitter, instagramで晒しております。ご興味があれば覗いてみてください。
https://www.strava.com/athletes/1513063
https://twitter.com/oshowtheripper
https://www.instagram.com/oshowtheripper/

また、私がブランドフィロソフィーに強くシンパシーを感じ、所属させて頂いている「Gコ山TRC」の母体となるGreat Cossy Mountainのホームページも是非ご覧ください。
http://gcm.thebase.in/

O-show the ripper

PROFILE

オショー | O-show the ripper

切り裂き和尚 a.k.a. O-show the ripper|Father, Bookworm, and Elevation Junkie.|Gコ山TRC所属。
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