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2023年2月24日

Run boys! Run girls!

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SOUTH-南米編- ⑦アルゼンチン(入国~メンドーサ)

星野さんの南米自転車旅行の第7回です。チリからアルゼンチンへ入国。これまでとは違ってちょっと楽しそうな雰囲気も伝わってきますよ。

これまでの SOUTH-南米編- は以下リンクからどうぞ。
 ①プロローグ
 ②出国~ボリビア(ラパス)
 ③ボリビア(コパカバーナ)
 ④ボリビア(ウユニ塩湖) 
 ⑤ボリビア(宝石の道)
 ⑥チリ(入国~サンティアゴ)

2023/2/6(32日目)

7:00 サンティアゴを出発。これから標高3,800mのアンデス山脈を目指す。

物価の高さには耐えられなかったけど標高の高さなら頑張れる気がするし、「アンデス山脈をチャリで越えたぜ!」ってドヤってみたいし。

サンティアゴの街を抜け、Googleマップの自転車ルート(※)に沿って走っていく。

※ちなみにチリでは自転車のルート検索がほぼ全土で使える。日本では本検索はまだ都道府県が限定されている事や、SOUTH-日本編-と比べて圧倒的に好意的な私への反応を見ても、自転車文化は日本より強く根付いている気がする。

自転車ルートは基本的に高速や通行量の多い道路を避ける仕様になっていて、若干遠回りな田舎道や未舗装路を走らされる事がある。なので注意していないとうっかり走りやすい車ルートに乗ってしまうため、気づくとこんな自転車通行禁止の標識が出て、慌てて引き返すことになる…。

そして「57」を引き返した結果、通らされるのはこんな峠道だ。

遮るものが何もない灼熱の道をひたすら押し上がる。滴り落ちた汗のトレースが出来ては瞬く間に蒸発して消えていく。

3時間かけて何とか登り切る。眼前には絶景のご褒美。

40℃近い気温の中を一気に降っていく。これだけ暑いと、降っていても熱風を浴び続けるだけ。

16:00 サンティアゴから100kmほどのロス・アンデスという街に着いた。

峠越えと暑さでヘロヘロの身体に鞭打って宿を探す。ただこういう時に限ってなかなか良いところが見つからない。Googleマップに表示されるホテルの場所を一つ一つ潰していくのだけど、見た目からして高そうな三つ星ホテルだったり、逆に全く営業してる気配がなかったり。

これは諦めて公園で野宿かな~と思い始めた頃、やっと手頃なホテルが見つかった。と言うか、このホテルが大当たり!

一泊15,000ペソ(2,500円)で基本はドミトリーなんだけど、宿泊客は私だけ。優しいママが一人でやっていて、センスの良い共用部には広いバルコニーまであった。

シャワーを浴びてサッパリしたらバルコニーで冷えたビールのプルタブを開ける。一缶目は秒で無くなった。

2023/2/7(33日目)

優しいママに見送られて出発。

この街は標高860mほどらしいので、これから約3,000mの山登りだ。

と思ったらいきなりパンク…。路肩にバイクを停めて確認すると鍵のような金属片がグッサリ刺さっていた。

昨日、素敵な宿に巡り会えた幸運とのトレードオフだと思って自分を慰める。

街を抜けると道は渓谷に入っていく。連なる山間をトラバースしながらジリジリと標高を上げていく。横には大きな川が流れていて、時折、川面を撫でて吹く風が涼をくれる。

キオスクがあったので補給のためにバイクを停める。お店の向かいにバスの停留所があったので日影で一息ついていると、ちょうど飲み物の納品中だったトラックから、何やらドライバーがこっちにやってくる。

あれ、ここに停めちゃダメだったかな?と身構えていると、何と納品していた水を2本差し入れてくれた!ムーチョスグラシアス!!

1本はその場で一息に飲み干し、もう1本は大切にパニアバックにしまう。少し重くなったはずの荷物が私の心を軽くする。

しばらく行くと目の前に絵に描いたような九十九折りの道が現れた。Googleマップで見てきっとこういうことだろうと想定はしていたので心のバリアは完璧だ。バイクを降りて心を無にして登り始める。

↓Googleマップ

↓実際

登っている途中、車が一台横に停まった。中には品の良いご夫婦が乗っている。何かと思ったら窓が開いて助手席の奥様が半分ほど入ったペットボトルの水を差し出してくれた。いやー、本当にありがたい。

数年前に四国で歩き遍路をやった時にも何度も御接待を受けた。文化的な背景は少し違うのかも知れないけど、どちらも本質的にはプリミティブな好意なんだと思う。ただそれを示すのに日本人は理由を求めがちだけど、南米では比較的率直な印象を受ける。

もちろんどちらが良いということではない。ただこういう文化や気質の違いに触れ、また一方でそこに通底する人間のポジティブな想いを感じるたびに、旅に来て良かったと心から思う。

登ってきた九十九折り

17:00 チリ側の税関に到着。

ここから国境まではあと4kmほど登るんだけど、そろそろ良い時間だし、テントが張れそうな屋根のある建物もあるし、何より疲れたし、今日はここで野営することにする。

夕食は街から持ち上げたビールとパスタ。

テントから顔を出して夜空を見上げると、輝く星々を従えた漆黒のアンデスの山々が静かに私を見下ろしていた。

2023/2/8(34日目)

6:30 夜明け前の出発。

今日はいよいよ国境を越えてアルゼンチンに入る。地図を見ると国道(赤い矢印)ではトンネルになるらしい。ここまでの経験上、このトンネルは恐らく自転車は通れない。だとすると並走する九十九折りだらけの峠道(青い矢印)を越えて行くことになるのだろう。

やうやう白くなりゆく山ぎは

チリの月が見送ってくれる

アンデスにモルゲンルートが降りてくる

トンネルの入り口に着くとやはり自転車は通行禁止…

と、思ってトンネルの監視事務所に峠道の様子を聞きに行くと、何と、事務所のスタッフが車で私とバイクを運んでくれると言う!

果たしてこれが自転車で来た全員に対する対応なのか、この時が特別なのかは分からないけど、とにかくありがたくお願いすることにして、そそくさとバイクをトラックの荷台に積み込む。

いざアルゼンチンへ!

優しいスタッフに御礼を言ってアルゼンチン側へのゲートを通る。税関はここから更に15kmほど行ったところにあるらしい。

そして税関も無事通過。特に荷物を開ける必要もなくあっさりと通してくれた。

ここからはお待ちかねのダウンヒル。今度はアルゼンチンの太陽が出迎えてくれる。

アンデス山脈を越えると周囲の雰囲気がガラリと変わる。道沿いの植生の緑が濃くなり、吹く風も爽やかさを増したような気がする。

13:00 アルゼンチン最初の街ウスパジャタに到着。メンドーサまではまだ100km以上あるので、今日はこの街に泊まることにする。

また、お腹がペコペコだったので何か買おうと思い、まだアルゼンチンの通貨を持っていない事に気づく。

ホテルか両替所か銀行を探して街を走っていると、何となく良さげなホテルを発見。入ってカードが使えるか聞くと、カードは使えないけどチリのペソが使えてしかもお釣りはアルゼンチンペソでくれるし、何なら両替もしてくれるとのこと。おぉ、それは好都合。

ただ金額が一泊5,000ペソ(3,500円)と朝食付きとはいえ私の旅では最高レベル。まー、アンデス山脈を越えた自分のご褒美ということにしてチェックイン。

そうと決まれば、と早速街に繰り出して、楽しみにしていた肉とワインを買って宴会開始!

アルゼンチンは牛肉の消費量が世界でもトップクラスで、美味しくて安いと聞いていたけど、確かに様々な部位が100gで100円ちょっとだし、何を食べても旨味が強くて本当に美味しい。特に赤身は柔らかくてサッパリしていていくらでも食べられる。

またワインもマルベック品種の赤ワインの名産地であるメンドーサが近く、ワイナリーも多いため、様々な銘柄がずらり。日本円で500円くらいのものでも、香りが強くて少しビターなところがステーキにピッタリ♪

これは一刻も早くメンドーサまで辿り着かねばと思い、ネットでホテルを探すと一泊1,500円ほどのドミトリーがあったので、取り急ぎ3泊分を予約。肉とワインに溺れる愉悦の日々に思いを馳せつつ寝落ち。

2023/2/9(35日目)

優しくておしゃべり好きなママがお弁当にパンを持たせてくれた。

走る地域にもよるのだとは思うけど、アルゼンチンは本当に緑と水に溢れていて、走っていて気持ち良い。

湖畔沿いの公園でママにもらったお弁当を頂く。

道路沿いには洒落たレストランやリゾートホテル、キャンプ場が入れ替わり現れるので、見ていて飽きない。

気づけばメンドーサの街に入った。

表参道のような綺麗な街並みを抜けていく。

14:00 ホテル到着。肉を焼いてくれた言わんばかりのルーフバルコニー付き。一泊2300ペソ(1600円)

【メンドーサでの日々】

(キャッシングトラブル)

私は今旅では現金を持ち歩くリスクを最小限にするために、必要なキャッシュは全て現地でクレジットカードでキャッシングすることにしていた。

ボリビアもチリも問題なかったのだけど、なぜかメンドーサで最初に入ったATMでは引き出せなかった。画面上では「この取引により別途手数料がかかります」みたいなメッセージは出るし、これはボリビアもチリも同様だったので承諾するんだけど、何故かそこで現金が出ずに取引が終了してしまう。ネットで調べたところ、同じように困っている人はいて、どうやらキャッシングができるATMと出来ないATMがあるらしい。

引き出している銀行の写真を発見したため、同じ銀行を検索して行って操作してみたところ、無事に引き出せて一安心。

これ、何なんだろう?もし理由等ご存知の方がいたら是非教えてください。

↓使えた銀行はこちら

(ワイナリー巡り)

前述のようにメンドーサはアルゼンチンワインの名産地でワイナリーツアーを目的に訪れる観光客も多い。ワイナリーはその数約3000箇所!メンドーサ市街から10kmほど離れたマイプという街に固まっているため、通常はバスでマイプまで行き、そこでレンタサイクルをしてワイナリーを巡る、というのが一般的らしい。

ただ私はマイバイクがあるためメンドーサから自走で行った。

※ちなみにアルゼンチンでは飲酒運転は違法では無い。

巡るワイナリーについて、ちょっとネットで検索したら訪問記が幾つか出てきたので、その中からオーガニックワインのワイナリーをセレクト。後は現地で適当に探すことにした。

・一軒目 Casa familia Cacchin

自然農法にこだわったオーガニックワインを4世代に渡って家族で作り続けている。

ワイナリーにはバイクラックが完備。

農法の英語による説明と白、赤、泡の3種類のティスティングで3000ペソ(2100円)

ガイドのマリーナ。イメージ的には学生の頃はテニスサークルでイケイケグループに所属。ワインはファッションと普段は言ってるけど、実は実業家気質で独学で経営を勉強中。って感じ。

写真を撮ると言ったら、慌てて髪を解いでこのポージング。可愛い♪

・二軒目 PASRAI

マリーナにお勧めのワイナリーを聞いたつもりが何故かオリーブオイル工場だった…。

約30年の歴史があり、ツアーバスが沢山来ていた。

工場見学、製法の説明、オリーブオイルの試食(パンとセット)が何と全てフリー!

ガイドのベレン。イメージ的には実家がオリーブ農家でPASRAYではインターンとして働いている。仕事は楽しいやりがいも感じているけど実家の犬たちに会えないのが寂しい。って感じ。

私が沢山のツアー客に混ざって試食しようとしたら、そっと近づいて来て「あっちのオイルが高いヤツだから無くならないうちに沢山食べた方が良いよ」と耳打ちしてくれた。可愛い♪

・三軒目 ARGENTIA

PASRAYからマイプの中心地に戻る途中で発見。100年以上続く歴史あるワイナリー。

工場見学と白、赤、泡のティスティングで1300ペソ(900円)。安い!

ガイドのナリア。イメージ的には学生時代は図書委員で今も休日は古本屋巡りが趣味。普段は大人しいんだけどワインの事になると急に饒舌になって、そんな自分に気づいて頬を赤らめる。って感じ。

赤ワインを飲む時にグラスを回したら香りが届いたらしく「あなたがしっかりとステアしてくれたから私も幸せな気分になれたわ」とニッコリ。超可愛い♪

ワイナリーに2軒行ったところでかなり良い気分。もう1軒行くか悩んだけど、帰りも自転車で10kmほど走ることを踏まえて、今回はここで打ち止めとして後は宿で楽しむ事にした。

ワイナリーの間にオリーブ工場でパンとオリーブが食べられたのも結果としては良かった。

次回行くことがあれば、大人しくバスかタクシーで行ってもう数軒回ってみたい。

(アルゼンチンの物価)

チリが高いのでアルゼンチンに逃げ出したのだけど、実はアルゼンチンもそれほど安くない、というか日本より高いかも…

宿はドミトリーでも1000円以上するし、コーラも500mlのペットボトルが200円~、物価の基準マックもセットで1000円越え。いわゆる闇レートでドルから両替すれば対円ではもう少し安くなるとは思うけど、両替の手数料を考えればそれも吹き飛ぶレベル。

しかし!アルゼンチンには神コスパの牛肉とワインがある!

なので朝と昼はラーメンやパスタ、PANCHOと呼ばれるホットドッグで繋いで、夕食は牛肉とワインを買って来て宿のテラスでせっせと焼いてはガツガツ食べるという毎日。

PANCHOはアルゼンチン定番の軽食。飲み物とセットで400ペソ(300円)。

すっかり行きつけとなったカルフール

これが毎晩ってある意味贅沢

これで1日の食費は約1000円~1500円。もちろんもっと節約しようとすれば出来るけど、それは食の楽しみとのトレードオフになってしまう。

何処を最適解とするかは人によって違うと思うけど、私にとっては、必要なインフラや生活必需品が日本と変わらない値段で提供された上で、相対的に肉とワインのコスパが良いこの国のバランスはとても心地良い。

アルゼンチンがすっかり気に入ったので、このブログのタイトルも「STAY-南米編-」に変えて、残りの期間はこの街に沈没しようかと一瞬本気で悩んだ。笑

でもだからこそもっとこの国を旅してみたいとも思ったので、首都ブエノスアイレスを目指してみる事にする。

総距離は約1200km。

ルートも行程も全くの未定だけど、とりあえず走り出してみよう。

日出る、良い空気(ブエノスアイレス)の方向に向かって。

(続く)

星野 耕平

でかい波、高い山、長い道が好き。
トレラン歴は約15年。UTMB、Tor Des Grants、Andorra Ultra Trail等完走。
自主イベントとしては自転車日本縦断、歩きお遍路結願等。

座右の銘は「No wave,No life.」

個人ブログ:100mile
http://kh100mile.blog.fc2.com/

PROFILE

Run boys! Run girls! |

Run boys! Run girls!は、東京都千代田区東神田(馬喰町駅)のトレイルランニング・ランニング専門店です。物販だけでなく、情報発信や、ランニングイベント、交流イベント等を行い、トレイルランニング・ランニングの魅力を多くの人に伝えていくことを目的としています。

WEB: https://rb-rg.jp/

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