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2023年10月16日

マツイ

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走れない中年が初めての100mile完走を目指す話【BAMBI100とは?編】

先日、関西で開催されている「BAMBI100」に出場させていただきました。
本当に素敵な大会で、心底楽しませていただきました。
話したいことや伝えたいことは、とんでもなく膨大な量になります。

そこで、「BAMBI100ってなんだろう?」と「私の100mileの話」を分けてブログに記載することにします。

今回は「BAMBI100」について紹介する回です。
知っている方、知らない方、出てみたい方、気になっている方、様々な方がいると思いますが、このイベントについて説明させていただきます。

BAMBI100とは?

日本各地でトレイルランニングレースが開催されていますが、BAMBI100はレースではありません。
「誰にでも挑戦しやすい100マイルを。」をコンセプトに関西で生まれた、参加した選手が100mile完走を目指す大会です。
なので、ゼッケンを付け、タイム計測し、関門も制限時間もありますが、順位を争ったり、タイムを競ったりという事はありません。

1周40kmのコースを4周し、100mileを40時間以内に走れば、完走となります。

100mileを走ったことがない、または5年以上100mileを走っていない方だけが参加資格があり、参加資格がある方が応募し、選ばれた約30名が走ることが出来る大会です。

舞台は、奈良県の生駒山周辺。
京都からも大阪からも近く、関西の方々にはなじみ深い山とコースとのことでした。

ちなみにプロジェクトメンバーは6名。
世界の土井陵くんをはじめ、milestoneの西岡さんと吉田さん、YOSEMITEの豊田さん、TJARを2度も完走している福山さん、ROCK STEPPERSの山根さんという、経験豊富で、100mileを完走しているメンバーが、選手ファーストの大会を運営してくれました。

左から西岡さん、福山さん、土井さん、吉田さん、豊田さん、山根さん

どうやったら出場できるの?

参加資格はわかったけれど、どうやったら出場できるの?と思いますよね。
参加者は36人という狭き門。
100mileという壮大なコースをたった36名しか走ることが出来ないんです。

出場したい!と思った方は、まず「なぜ出場したいのか」を記したレポートを提出しなければなりません。

そして、そのレポートをプロジェクトチームが確認し、その中から男女それぞれ15名ずつが選ばれます。レポートは800字程度。なかなか大変です。それに書いたからと言って、出られるわけではないというのが、狭き門のポイントです。
また、この30人の中の11名は、前回大会で完走者した方が推薦しクジで選ばれた方の10名と前回ボランティアスタッフをした方の中で、次回は出場したいと応募した方の中からクジで選ばれた1名が含まれます。
なので、レポート提出で選ばれる方は19名ということになります。

そして、その30名以外に、

①プロジェクトメンバー推薦枠
②ゲストランナー枠
③安全管理兼マーシャル枠
④ニュージェネレーション枠(40km×4名)

が加わり、総勢36名 + ニュージェネレーション2組が2023年の出走者となりました。

そうなんです、出場することがまず大変。
狭き門を通過した皆さんだからこそ、やる気の温度が高い!
開催日のずっとずっと前から、待ちきれないと言わんばかりの熱気が漂い、また残念ながら落選した方も多いので「BAMBI100に出場する」という事が本当に大きなニュースとなります。

そんな状況に気おくれし、怖気づいてしまったのが・・・そう、私。
実は私は「①プロジェクトメンバー推薦枠」での出場だったからです。

いいなーずるいなーって思われるかもしれませんが、この「①プロジェクトメンバー推薦枠」で走らせてもらうという事は、なかなかのプレッシャーでして、お話を頂いてから、3か月以上「私で良いのか?走っていいのか?」と悩み、出場を決めた後も「推薦してもらったからには完走できなかったら困る」と、日々悩み、むしろ落ち込むほどでした。

2023年の出場メンバーとスタート前に記念撮影

コースマーキングがない

BAMBI100のコースには1つもマーキングや看板がありません。
参加者は事前に公開されている地図をもとに自分でコースを覚える必要があります。

大会側も開催日前に試走会を何度も開催してくれているので、おおよその選手はその試走会に参加していました。
しかし、私のように関西から遠く、またアクセスが難しい地方に住んでいる方はなかなか試走会に参加が出来ず、コースが分からず当日を迎えるという方も何人かいましたが、それはとても少数。

もちろん時計にgpxデータを入れたり、携帯に地図をダウンロードしたりと最低限の準備はしていたのですが

「何度も通った人でも迷うぐらい脇道が多い」

という情報が大会直前に入り、かなりパニック。

走力がある人は、コースがわかる人について行くことができますが、走力のない私はそれをできる自信がない。
うーーんどうするか・・・と悩みながらも答えが出ないままスタートしました。

最初の1周は、スタート直前にプロジェクトチームの土井くんが7〜8時間ペースで選手と一緒に走ることが判明し、私はとにかくそのグループに入ることを目標にしました。

結果、土井君は途中15kmぐらいで遺脱してしまうのですが、他の選手の助けもあり、なんとか最初の周回を回ることができました。

しかし、試走できない方は、道迷いのリスクも計算に入れておく必要があります。(実際、北海道から参加されていた方は途中まよって多めに走ったと言っていました)

私は、最初の1週目、写真のように分岐で写真を撮り記録していました。
その甲斐もあってか、奇跡的に1周目でコースの9割を記憶。
道をまったく覚えず迷子が多いことで有名な私ですが、危機が迫ると出来るもんだという事がわかりました。

ちなみに私のコースの覚え方は、1周目で、わかりにくい分岐や写真をとり、
3つのセクションに分けて覚えました。

  • 第1セクション:スタートからローソンまでの約10km
  • 第2セクション:ローソンから平群(へぐり)エイドまでの約16km
  • 第3セクション:平群エイドからゴールまでの約15km

もし来年以降出る方で、コースが同じであれば、私の覚えたコースの目印を示しますので参考にしてみてください。

スタート<<第1セクション>>トンネル→舗装のT字路→処理場→左折して田んぼの脇道→歩道橋→トレイル入り口→池と床に穴の空いた東屋→左の岩にお地蔵さんが見えたらすぐ先の分岐を右に曲がって登り坂(頑張りどころ)→権現の滝の看板方面→かるがも橋看板方面→ファミリートレイル→森の工作館(建物の中に自動販売機)→トイレ(多目的トイレ以外は和式)→むろいけ園地駐車場を右→奈良方面にロードおおさか環状自然歩道→堂尾池看板方面→堂尾池→激坂下る→ロードT字を右→小学校→ローソン(約10km)<<第2セクション>>ロード下る突き当たりを左に行くとさらにローソンがあってその次の信号のすぐ横の鎖のある脇道を入る→「火の用心」看板がある道を進む→スポーツセンターとトイレ(和式のみ)自動販売機あり→スポーツセンター出口を右→矢田丘陵歩道→どんでん池方面→阪奈道路看板方面→阪奈道路の上を渡る→矢田丘陵歩道看板に向かって車道を2度渡る→矢田丘陵歩道入り口→ロードに出て右に行き横断歩道まで下がって反対側に渡って「榁木峠」看板方面→竹藪→榁木峠の民家が見えたら道路を右→「松尾寺」看板方面に進む→「東山駅」看板を進むと激坂の下り→住宅街を下り信号手前を右→平群エイド(平群北公園)(約26km)<<第3セクション>>自動販売機を右→お墓→病院側に下り線路の前の道を右→線路を渡って道なりに進む→保育園の横を通って下りT字を右→神社のある交差点を左→急な坂を登ってさらに急なタコ坂へ→「千光寺」看板方面へひたすら進んで「千光寺」の自動販機(トイレもあり)過ぎたらすぐ左→とにかく進む、登る→千光寺の終点石→トンネル→「ぼくらの広場」看板の方面へ向かい「ぼくらの広場」(トイレあり・和式・多目的トイレのみ洋式)→木段下ってトイレ(和式・多目的トイレのみ洋式・手洗いの水が出ない)を右→下って鎖を跨いで左に下りU字を描くように進み右斜めのゲートを進む→突き当たりを右→突き当たりを左に下って「ぬかた園地」→オレンジ看板の「生駒縦走歩道」方面→滑りやすい石が引いてある下り道を下り切ったら右→林道を進む→「生駒縦走歩道看板」を入る→ハイキングコースを進んで駐車場や車道を横めに進むとスタート地点と合流しすぐに右→登ってゴール(約42㎞ぐらい)


おおよそ、こんな感じだと思います。
地元の方々に聞くと、皆さん試走の際は「平群(へぐり)」からスタートしたそうです。理由は、駅(東山駅)に近いことと、帰りに温泉があるからだそうです。

走りやすい40kmって何?

BAMBI100のコースってどんなコース?と聞くと、「走りやすいコース」言われるのですが、走りやすいってどうゆうこと?と正直半信半疑でした。

でも実際走ってみると分かります。
どうにもならないような急登が無いんです。

例えば山梨で生活している私だと、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根や、赤岳の県界尾根など、休憩しないとどうにも登れない、長くて急な登り坂があるのですが、BAMBI100にはそれが無いのです。
登りらしい登りは、第3セクションの平群エイドを出た後の「千光寺」から「ぼくらの広場」までの区間だけで、あとは登り坂があっても、急じゃなかったり、短かったり。なので、我慢できる登りで、走力がある方なら、40km全部走れると思います。

また、下りもあまり難しいところはありません。ちょっと細いとか、最後の最後に、滑りやすい石が引いてある登山道があり、天候が悪いとその石がかなり滑るので困ったなぁと思うのですが、それ以外は特になく、危険個所もありません。

テクニカルなトレイルは無く、当然ロープや鎖場なんかもありません。

ぼくらの広場の景色は圧巻でした

エイドも約23㎞先までないのですが、その間にコンビニ、自動販売機が出てくるので、無駄に飲物や食べ物を持って行く必要もありません。また、2週目以降は「私設エイド」を設営してくれる方が増えるので、食べ物や飲み物の心配をすることなく、進むことが出来ます。

舗装路、登山道、林道がバランスよく組み合わさっているコースで、街に近い低山(里山)なので1人だとしても不安感が少ないコースだと思いました。

私はどんな緩やかで短くても登り坂は全部歩き、平坦と下りだけ走ると決めていました。3周目までは、平坦や下りでもちょこちょこ歩いてましたが、それでも7時間半~9時間半ぐらいでした。途中のエイドで20分ぐらい休憩してますし、トイレやコンビニにも寄ってるので、それを差し引いても9時間あれば周れるコースだと思います。

ストックOK、サポートOK、ペーサーOK!

初めての100mile完走を目指す者にとって「あったらいいな」を許してくれるのもBAMBI100のすごいところ。

ストックの使用OKだったので、私は1周目のスタートから4週目のゴールまで全て使いました。

また、サポートもOK。サポートはスタート会場と平群エイドでサポート可能です。

そして3周目からはペーサーをつけてもOK。
しかも同時に3人まで付けて可というスペシャルなもの。

私も3人にお願いしましたが、ほとんどの方がペーサー付きで走っていました。

私のペーサーとサポートを引き受けてくれたのは、
Answer4のコバ、いつもサポートしてるRyuG、そしてpatagonaでLDAのおっくん。
サポートを京都の重鎮大浦さん。

応援に駆けつけてくれた逸子、大浦さん、おっくん、RyuG、コバ

全員100マイラー。
そして、トレイルランニングも100mileのことも良く知っている、力強いメンバーで、この4人がいれば怖いものなんて何もない!と言っても過言ではないほど、肉体的にも精神的にも頼りがいバツグンのメンバーでした。

おもてなしがすごい

前文に記載した通り、出場者は36人しかいないのに、ものすごいホスピタリティなんです。

コースマーキングはありませんが、救護ランナーが逆走でコース上をパトロール。また、クリーンナップランナーも逆走し、コース上のゴミ拾いをしていました。

スタート会場も常にスタッフがいて、選手を盛り上げてくれましたし、エイドとしての食料も準備してくれていました。

平群エイドは、食べ物が豊富で次々に新メニューが登場。
シチュー、ミネストローネ、そうめん、雑炊、味噌汁、わらび餅、まんじゅう・・・などなど。飲物も豊富で温かい飲物を用意してくれたのがうれしかったです。

平群エイドのみなさん。とてもお世話になりました。

また、コース上には「私設エイド」が何カ所も。
みなさん、昨年完走した方や、仲間が出場しているなど、BAMBI100に何かしらの関わりがある方ばかりでしたが、どのエイドも温かく励ましてくれました。
すごく美味しくて、温かくて、応援が力になるってこういうことか!と感激しました。

私設エイド。夜明けのコンソメスープ最高でした。

大会翌日のアフターパーティも多くのボランティアスタッフの方が、お肉を焼いたり、ドリンクを配ったり。「すべては選手のために」という思いを皆さんが共有して動いてくれているのだなと感じました。

他にも紹介したい点はたくさんありますが、
次回は、どんな風に準備して、どんな風に走ったか?という、私の話をさせていただきたいと思います。

PROFILE

マツイ | Yumi Matsui

Run boys! Run girls!山梨在住スタッフとして、主にオンライン業務を担当。練習嫌いの為、レース順位も体重も変動が多く、最近は自分自身の体調管理の為、年に1度100km以上のレースに出る事を目標にしている。最近は自分自身が出場するより、サポーターとして関わることが多いが、これまでハセツネ70k、ONTAKE100、STY、八ヶ岳スーパートレイル100km、ASO Round Trail100、分水嶺トレイルなど完走。スリーピークス八ヶ岳トレイルの言い出しぺとして、現在も事務局長として活動中。

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