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2019年3月14日

リョウ

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ロングトレイルレースでのペーサーの心得

先週の金曜日はヤングの「JIKKA100」のペーサーとして50~80kmまでの約30km走って、日曜には「古河はなももマラソン」でチームメンバーのサブスリーのペーサーをしてきました!

ヤングは見事目標のサブ24時間で4本目の100マイルを完走!マラソンではチームメンバー2人が初めてサブスリーを達成!なんともペーサー冥利につきる結果でした。

我ながら見事なイーブンペースw

これ以外ではKOUMI100で2回ペーサーをしていまして、去年はウルフこと木幡帝珠のペーサーを務めさせてもらいました。(結果は見事優勝!)

ペーサーとして選手と一緒に走るのはもちろん楽しいんだけど、今回のフルマラソンでもKOUMI100でも選手が「結果を出す」ためのペーサーってのが自分は結構好きだなと。

基本的にペーサー制度は日本では信越五岳とKOUMI100、彩の国といったトレイルロングレースで活用されるものなので、ロングトレイルでのペーサーとして心がけていることを紹介します。

 

・コースレイアウトの把握と共有

ショートレースの場合は何キロ地点にエイドがあって、トレイルのピークはどこなのかといったコースレイアウトはなんとなく頭に入れて走れるが、ロングレースではそうはいきません。特に初めてのコースであれば。自分がペーサーをする時はコースレイアントを印刷して、各エイドを何分で通過する予定なのかメモを記載したものをラミネートして持っていきます。

目的としてはどこから登り下りになるのか、どこまで登りが続くのかの把握。これがわかっているだけでメンタル的に少しは楽になる。また補給を考える上でもコースの把握は役に立つ。下りがいつから始まるのか分かればその直前には食べ過ぎないといった工夫ができるし、エイドまでの距離が分かればどれくらい水分を摂っていいかわかる。

ペーサーはこうした情報を都度都度確認し、その時何をするか考えるということを選手の代わりにやってあげる。100マイルの後半や夜通し走っているとこうした細いけど大事なところに頭が回らなくなってしまう。そこでランナーの頭脳となるのがペーサーの1つの大切な役割だと思う。

 

・補給の管理

ロングレースでは補給は非常に大切。選手によって様々だが、ある程度はどれくらいのペースで補給を取るかは決めているだろう。事前に選手からこうした情報を聞いておく、その上でその補給ペースにそって選手が補給を取れているか確認したり、場合によっては補給食を渡してあげる。(レースによってはペーサーが選手の補給食を持つのはNGなので要確認)

また、後半は胃がやられて想定していたもので補給ができないこともあるので、何なら食べれるかの確認も。

先ほども言ったが、後半はこうした意識がどうしても抜けてしまう。しかも後半はエネルギー不足になりやすい。一度ハンガーノックになってしまうと、それに気づいてから補給してもすぐに動けるようにならない。

ハンガーノックを防ぐためにも、選手の状況を見ながら補給の管理もしてあげよう。

 

・目標タイム、順位に対しての進捗把握・共有

ペーサーをするにあたって、補給のペースと合わせて目標とするペースやタイム、順位も事前に選手に聞いておこう。

走っていて、次のエイドまであと何分でいけば、予想通りだ、といったことを考えるのは意外に頭を使う。走っているときは頭に余計なストレスを与えず、走ることに集中させてあげる。そのため、目標に対して、今自分がどれくらい遅れているのか、速すぎるのか、周りの選手の状況は?という情報を選手の代わりに把握する。

それを選手にそのまま伝える、伝えないというのは選手のタイプや状況にもよるというのがペーサーの面白さの1つでもあると思う。

 

・モチベートする

3つほどペーサーとしてやった方がいいことを挙げてきたがこれが一番大切で難しいと思う。

100マイルの90%はメンタルだと言われることもあるくらい、パフォーマンスに影響するメンタルをどれくらいペーサーがあげることができるか。このメンタルに関しては人によって何がどう影響するのか分からない。

声かけしたほうがいいのか、無言で前を引っ張るのか、頑張らせすぎて後半へばってしまわないか、色々と気にするポイントはあると思うけど、結局は選手に「コイツについていけば大丈夫」「コイツの言ってる事しておけば大丈夫」と思ってもらえるか、そういう関係性ができているかという事に尽きると思う。

それ以外に細かいことだけど、先にエイドに入って水補給したり、ゴミを持ってあげたりまでしてほしい人にはしてあげた方がいいかなと。ただ、最低限のことは自分でやりたいという人もいるのでそこは選手との相談で。

ペーサーは選手が走りだけに集中できて、楽しく走れて、結果的に目標を達成できるようにできるように最大限サポートしてあげよう。ペーサーの経験は自分のレースにも間違いなく活きるので。

同じくランボーアスリートのTomoさんも「100miles100times」で言っていたが、「ペーサーは最高」です。選手を一番間近で見れて、レースの雰囲気を味わえるし、自分の経験値も上がるし、何より楽しいので機会があればぜひペーサーやってみてください。

PROFILE

リョウ | Ryo Murata

村田 諒、1992年生まれ、トレイルランニングにハマりすぎて高尾に引っ越し。リモートワークという働き方をしながら仕事もトレランも場所を問わず、思う存分楽しんでいます。2018年STYニューヒーロー賞、アジア各国のミドルレンジレースで入賞を果たす。2019年にはHURT100で100マイラーに。今後はロングトレイルをメインに走っていきます。

WEB: http://mroom.jp/

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