キタタン2018レースレポート
皆様、こんにちは。
Gコ山TRC所属のオショーです。
今週のブログでは、昨年書いたキタタン2018のレースレポートをシェアしたいと思います。
え?何故って?
特に理由はありませんw
読み物として気楽に愉しんで頂けたら幸いです\⍩⃝/
先ず「昨年、レースレポートを書いた経緯」をご紹介します。
経緯
・このレースレポートは昨年のキタタンの応援に来てくれた友人達のために昨年のレースの次の日に書いたものです。
・トレイルランの応援ポイントって基本的には選手が里に下りてくるところになりますよね。キタタンも例に漏れず、関門のある場所までしかアクセスできない。即ち、応援に来てくれた友人は、刻々と変わるレース展開をその各々の「点」でしか観ることができない訳です。
・そこで、それぞれの「点」の間を選手の目線から埋めることができたら面白いのではないか?と思い、暑い中応援に来てくれた友人へ僅かばかりの恩返しの心持ちで書いたものです。
※今回この私的なレポートを公開することを快諾してくださった友人に感謝します!
今回公開するにあたり、書いた当時(レースの次の日)のドライブ感を感じて頂けたらいいな、という意図から、大きな校正はしていません(選手名だけイニシャルに変換してあります。名取君以外w)。
多少の読みにくさはご容赦ください^_^
では、行ってみましょう!
※お写真を提供してくださった江藤さん、ヤスヨさん、ありがとうございます!
目次
レース前の計画
●サブ5は必達目標。プラスでどこまで削り出せるか?がテーマ。
①スタート~立石建設の下りのロード・林道(=峠走第1弾)、1CP~2CPにある下りのロード・林道(=峠走第2弾)は全て攻めの走り(少しでも脚を残すためにピッチ多め+ストライド短め&接地も工夫。が、基本方針は「大腿四頭筋の破壊を惜しまない」)
②姫次からのトレイルの下りも捻挫に気を付けつつ攻める
③トレイル登りはプッシュするが①と②の達成が前提。
●NESここまで3分差のHI選手の位置は常に意識。ほぼ併走すると予想。3分リードしているアドバンテージをいかして、位置が近接した場合は無理せずに後ろに付く方針。
●NESここまで21分差のKH選手(自衛隊・若手)の位置も意識すべきだが、突っ込んでくると思われるので基本は気にしない。彼が落ちずに走りきれたら21分差は詰まるかもしれない。
レース中の動静
(1)スタート→平丸→立石建設(WS)
・スタート直後~平丸までのロード1.5kmは渋滞回避のために強度強め。ただし、鼻呼吸で維持できるペースで(この時点で口呼吸してる人は大体落ちてくる)。第3集団ぐらいに位置していたので全体で20位ぐらい。
・HI選手はいつもの通り、少し突っ込み気味でイン。第2集団あたり?目視確認できる距離だったので追わない。KH選手は予想通り先頭集団(かなり速い)でイン。
・平丸でトレイルに入ってからは少し走ったが、前の人に合わせてパワーウォーク(PW)に切り替え。走るべき区間なのに。=この時点で身体の切れの悪さを感じる。
・登りの途中で昨年3位のN選手の後ろにつくが調子悪そう(5時間ちょっとでゴールされていたから後半持ち直したぽい)。ペースが合わなくなったので抜く。
・その後、Y選手の後ろに付く。ターゲットレースが別にあるようで「練習の一環ででる」的なツイートをされていたが、そんな感じ(敢えて走らずにPWをしているぽい)だった。ペースが合ったのでピークまでご一緒。
・その後、ロードの下り=峠走第1弾。Y選手の後ろについていたが、ペース合わずで抜くことにした(Y選手は1CPでDNF。肩甲骨に痛みありで大事を見てDNFとツイートされてた)。
・立石建設の3キロ手前ぐらいでHI選手を確認。ペース遅い。調子悪そうに見える。この時点では「これは勝てるぞ」と思っていた。先方が自分のことを認識しているかは不明だったが、もし認識されているならば抜いたことに気付かれない方がいいので、少し離れた位置をスピードあげて抜き去る。
・その後、2~3名パスしてWS(ウォーターステーション)の立石建設にイン。喉の渇きは少な目。ボトルへの補充はせずにその場で水一杯飲むだけでアウト。
(2)立石建設→鐘撞山→神ノ川ヒュッテ(1CP)
・立石建設通過後に少しだけミスコース。WS前にパスした2人に追いつかれる…。
・ピークまで約800mの登り。やっぱり力が出ない。走るべき傾斜でPWに甘んじる。走って追い付きてきた選手に、PW+時々小走りで付いていけるのでペースは悪くないはず。もう1人は後退していったことを考えると、普通のスピードのレベルしか出力できていない(登りが得意な身としてはツラい現実だが、レース的には許容範囲内か)。
・少し登ったころに後ろからHI選手が出現。調子が悪いと踏んでいたので驚く。そして、登りのペースの速さにビビる。抜かれた後、背後に付いていこうとしたが(同着なら自分の勝ちだ)無理だった。「今は我慢のしどころ」と自分に言い聞かす。
・やはり登りの力が出ずかなり苦しんだがピークまでは何とかなった感じ。道志村の時もそうだったが、こういう時は後半に調子上がってくるのでソレを信じて無理をしない、というのが肝要(ま、結局、後半調子上がらなかったけどw)。
・ピークからの下りはそこそこ急(マイナス20%ぐらい)だが、ガレてないのでスピードは出せる。登りで苦しんだ分の汚名返上とばかりの攻めた走りを試みる。気が付いたら1CP到着という感じ。
・1CPインの時点で8位と聞く。想定以上に上位でびっくり。1CPでHI選手が水をがぶ飲みしていた。こちらは、ボトルに補充して直ぐにアウトしたので、この時点で7位。再び前に出る。
・HI選手ががぶ飲みしている姿から「かなりプッシュしたんだな」と確信。「後半落ちてくる可能性もあるので焦るな」と自分に言い聞かせる。
(3)神ノ川ヒュッテ(1CP)→日陰沢源頭→神ノ川園地(2CP)
・1CP後は日陰沢源頭までガレた登り。ここは予定通り走らずにPW。捻挫しないように丁寧に登る。少ししたらHI選手に抜かれるも、ここは追わない、焦らない。
・その後、名取君の背中が見える。調子悪そう。いつも通りのスタイルで先頭集団インしていたのは確認していたので、突っ込み過ぎたのかなと心配する。背後についたけど登りのペースは自分と同じぐらいだったので(自分は相変わらず力が出てない)、そのまま抜かずにピークまで。
・ピークを越えると、おんたけ的なガレ気味の林道下り=峠走第2弾。名取君のペースが上がったのでペーサーにさせてもらってガンガン攻める。少し走るとHI選手を確認。名取君とともに抜く。この時点で、HI選手が「トレイル登りが異様に強くて、走れる区間が苦手な選手」である、と理解。と、すると今の自分の調子だと2CP〜姫次までの上りのタイムは確実に負けるので、2CPまでの区間でどれだけアドバンテージを付けられるかが勝負の分かれ目になると踏んで、ギアを一気にあげる。このあたりで、K選手(TNF)がトボトボ歩いていらした(その後2CPでDNFした模様)。
・名取君とペースが合わなくなったので、軽く声かけて抜き去る(ちなみにレース中の友人との絡みは結構迷う。バチバチやり合ってる以上、闘志を落とすような振る舞い(気楽に話しかけるとか)は勿論憚られるし、かといって、無視も何だか感じ悪い。で、大体「ちす」とか声かけて抜きます)。
・しばらく走ると前方にHG選手を確認。追い付く目標にしてまたギアをあげる。
・2CP直前のトンネルでHG選手が私設のコカコーラエイドで小休止していたので、その横を通過(「あそこで小休止は戦闘モードじゃないはず、調子悪いのかもな」と予想)して、2CPに5位でイン。HI選手との差を広げるべくボトルに水補充して、その場の補給せずに素早くアウト(←ちゃんと補給すべきでした)。
(4)神ノ川園地(2CP)→風巻ノ頭→袖平山・姫次
・袖平山・姫次までの登りに入る。相変わらずパワーが出ない。加えて2CPまで飛ばした疲労感が出てきている。PWで淡々と登ることしかできない。
・2CPまででHI選手にそこそこの差を付けられた自負があったが、登りだして割と早くに背後に気配。HG選手が少し後ろに、HI選手が更に後ろに見えた。これはまずいぞ…
・HI選手がHG選手に追いつき、2人でガンガン登ってくる。そのまま一気に抜かれてしまう。当然追い付いていけない。視界に入っていたのは僅かに10分程?この時点でNES優勝が遠のいていく感覚。気持ち的に落ちるのを避けたい局面だったが、疲労の蓄積された脳味噌は正直だ…。
・その後の登りは地獄の行脚。水も切れそうになってきて、精神的にも辛かった。姫次に非公式の荷揚げエイドがあるのは知っていたが、2CPでもっと補給すべきだったな、と後悔。←完全に脳みそが負のループw
・このペースだと後続にまだまだ抜かれそうだなと思っていた(こういう気分の時は、何となく後ろに気配を感じてしまうw)が、結局抜かれなかった。後で区間タイムを見返してみると、自分のタイムは決して遅いわけではなかった(HI選手のタイムは素晴らしかったが)。即ち、現場で必要以上にマイナスに考えてしまっていたってこと。この手の心理面での負のループはパフォーマンスに影響が出るので避けないといけない。次回以降の宿題。
・袖平山に想定外のエイドが(私設かな?)。コーラと水を1杯ずつ一気飲み。ボトルに水を補充してもらって一安心。姫次を目指す。
(5)姫次→平丸分岐→ゴール
・姫次は補給なしでスルー。その後の下り基調のご褒美トレイルで少しずつ気持ちが戻ってくるのを実感しながら走る。
・平丸分岐からは下りの傾斜が強くなるので慎重に、でも、HI選手との差を少しでも縮めるために飛ばさないといけないトレードオフ区間w。残距離も少ないので、太腿使い切ってOK=接地はガンガン行く感じで。
・平丸の2キロ手前ぐらいで後ろから気配が。振り返ると凄まじいスピードで名取君が下りてくる。普通だったら「絶対抜かせない」と意地を張るところだけど、あまりの気迫とスピードに速攻で道を譲ってしまったw。抜かされるのは悔しいはずなんだけど、復活した名取君を見られるのは素直に嬉しかったし、かつ、下りのテクニックが素晴らしくて見惚れてしまってw、何故か清々しい感じがして、テンションがあがったわ。その上がったテンションに駆動されるまま、後ろに付いて行こうと思って真似してスピードあげて雄叫び上げながら下ったら、速攻こけてダイブ。右の脹脛を攣りましたw腸脛を伸ばしている間に名取君の姿は見えなく…
・通常営業に戻して少し下ると平丸に。ロードを少し走った後、もう一度歩行者迂回用のトレイルに。ここは2年前の記憶があったので、「え?まだトレイル?」とはならず。
・トレイルを出てからロードをそこそこ走る記憶があったけど、割と直ぐにゴールゲートが見えた。少しでもHI選手との差を詰めたい思いで、ラストは猛ダッシュでゴールになだれ込む。
・ゴールして先着してた名取君と健闘を称え合う。名取君のことはずっと応援していたし、目標にしている選手でもあるので、今回の1つ差でのゴールは“悔しい<<<嬉しい”感じだった。去年と今年の2年間で一緒になったレースの中で、道志村2回とハセツネの3回でレース中に名取君の背中を見ることがあったけど、何れも彼が調子を落として苦しんでいるところを僕が抜く感じだったので、今回みたいに少しの時間でもバチバチやり合えたのは初めてだったので嬉しい気持ちが強かったと思われるっす。
レース後の考察
登りの力が出なかった問題について
原因は、
A)疲労が抜け切れていなかった
B)体重がベストよりやや重かった
C)気持ち的に乗れていなかった
この辺りの相乗的なもの(=ピーキングのミス)と思われる。
以下、詳細。
A)疲労が抜け切れていなかった
・今回のテーパリング期は、レースの10日前からの計画だったが、身体の疲労感を見て12日前からに繰り上げた。
・テーパリング期の前の週(八重山から2週後の週)は、所謂「追い込み期間」で、週間で“101km、4500mD+”とかなり強度を上げていた。
・レース1週前の週末の伊東旅行で地元のトレイルに入ったが、想定以上の強度だった。
⇒ここまで3か月3戦全力で戦ってきたことによる疲労の蓄積を考慮できていなかった可能性はある。その状態で「追い込み期間」を設けてしまったので、テーパリング期間12日でも短すぎたか?連戦の後半は疲労が残りやすいことを考慮すると、「追い込み期間」は設けずに、通常のトレーニングにすべきだったかもしれない。とりあえず旅行先でのトレイルランは疲労の蓄積を促しただけで不要でした…(でも行きたくなるやん仕方ないよねw)。
B)体重がベストよりやや重かった
・記録を見るとレース当日朝(カーボロード済)の体重がベストの2kgプラス。これはただの管理不足…。
・テーパリング期は、トレーニング量的に体重は減らないので、食事量をセーブして体重増加を抑えるべきなのに、レース10日前のサンリオとレース1週前の週末の伊東旅行で、ご飯を食べすぎました(ビュッフェ危険…)。
C)気持ち的に乗れていなかった
・A、Bとも相関する部分。疲れが残っていると気持ちが乗らない。体重がベストより離れていると気持ちが乗らない。
・当初から3戦目の八重山に大ピークを設けていた上に、実際に結果を残せたこともあり、やや燃え尽き症候群気味だったかもしれない。特に、今回からスカイラン関東選手権にキタタンが組み込まれた影響でいつも以上に強豪が集まることが事前に分かっていたので、どこかで「仕方ない」的な諦めがあったかもしれない?
⇒シリーズ戦の中で八重山に大ピークを設定した判断は正しかったと思う。が、4戦目にも何らか「意味づけ」をしておくべきだったかもしれない(尚、1、2戦目は3戦目の八重山に向けて調子を上げていくためのステップとして意味づけていた)。ちなみに「チャンピオンシップの優勝が懸かっていたこと」はレース中にはプラスに働く局面もあったが、トータルでの影響力はあまりなかった気がする。「後付け」の要素が強かった?
⇒もしかしたら、シリーズ戦に入る“前”にきちんとした「意味づけ」を済ませておくことが大事なのかもしれない。この辺りは難しい。
レース中の気持ちの浮き沈み問題について
・基本的には気持ちの浮き沈みなく「淡々とこなす」のが鉄則なのは頭でよーく分かっている。何故なら、気持ちの浮き沈みは、細かい判断を反芻すること(あれが悪かったのか?みたいな)に繋がるので脳味噌を疲労させるだけで何も良いことがない。が、頭で分かっちゃいても実行しきれない弱さが自分にはまだある。これはある程度は「経験」でカバーするしかないのか?
・一方で、身体的にも精神的にも本調子ではない状態であっても年代別入賞という結果を出せたことはプラスの「経験」になった。
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いかがだったでしょうか?
こうやって記録に残しておくことの良さは、やはり当時の生々しい学びをそのまま保存できる点な気がします。
と、言いながら「昨年学んだことが今年実践できてないなぁ」というところが其処此処にあって少し恥ずかしさもあったりしますがw
さて、今年のキタタンはどんなレポートを残せるでしょうか?
残り僅かですが、やれるだけのことをやってスタートに立ちたいです!
では、またお会いしましょう!
O-show the ripper
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レースに向けた私のトレーニング内容は全てStravaに、各トレーニングへの所感や日々の呟きはtwitter, instagramで晒しております。ご興味があれば覗いてみてください。
https://www.strava.com/athletes/1513063
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また、私がブランドフィロソフィーに強くシンパシーを感じ、所属させて頂いている「Gコ山TRC」の母体となるGreat Cossy Mountainのホームページも是非ご覧ください。