リロードされたランニング愛とアップデートされた因数分解
以前「目標の因数分解」の話をブログに書いた。
その中で、「フルマラソンでのサブ3達成」を以下の2項に因数分解し、
① 4:14/kmが体感的に楽に走れる心肺
② 3時間動き続けられる脚
その上で目標達成に向けたトレーニングを “①を向上させるもの” と “②を向上させるもの” の2種類に集中させる、という当時の自分の取組を例として紹介した。
因数分解のアップデート
実は、現在の取組では、更に「③適正化されたフォーム」が加わり、3項に因数分解して扱っている。
① 4:14/kmが体感的に楽に走れる心肺
② 3時間動き続けられる脚
③ 適正化されたフォーム
③の項を追加した狙いは何かというと、フォームが適正化されることで、目標達成(例えば、サブ3)への①と②の項の寄与度を減らすことができる、というところだ(なお、互いの項が影響し合う時点で厳密な因数分解になっていないのは大目に見てくださいw)。具体的な機序は以下の通り。
- フォームが適正化され、ランニングエコノミーが改善されることで、4:14/kmを楽に感じることができる心肺能力①の閾値が下がる(同じ心肺能力で比較したときに、楽に感じるペースがより速くなる)。
- フォームが適正化され、臀部(ケツ)の動員量が増えることで、少ない脚力②の動員量で3時間走れるようになる(同じ距離地点で比較したときに、脚の疲労度がより少なくなる)。
この3項によるアプローチを採用した結果、日々のトレーニングにおける時間配分が例年のマラソンシーズンと比較して大きく変化した。
具体的には、③のためのドリルの時間やフォームをチェックしながらのスロージョグの時間が増え、代償に①のためのスピードトレーニングの時間と②のためのロング走の時間が減った(仕方がない、時間は有限なのだ)。
より深まるランニング愛
この時間配分の変化は、フォームの修正を試みている最中には、速いスピードや長い距離のランニングは故障の原因になり得るので回避した方が良い、という実用的な意図も当然あるのだけれど、何よりもフォームを見つめ直す作業自体がとてつもなく楽しいことが一番の理由だ(色々と御宅を並べているが、要は③が楽しくて①と②が疎かになっているのであるw)。
意思を持って「ランニング」を嗜むようになってから10年ほど経つ訳だが、振り返ってみれば今以上に「走る」という身体的行為そのものに向き合うことはしてこなかった。
「うぉぉぉ!10年経ってもこんなに楽しめる余地があるのかよー!」という喜びと共に深まるランニング愛を噛み締める日々である。
加齢との共存(ポジティブに!)
また、結果的にではあるが少なくとも自分にとっては、以下の2つ理由でこのアプローチは加齢による影響を先回りして回避する一策にもなり得るとも考えている。
- フォームがより適正化されていけば、加齢と共に緩やかに落ちていく心肺能力や脚力を補い得る。
- 加齢と共に故障からのリカバリー時間が増加し得る(反射神経が弱体化することによる故障も想定される)が、適正化されたフォームは故障自体を回避することに寄与し得る(故障しなければトレーニング量を維持できる➡︎心肺能力と筋力の低下に抗う上で超重要)。
さて、ランナーの加齢については、twitterのTL上でも色々な意見を拝見したので最後に共有して締めようと思う(それぞれの立場や経験に即した様々な意見が見られるのがtwitterの醍醐味だ)。
皆さんの意見からは「この最高に楽しいアクティビティをより息長く楽しみたい!」という前向きな気概(ランニング愛)を感じるのだが深読みし過ぎだろうか(みなさま、よいお年を!)。
オショー