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2020年12月23日

ユウタ

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ランナーの高重量ストレングストレーニング

早いものでもうすぐ2020年も終わりですね。コロナの件もあり今年は例年とは違う一年だったという方も多いのではないでしょうか。個人的にはパンデミックの中6月にカナダ移住し、長年の夢であった理学療法士として働き始めることができ、忙しながらも充実した年でした。また、先月受けた筆記試験も無事合格し残すは来年6月にある実技試験のみ。2021年もまだまだ色々落ち着かない年になりそうです。

以前から興味深い記事でお世話になっているJason Koopのブログでランナーに向けたストレングストレーニングの記事がありとても参考になったので紹介させて頂きたいと思います。

高重量トレーニングがランニングへもたらす好影響

そもそも高重量でのストレングストレーニングが本当にランニングのパフォーマンスを上げるの?という話ですが2020年10月に発表された “Concurrent complex and endurance training for recreational marathon runners: Effects on neuromuscular and running performance” という研究を紹介させて頂きます。

  1. 高重量×低回数(例:5回×3セット):HST
     バックスクワット、スプリットスクワット、ランジウォーキング
  2. 高重量×低回数 + プライオメトリック:CPX
     HSTの内容に加えてドロップジャンプ、片足跳び、両足でハードルジャンプ
  3. 低重量×高回数(例:20〜30回×3セット):EST
     HSTと同じ内容を低重量高回数で行う

上記の3グループに分けて通常のランニングに加えて6週間トレーニングを続けたところ、高重量×低回数でトレーニングを行ったHSTとCPXでランニングエコノミーやV02maxの改善などランニングのパフォーマンス改善につながる変化が見られました。

高重量トレーニングの実践

とりあえず、高重量×低回数のストレングストレーニングが有効ということは分かったけど実際何をどうやってやれば良いの?ということで詳細についてお話ししていきます。

まずはストレングストレーニングに対する心構えとして、

  • 良いランナーになるためにストレングストレーニングをしないといけないわけではない(ストレングストレーニングをしていなくても良いランナーはいる)
  • ストレングストレーニングを行なったからといって短期間でエリートランナーになれるわけではない(劇的な変化は期待するべきでない)
  • ランニング自体を疎かにしないようにする
  • ストレングストレーニングによる恩恵を期待するのならしっかり準備して目標のイベントまで継続して行う

いわゆるサプリメントのようなものでベースとなる食事(=ランニング)を疎かにしないようにということですね。

ストレングストレーニングの期分け

100マイルレースを完走するためのトレーニングに期分けがあるのと同じでストレングストレーニングにも期分けが必要です。

例えばレースまで9ヶ月あるとして、最初の3ヶ月は比較的重い重量で4〜6回×4〜5セット行います。4〜7ヶ月目の4ヶ月間は重量とセット数を落とし代わりに回数(レップ数)を増やします(8〜12回×2〜3セット)。そして最後の2ヶ月は更に重量を落として上限15回でレップ数を増やします。更に1週間辺りのストレングストレーニングの回数を落とすことでランニングのトレーニングなどを含めた総合的な疲労を抜くよう注意します。

もしレースまでの期間が9ヶ月より短いまたは長い場合は3:4:2のバランスを保って期間を調節します。

ストレングストレーニングの期分けの例

ストレングストレーニングの内容

ストレングストレーニングの種目は無限とあり、こだわり始めるとキリがないです(そこが面白いところでもある)。そこでここでは分かりやすく5種類の動きに分類し、各セッションに必ず5種類全ての動きが取り入れられるようにします。5種類の動きは以前の記事(40代以降のウルトラランナーが速くなるためにやるべき4つの事)で紹介させて頂いたのとほぼ同じです。

  1. Push(押す):ベンチプレス、プッシュアップ、ダンベルプレス
  2. Pull(引く):プルアップ(懸垂)、ラットプルダウン、ロウ
  3. Hip hinge(股関節を曲げる動き):デッドリフト、ヒップスラスト
  4. Squat(スクワット):スクワット、ランジ、リバースランジ
  5. Carry or twist(運ぶ / 捻る):ファーマーズキャリー(ケトルベルやダンベルなどを体の横や頭上に持ち上げてバランスを取りながら歩く)、ウッドチョッパー(薪を着る時のように体を捻る)、メディシンボールスロー(体を捻りながら)

トレーニングプログラムの例

DAY 1

  • プッシュアップ
  • ダンベルロウ
  • ルーマニアんデッドリフト
  • スクワット
  • ファーマーズキャリー

DAY 2

  • オーバーヘッドプレス
  • プルアップ(懸垂):必要であれば補助を用いる
  • ヒップスラスト
  • リバースランジ
  • メディシンボールスロー

ストレングストレーニングのスケジューリング

先述したようにストレングストレーニングはあくまでも補助的な役割であってメインのトレーニングであるランニングに悪影響が出ないよう注意する必要があります。そこでストレングストレーニングを行うのはロングランやハードなランニングセッションから極力遠ざける必要があります。そうすることで大事なランニングのトレーニングになるべくフレッシュな状態で臨むことができます。ランニングとストレングストレーニングを同じ日に行う場合はまずランニングを行い、その後ストレングストレーニングを行うようスケジューリングします。ハードなトレーニングの日と、イージーな日のメリハリをしっかりつけることが重要です。

トレーニングスケジュールの例。メリハリしっかり。

ジムに行けない場合は?

コロナの影響でジムが営業していない、感染リスクがあるか休会中、コストがかるから通えないなど様々な理由でジムにアクセス出来ない方がいるかと思いますが、その場合はレジスタンスバンド(エクササイズバンド)を利用して抵抗をかけます。高強度のストレングストレーニングを行うためには200 lbs(90kg)以上の強力なバンドが必要になります。ハンドルや輪っかが付いたものなど様々なタイプがあり、実際のウェイトと全く同じにはいきませんが工夫することでしっかり負荷をかけることができます。

まとめ

ランニングもそうですが、ストレングストレーニングも結果を出すためには継続していくことが鍵となります。そのためにもなるべくシンプルな内容で内容も絞り時間的にも体力的にも無理せず継続できるプログラム作成が重要になると思います。私自身コロナの影響でしばらくジムに行けていませんが、レジスタンスバンドなどを上手に利用して来年の夏に向けて少しずつ身体造りを再開していきたいと思います。

PROFILE

ユウタ | Yuta Yamato

整形外科で働く理学療法士(physiotherapist)。サッカー/フットサル漬けの学生生活を経て社会人となり山を走り始める。2013年にUTMF、Tor des geants完走。
2015年から2017年までカナダで生活し帰国後RBRGスタッフとして3ヶ月働く。
現在はカナダでphysioとして働くべく再移住に向けて準備中。

WEB: https://yutaphysio.com

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