Vol.2 ガンガンやってるよ
こんにちは。
初回のブログで『元万引きGメン』というワードが出たので、今回は前職の万引きGメンについて書こうと思います。 (2回目からトレラン全然関係ない話ですみませんw)
私は一昨年の春まで、約10年間に渡り万引きGメンの仕事をしていました。
Gメンの仕事をしていた時は周りにGメンしかいなかったので珍しくも何ともなかったのですが、一般的に万引きGメンという職種の人間はそう居ないらしく「万引きGメンに初めて会った」と言われることもしばしばです。 Gメンを辞めた今でも「Gメン」と呼ばれる事が多いです。 (覚えやすいのでGメンと呼んでいただいても構いませんw)
ここで、よく質問されるGメン話をQ&Aで。
Q.なんで万引きGメンの職に就いていたのか?
A.仕事を探そうと求人誌を見ていると「万引きGメン募集」のインパクトあるフレーズを見つけ、「これは話のネタになるし、面白そうだからやってみよう!」と当時在籍していたGメンの会社の面接を受け晴れて採用。
万引きGメンはよく警察と間違われますが、民間の警備会社に私服保安員部門があって、そこでの勤務が通称「万引きGメン」と呼ばれる職種になります。
Q.これまで何人くらい捕まえたのか?
A.計算したところ、およそ10年間の間に約3600人検挙しました。検挙ゼロの日もありますが、大体1日1〜2人は捕まえます。
学生グループや窃盗団など集団での万引きなどがあった場合、多い日では1日8人くらい捕まえることもあります。
ざっと計算して
平均1.5人捕捉×月20日勤務=30人(月間)
30(人)×12(ヶ月)×10(年間)=3600人
といった感じです。
Q.たくさん捕まえると給料が上がるのか?
A.会社によっては歩合で上乗せしてくれるところもありますが、基本月給制です。
Q.どういう人が万引きをするのか。
A.それこそGメンを始めた当初は高校生や若年層の万引きが多かったですが、今は圧倒的に高齢者の方が多いです…。貧困が理由というより、年金暮らしでお金に不自由していないけど買い物のついでに何点か万引きするという傾向にあると感じます。
Q.危ない目に遭ったことはあるのか?
A.あります。 自分が女性なのと上から目線ではなくやんわりと下から声を掛けるので危害を加えてくる犯人は意外と少なかったですが、突き飛ばされて転倒し救急車に乗ったことや、もみくちゃにされてむち打ちになったことなど多々ありました。
地方紙ですが事件事故欄に載ったこともありますし、犯人が逃走して大掛かりな逃走劇が起きた時はTwitterで「○○駅前で乱闘が起きてる!」みたいに拡散されたことも2度ありました。
強面のお兄さんに声を掛けるのは怖かったです。
Q.Gメンは大変ですか?
A.肉体的な面では、ずっと歩きっぱなし立ちっぱなしなので結構足腰にきます。 捕まえられない日やお客さんのいないお店なんかでは、従業員の方の目線を感じながら丸一日お店の中を徘徊していてなんだか申し訳ない気持ちでした。
また万引き犯を捕まえたら、犯人と一緒に警察署へ同行する事になります。自分が逮捕者となるためそれに付随した調書を作成したり手続きなんかでだいたい6〜8時間は拘束されます。
調書作成に基づいて万引き犯の行動を一部始終詳細に記憶しておく必要があり、曖昧な記憶では調書が作れません。日常的に犯罪の現場を目の当たりにするので、精神的に疲弊して離職する人も少なくなかったです。
スーパーや百貨店などで従業員の方が一生懸命働いている傍らでお店の財産を盗んでいく犯人が許せない気持ちの方が強かったので、万引きする心情は理解できませんでした。
依頼された小売店の利益を守るためにGメンの仕事をしていたといった感じでしょうか。
こんな感じで約10年万引きGメンをしていました。次回以降はトレランに寄り添った話題をお送りしますw
また来月👋