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2022年3月5日

TOMO

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出張版トモズセオリー#34: 胃腸障害の症状と原因と対策

Barkley Marathons 2019 at the Tower / Photo Sho Fujimaki

前回の記事ではウルトラのトラブルランニングについて紹介させて頂きました。今回はランキングの中でも一番トラブルが多い「胃腸障害」について触れたいと思います。

症状
吐き気、嘔吐、腹部けいれん、下痢などで、67~161kmの大会に参加したランナーの37~ 75%に報告されています。吐き気と嘔吐は、ウルトラマラソンでDNFしたりパフォーマン スに影響を与える最も高い理由であると報告されています。

原因
ウルトラランナーにおける消化器症状の根本的な要因として、ランニング特有の機械的ス トレスや揺れ、ひ臓の血流低下、胃排出や腸管吸収の低下、脱水症状などが挙げられま す。

対策
ウルトラランナーに必要なエネルギーは、トレーニングの条件や強度によって異なりま す。高地、酷暑、寒冷地などの極端な条件下では、食事に特別な配慮が必要です。目標は自分のエネルギー必要量を満たすために、どのような食べ物や水分を好んで、どの程度の量を摂取すればよいかを把握することです。また、エネルギーを摂取するタイミングもとても重要な要素になります。

アリの一撃のようにチリも積もれば山となるので、長く走れば走るほど、適切な栄養補給が重要になります。

必須な補給は下記になりますが、特に補給で失敗をするのが水分量と電解質(塩)であって、その時の走るペースや気温などによって目まぐるしく変わってくるのでとても難しいです。

1. 炭水化物
2. 水分
3. 電解質(塩)
4. 脂質
5. プロテイン

水分量
水分は飲みたい時に飲む、または喉が渇いたら飲むではなく、その時期や季節に合わせてレースペース(エンデュランスラン)で走った際にかく汗の量が一番正しい水分の摂取量になります。

計測方法としては以下の手順で測ります。
1. ランニングの前に裸で体重を測定します。
2. エンデュランスラン強度で1時間走る(気温に注意)
3. ランニング終了後、再び裸で体重を測定する
4. 実行前の体重から実行後の体重を引きます。
6. 差分が1時間に飲むべき水分量になります。
5. 冬と夏は別の結果が出るので時期ごとに分けましょう。

電解質量
電解質(塩)は1Lに対して500mg (0.5g) – 800mg (0.8g) が適量とされています。男女大小様々なのでこの範囲で適量を見つけることをお勧めします。

補給の中でも炭水化物(糖質)の摂取より水分の方が難しいです。例えば炭水化物の補給ミスとして、炭水化物の補給し忘れなどから起きるハンガーノックがありますが、ハンガーノックになったらなるべく早くジェルなどの即効性のある炭水化物を取れば結構早い時間で回復しますが、水分補給のミスは致命的なトラブルになる可能性もあり、そのことが原因でレース運びがうまくいかず、最終的にはDNFになってしまう可能性もありますし、身体が危険な状態になる可能性すらあります。以下にランニング中において水分の役割を説明します。

水分摂取がカロリー摂取よりも重要である理由
水の機能・役割はどれも重要ですが、最も重要なのはこの役割です。

運動をすると、熱が発生します。そのため身体は熱を発散させなければなりません。そのための主な方法が発汗です。発汗は体内の熱を 蒸発させ、体を冷やす作用があります。体の芯の温度が上昇すると、汗腺が周囲の空間から水分を取り込み、そこから皮膚の表面に水分が引き出されます。

身体に十分な水分がなければ食べ物を消化することができません。これが消化器系の問題の主な原因になります。なぜなら、 食物は消化プロセスを継続するのに十分な水分があるまで、小腸にたいりゅうしてしまうからです。例えば、 炭水化物は小腸から血流に移行するために水分を必要とします。ここでも水分が足りないと、炭水化物は腸の中 に「居座る」だけになってしまいます。その結果、ガス、膨満感、圧迫感などの消化器系の問題が発生します。

血液というと、ほとんどの人は血球(赤・白)を思い浮かべます。しかし、血球を全身に運び、栄養を運び、老廃物を除去するのは血漿(けっしょう)です。血漿は血液全体の約55%を占め、その95%は水分でできています。水分補給と体温調節に関しては、血漿は体の芯から四肢(しし)に熱を奪うと同時に、皮膚から排泄される汗を供給する貯水池を満たしています。

大腸、腎臓、汗腺のいずれにおいても、水は老廃物の濾過(ろか)と排泄に不可欠です。腎臓の場合、脱水状態になると、尿の色が透明または薄い黄色から濃い黄色に変化します。脱水症状がひど くなると、腎臓がダメージを受けることがあります。

まとめ
また身体は汗をかくための水分の方を消化プロセスより優先順位を上げるため、例えばオーバーペースで走ってしまい、汗を大量に描いて脱水症状に近い状態で補給をしても、消化プロセスを継続するためには水分が必須なので、十分な水分が身体に蓄えられるまで小腸にたいりゅうしてしまい、それが原因で気持ち悪くなる症状に繋がります。レース中は十分な水分量を接種しているのか?オーバーペースになっていないか?自分に言い聞かせながら走りましょう。

以上、今回は胃腸障害の症状と原因と対策について説明させて頂きました。ウルトラにおいて約40%のランナーがレース中に起こすトラブルなので、そうならないためにも接種するべき水分量と電解質量を考え直してみましょう。

また上記にも説明した接種するべき水分量の計測も行ってみましょう!

TOMO

PROFILE

TOMO | Tomokazu IHARA

井原 知一、2007年、IT企業から、スポーツ商社へ転職。当時、身長178センチ、体重98キロ、BMI32の肥満。直後、その体格から、BMIを下げるダイエット企画の社員サンプラーとなる。1日30分、毎日トレッドミルで走った結果、3ヶ月で7キロの減量に成功。それ以来走ることがライフスタイルとなり、トレイルランニングとも出会う。
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10年前、はじめて走った5キロは「挑戦」だったが、今では100マイルを走れるようになる。100マイルの楽しさにはまり、現時点で100マイルを47本完走(2019年1月時点 日本人最多)。現在の夢は100マイルを100本完走することと共に走る楽しさを広げていくこと。

WEB: https://tomospit.com/

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