スクラップ(済)&ビルド〜今シーズンの取組みについて

photo:inoue_houchimin
昨シーズンに陥った不調については、昨年10月のブログにも書いた。
それまでの数年間はずっと上り調子だったから、昨年の今頃は「このまま右肩上がりで強くなれる」なんてことを半ば確信していた。
だが、年始に思い描いていた通りには全くならなかったのだ。
- 思うようなトレーニングが積めず、心肺能力が落ちていくのを目に見えるように感じる日々。
- これまで当たり前にできていたトレーニングができなくなり、負の感情に見舞われそうになる。
- 積み上げてきたものを失う怖さに曝されて、焦る気持ち。
- 何とかせねばと無理を押してハードなトレーニングを試み、更に疲労していく身体。

今回は、そんな昨シーズンの不調後に得た(自分にとってはとても大きな)学びについて。
昨シーズンの取組みの反省点
先ず、昨年までの自分は「パフォーマンスは右肩上がりで伸びていく(より強く、より速くなれる)」という“前提”に立ち、その“右肩上がり前提”の下でトレーニングに取り組んでいた。
こう書くと“浅はかで無邪気な考え”と思われるかもしれないが、パフォーマンスをなるべく短期間で向上させていくためには、この“右肩上がり前提”に立ってトレーニングを組むことがとても有効だと考えている(なお、この考えは今も変わらない)。
反省すべきなのは、“右肩上がり前提”を手放すタイミングであった。その判断を殆ど最後まで下せなかった。
前提に拘り過ぎたのである。
その結果、疲労が蓄積され、オーバートレーニングの様な状況に陥ってしまったのだ(気付くのが遅過ぎる)。
即ち、もっと早くこの前提を手放し、目標とするパフォーマンスを下方修正する様なフィードバックをかけるべきだった、というのが大きな反省である。
何故そういった判断ができなかったかというと、「過去の成功体験」(上り調子の競技成績やRBRGアスリートに加われたこと等)に囚われていたことが原因ではないかと思う。
端的に言えば、「一度経験した“欲”に溺れた」のである(滅茶苦茶恥ずかしいw)。
この反省から得た学びは?
それは“右肩上がり前提”への拘りからもっと身軽になるべきだ、ということ。
言い換えるならば、パフォーマンスは(中長期的に見れば)上がりもするし下がりもするものであることを、上述の“右肩上がり前提”の更に一つ上位の次元の前提としてきちんと念頭に置く、ということである。
では、この学びを踏まえて今はどのような運用をしているのか。
学びを踏まえた現在の運用
先ず、“右肩上がり前提”でトレーニングを組む、という基本的なスタンスは変えていない。
何故なら、上述の通り、パフォーマンスを短期間で向上させるために有効な方法だと今でも考えているからだ。
現在もこの前提に立って勝負レースに向けたトレーニングを週単位で仮組みし、粛々と実行しているところだ。
変更点は以下の通り。
●適切なタイミングで適切なフィードバックを掛けるために、日々の自分の身体の状態をきちんと、かつ、ドライに観察する(昨年以上に!)。
ただ、この観察は私の主観に拠らざるを得ないから、「目標設定本位な観察になっちゃう」などのバイアスがかかる可能性は排除しきれない。
●そこで、月一で「あしラボ」の小野寺先生に診て頂く様にして、客観的な視点もきちんと加味する(加えて、ランニングフォームも改良していく!)。
●また、昨シーズンは自分自身のチャレンジを公に宣言して、それへの取り組みをブログ上で紹介する、というスタイルを採用していたが、今シーズンはそのスタイルを止める。
何故かというと自意識過剰気味な性格につき、一度宣言したことを撤回することがなかなかできないのだ。昨年の判断の遅れをブログのせいにする気は毛頭ないが、適時の判断を遅らせるバイアスになり得るものは可能な限り排除しておきたい。
最後に〜今シーズンのテーマ
ここまで書いたことを検討するに当たり常に念頭に置いていた言葉がある
それは、10月のブログの中でも紹介した桑原さんからの以下のコメント。
(今シーズンはオショーにとって)今までの自分を手放すシーズン、スクラップ&ビルドで言うとスクラップの一年だったのかなと思います。
Kei KUWABARA
そう、今シーズンのテーマは「& Build」である(カッコつけて英語に変換しちゃいました)。
オショー
ランニングやトレーニングに限らず質問や相談などを「コール」ください(TwitterやInstagramのメッセなどをご活用の上)。
時間がかかるかもだけどきちんと「レスポンス」します。